「官房長官に藤村修氏を内定―野田首相きょう組閣へ」

著者: 瀬戸栄一 せとえいいち : 政治ジャーナリスト
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 野田佳彦新首相は9月1日、内閣の要となる官房長官に側近中の側近である藤村修・前幹事長代理(61)を充てることを内定した。これまでの組閣人事では相談相手の官房長官を最初に決めるのが通例だったが、野田新首相は党内バランスを最優先する観点から幹事長に小沢一郎元代表代行に近い輿石東・参院議員会長(75)を起用することに全力投球し、官房長官人事が遅れた。

 藤村修氏は当選6回で初入閣。政治家の出発点が日本新党という点でも野田新首相と同じで、今回の代表選では野田選対の責任者を務め、当選後は人事などの相談役として野田氏に付き添った。野田氏は自らの閣僚経験が財務相だけであるうえ、女房役の官房長官も初入閣の藤村氏だと首相官邸の重みが軽量化することを懸念し、岡田克也前幹事長の官房長官起用をも検討した。しかし岡田氏は小沢一郎氏の党員資格停止問題の責任者である自分が官邸の中心に座れば小沢氏側との摩擦が再燃することを心配し、官房長官を固辞した。岡田氏は財務相に回る可能性がある。

 藤村氏は広島大卒。衆院文教委理事や交通事故遺児のあしなが育英会理事などを務めた。野田氏とともに1993年に日本新党から立候補、初当選。新進党を経て民主党に合流した。一度落選した野田氏と違って連続当選し、当選回数は野田氏より一回多い。それでも野田氏を首相候補として敬愛し、今回、宿願を達成した。

 野田新首相は31日から1日にかけて米倉経団連会長、古賀連合会長ら財界、労働界首脳にあいさつし、協力を要請したほか、自民党の谷垣禎一総裁や公明党の山口奈津男代表ら野党首脳と会談。ねじれ国会の運営をはじめ政策の修正・協力を要請した。このうち、谷垣総裁は第3次補正予算が成立した後は解散・総選挙で国民の真意を問うべきだ、と主張した。(了)

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