「思想史講座」10月のご案内・柳田「先祖の話」について

著者: 子安宣邦 こやすのぶくに : 大阪大学名誉教授
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* 今学期は朱子学的「鬼神論」の読み直しと近世日本思想における鬼神論的な問題の展開とその意味とを考えてきました。7月は近世江戸思想における鬼神論的な問題を徂徠の「制作論的有鬼論」と篤胤の「民情論的有鬼論」の二つに方法的に概念化し、その前者をめぐって考えました。9月には篤胤の「民情論的有鬼論」における安心(救済)論を徂徠の「制作論的有鬼論」の系譜を引く宣長における「安心なき安心」論に対置させて、その積極的な意味を論じました。10月には篤胤の救済論的鬼神論の系譜を引く柳田国男の『先祖の話』をめぐってお話します。
*「第二江戸思想史講義」では朱子学をただ日本近代思想の成立にとっての否定的な思想体系としてのみ見るのではなく、東アジアに成立した唯一の普遍的な思想体系として見ることから、あらためて日本の近世・近代思想の読み直しを考えるものです。

*会費は実費(会場費・テキスト代)を頂戴します。
*この会には何の入会規定もありません。当日出席した人が会員です。ご自由にご参加下さい。
*思想史講座―「第二江戸思想史講義」・鬼神論 6
*朱子の鬼神論的問題の転換として日本の近世・近代思想をどうみていくかにかかわります。

*大阪教室:懐徳堂研究会

10月16日(土)・13時00分〜15時00分
柳田国男と『先祖の話』
ー国民的救済信仰の語り出し
*資料は当日配布します

参考文献:柳田国男『先祖の話』柳田国男全集13(ちくま文庫)ほか。子安『日本近代思想批判』岩波現代文庫。岩田重則『戦死者霊魂のゆくえ』吉川弘文館。
会場:梅田・アプローズタワー 13階会議室12号室、 梅田・茶屋町口下車3分
*東京教室:昭和思想史研究会(会場は早稲田奉仕園です。)
10月23日(土)・13時00分〜15時00分

柳田国男と『先祖の話』
ー国民的救済信仰の語り出し

*資料は当日配布します

参考文献:柳田国男『先祖の話』柳田国男全集13(ちくま文庫)ほか。子安『日本近代思想批判』岩波現代文庫(旧版『近代知のアルケオロジー』岩波書店)。岩田重則『戦死者霊魂のゆくえ』吉川弘文館。
会場:早稲田奉仕園セミナーハウス・101番教室   バス「馬場下」下車、穴八幡宮の裏手
初出:「子安宣邦のブログ・思想史の仕事場からのメッセージ」2021.10.5より許可を得て転載
http://blog.livedoor.jp/nobukuni_koyasu/archives/86895239.html