グローバル・リサーチ誌を主宰するミシェル・チョスド フスキィ氏が昨日のニュースレターに掲載した、パレスチナ人を抹殺するジェノサイドは米‐NATO‐イスラエルが共謀したもので「新たな標準」になりかねないという警告です。拙訳ですが紹介させていただきます。
イスラエルは、すでに着々と進行している「大エルサレム」計画および西岸の「併合」とあわせて、「大イスラエル」の野望を捨てないでいるようです。66年間、イスラエルの罪を裁けずにきたツケがガザの子どもたちを殺し続けています。イスラエルを一貫して支持している米欧はもちろん、国連も安保理も、このならずもの国家を容認、放任してきたすべてのものに責任がある。いま鉄槌を下さないと大きく口を開けた地獄の底に人類が落ちてしまいかねません。ガザのジェノサイドは あんぐり開けたその口です。原発同様、「裁き」こそが鍵。
Israel’s Military Strategy:”Obliterate Them Completely”. Overwhelming Evidence of Genocide, Precise Data on Death and Destruction in Gaza
イスラエルの軍事戦略:「彼らをとことん抹殺す る」ジェノサイドの圧倒的な証拠、ガザ の死者と破壊にかんする明白なデータ
ミシェル・チョスドフスキィ教 授(松 元保昭訳)
2014年8月3日
グローバル・リサーチ誌
Url of this article:
http://www.globalresearch.ca/israels-military-strategyobliterate-them-completely-overwhelming-evidence-of-genocide-precise-data-on-death-and-destruction-in-gaza/5394678
パレスチナ人に向けられたジェノサイドは、イスラエ ル・タイムズによれば新たな標準となった。
イスラエル・タイムズの論説記事によれば、特定の状況下では、テロリストであり抹殺されるべきパレスチナ人に対するものだからジェノサイドは許される。
罪のない民間人を含むテロリストに対するジェノサイド政 策を実行することが、ネタニヤフ政府がはっきり述べたように責任ある目標達成のために許されている。
“ならば彼らを完全に抹殺する以外、この本来的な敵に 対処するため何か別の方法があるのか?…
安心でき持続する目標達成の唯一の方法はジェノサイ ドを貫徹することであると、 政治指導者と軍事専門家たちが決定するとき、彼らの責任ある目標達成のためにそれが許されるというのか?
(イスラエル・タイムズ:責任ある目標達成のためにジェノサ イドは許されるか?グローバル・リサーチ誌、2014年8月1日参照:The Times of Israel: Genocide is Permissible “to Achieve Responsible Goals?”)
下記のデータ(レズリー・ブレイバリーが注意深く編集、スクロール を)が、イスラエルの軍事戦略の結果としてのその中心目標を 確認している。それは「ジェノサイドの実施」お よび「抹殺の戦略」を実行することこそ本質 だ:
民間人の殺害を中心目標にしながら、パレスチナ人の経済を破壊すること、市民社会の諸機構を破壊すること、爆撃を切り抜けて生き残った人々の生活を耐えがたく不可能にさせること、これらは軍事 作戦の不可欠の一部である:
爆撃と砲撃の軍事作戦ではあえて居住地域が選別されている。全壊あるいは半壊された建物の大部分は人々の住居である。
多くの学校、病院、診療所が標的にされている。
爆撃はまた、電力、水、そして排水の生活基盤施設に集中している。
暗黙の目標は、パレスチナの人々に向けられたジェノ サイドである。
パレスチナ人の故国からの強制追放
思い違いをしてはならない。シオニスト国家の中心目標は、追放であり領土拡張である。
イスラエルのクネセト(議会)にある強力な声は、パレスチナ住民を強制追放し、その領土にユダヤ人を再植民 させることを政府に要求した。(クネセト副議長モシェ・フェイグリンの声明):
“「IDF(イスラエル国防軍)がその射撃能力を弱め攻撃を 完了した後、IDF は全ガザを占領するだろう。わが兵士の損害を 最小限にするため必要な手段のすべてを利用するが、それ以外のことは考慮せずに…。ガザはわが領土の一部であり、われわれは永遠にそこに 留まるだろう…。ガザからのテロの排除に引き 続き、主権を持つイスラエルの一部となり、ユダヤ人 によって植民されるだろう。これはまた、イスラエルの住宅供給危機の緩和にも役立つだろう。」
(アリー・アブーニウマが「パレスチナ人を強制追放しユダヤ人をガザに植民させよと語るクネセト副議長」2014年7月28日Expel Palestinians, Populate Gaza with Jews, Says Knesset Deputy Speakerで引用したモシェ・フェイグリン)
【訳注1: 上記アリー・アブーニウマの警告記事の日付は、グローバル・リサーチ誌がそれを掲載した7月28日。著者アブーニウマ氏の元記事は、エレクトロニック・インティファーダ7月19日付。Expel Palestinians, populate Gaza with Jews, says Knesset deputy speaker http://electronicintifada.us2.list-manage.com/track/click?u=70effeb5f63e84ab0c0730984&id=360186824e&e=b4205a5765
アブーニウマ氏は、再度同趣旨の警告記事をエレクトロ ニック・インティファーダ8月3日 付に投稿。モシェ・フェイグリン国会副議長の要求書を貼り付けたこの記事を京都大学の岡真理さんが翻訳紹介している。】
根本的な前提は、「大イスラエル」である:「ガザはわが国土の一部であり、われわれはそこに永遠に 留まるだろう。」
欧米の共謀
欧 米の指導者たちは、共謀だけではない。彼らはその血に直接責任がある。
この慎重に計画されたイスラエル軍の陰謀は、ペンタゴン とNATOに調整されていた。ここには幅広い地政学的、経済的な配列がある。(これはこの論考の範囲を越えている。)
イスラエルの軍事行動は、イスラエル近隣のアラブ諸国を不安定にし、かつ分裂させるという本質をもつワシントンの中東戦略が支援している。それはまた、イランに対するUS-NATO-イスラエルのロード マップの一部でもある。東ヨーロッパの軍事化とロシアに向かう情け容赦のない戦争の脅迫と、イスラエルのガザ攻撃のタイミングは同時だ。
【訳注2: 中東・イスラーム研究者で思想家の板垣雄三氏は、昨年1月にマレーシアのナジーブ 首相がガザを訪問しイスラームのウンマにもとづいてパレスチナ勢力の統一を訴えたことが6月2日の自治政府の統一合意を導き、今回のパレスチナ勢力の統一崩壊をもくろむイスラエルの ハマース攻撃⇒ガザ攻撃に結びついていると、マレーシア機の行方不明・撃墜を含めてより具体的に同時性を示唆しておられる。IWJ板垣雄三インタビュー:8月1日~2日http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1】
イスラエルの戦争犯罪には「口先だけのお返し」
「ワシントンの統一見解」は、イスラエルの戦争犯罪には 口先だけのお返しだ。米国務省に影を落とす強力な外交問題評議会(CFR)によれば、ネタニヤフ首相は軍事紛争には根深い嫌悪をもつと 語っている。CFRによれば、ネタニヤフは彼の支配を越えた事態の為すがままになっているという。イスラエルの戦争犯罪による犠牲者は、 彼ら自身に死の責任があると言われている。ネタニヤフは、安全で確実だ。彼は平和を約束し、政治的には行動を無理強いさせられたと、彼は 犠牲者として描かれる(だろう)。
ジェノサイドは「新たな標準」
こんどは米国メディアも「新たな標準」を採用した。その 標準とは「特定の状況下ではジェノサイドは許される」と ほのめかすのだ。ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、解決は彼らパレスチナ人の故国からの強制追放および/あるいは徹底的な抹殺である:
ガザの人々は何が起ころうとしたか分かっていたのか?とうぜん彼らは選挙の夜に分かっていたにちがいない。彼らの命がすぐにも完全なカオスの状態に架けられるだろうと。寿命は惨めにも低いものになるだろう:子どもたちは未来のないままだろう。もはや生きていることさえ問題であるなら、生きていることが挑戦になるだろう、と。(セイン・ローゼンバウム教授、ウォール・ストリー ト・ジャーナル2014年7月21日、強調付加)
2014年8月3日、ミシェル・チョスドフスキィ
■パレスチナ人権キャンペーンのレズリー・ブレイ バリーによるデータ収集
ニュージーランド、オークランド
7月31日 深夜の死者と破壊:
殺害されたパレスチナ人:1372人 (うち子ども315人、 女性166人、 老人60人)
負傷したパレスチナ人:7680人 (うち子ども2307人、 女性1529人、 老人287人)
全壊の建物:5238
被害を受けた建物:4374
被害を受けた病院と医療施設:病院13、 クリニック10、
閉鎖された医療施設34
救急車の被害12
医療従事者の負傷38人: 薬剤師2人、救急隊員4人、 薬剤助手1人、研究室1か 所、および血液銀 行支配人1人を含む。
1人の看護師および1人の政府高官がイスラエル空爆の結果死 亡。
教会の外にいる障害の子どもたちが移動することもできな かったのに、800人以上の避難民と29人 の障 害の子どもたちを収容するガザのローマ・カトリック教会が爆撃の脅迫を受けた。
再度、イスラエルはパレスチナ人と国際メディアに施設を提 供している事務所を標的にした。
245000人以上の人々が強制的に退去させられた。
1700000人の人々(ガザ地区の全住民)が、電気、水、および排水な どの生活基盤施設の破壊の影響を 被っている。
Copyright © 2014 Global Research
(以上、翻訳終わり)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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