「東通原発敷地の活断層に関連し、下北半島全体の地体構造を解明すべきだ」など-地震と原発事故情報

たんぽぽ舎です。【TMM:No1754】
2013年2月21日(木)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします

                          転送歓迎
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★1.東通原発敷地の活断層に関連し、
   下北半島全体の地体構造を解明すべきだ
   「活断層隠し」は許されない
   規制庁が真にまともな規制を行うつもりならば
      山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.新聞・雑誌より2つ
  ◆増える汚染水 遠い廃炉 福島第一原発 高い線量 近づけず
   作業手探り 技術も途上  (2月21日朝日新聞朝刊から抜粋)
  ◆原電、市に7億円寄付へ 敦賀原発「活断層」判断後も
                (2月19日朝日新聞より抜粋)
★3.メールマガジン編集部より
  ○原稿が多いときは1日に2回配信、メルマガの問い合わせには電話番号の記入も
  ○「テント守れ」ハガキ順調
  ○たんぽぽ舎24周年=25回総会は2月24日(日)です  柳田 真
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※2/23第10回槌田ゼミ-参加歓迎!
    隠ぺいされた福島原発事故徹底分析
   「チェルノブイリ原発事故と福島第一原発事故」
講 師:槌田 敦さん(核開発に反対する会代表)
日 時:2月23日(土)17:30より
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:800円
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┗■1.東通原発敷地の活断層に関連し、
 |  下北半島全体の地体構造を解明すべきだ
 |  「活断層隠し」は許されない
 |  規制庁が真にまともな規制を行うつもりならば
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)

○ 東北電力東通原発敷地内で確認された「活断層」。しかしこれは「点と線」
の問題ではない。「面」の問題だ。
 下北半島全体の地形は、地殻変動で形成された。断層は頻繁に繰り返し動いて
きたことも今回の調査で明らかになってきた。これが意味するのは、この場所で
見つかる「活断層」は、この地域の最大の断層である「大陸棚外縁断層」の派生
または連動で形成された可能性があることだ。
 仮に「東通断層」と、今回の断層を呼ぶとしたら、その南に位置する六ヶ所村
には「出戸西方断層」があるが、これは大陸棚外縁断層の陸上延長断層とみられ
ている。似た構造にあるわけだ。
 大陸棚外縁断層もまた、この地域一帯の地体構造の一部を形成する。その中で
も最大の構造は言うまでもなく下北半島沖のプレート境界である。
○ 日本海溝から千島海溝へとつながる海溝軸は、ちょうど下北半島の沖、釧路
の沖といっても良い場所で曲がっている。北海道側の千島海溝では十勝沖地震
(1843、1952、2003など)や根室沖地震(1994や1969など)といったマグニチュ
ード8級のプレート境界型地震が発生している。
 これら地震が発生するとプレートが潜り込んでいる北海道沿岸部に大きな力が
加わり、沿岸部や内陸部で断層運動による地震が発生したり、あるいは潜り込む
プレートの内部で起きる「スラブ内地震」が発生する。つまり「海溝軸外縁部か
ら潜り込み帯」が全て巨大地震の巣となる。海溝軸外縁部で起きる地震のことを
「アウターライズ地震」というが、これは沖合遙か海の下だから、揺れの影響は
少ない一方で、巨大津波を発生させる可能性が高い。また、海溝軸から陸地にか
けては断層が多数存在し、地下の震源断層が活動する際に、その断層面が大きく
変動することで、海ならば津波、陸上ならば地殻変動を起こす。その区間ではあ
わせて「スラブ内地震」も起き、これがまたマグニチュード8を超える可能性も
ある。
○ 東通原発から六ヶ所再処理工場に至る地域一帯の地体構造は、以上のような
千島海溝と北海道との関係とパラレルであろう。
 そう考えれば、東通原発や再処理工場の下にある断層は、過去に発生した巨大
地震の傷跡と考えるのが合理的であり、そんなところに原子力施設を立地した責
任をこそ問われ、再稼働云々などと言っていられる次元の話ではない。
 東北電力は東通断層を「地層が水を吸って膨らんだ」などと、未だに主張をし
ている。
 彼らには謙虚さのかけらもない。ここで見えてくるのは「工学の高慢さと理学
への偏見」である。すなわち、地震あるいは断層の評価はよほど明確でなければ
「確率的」にしかわからない。一方工学的な「強度」や「耐性」は確定的に分か
る。一定の厚みのある材料ならば、破壊に「閾値」がある。すなわち「想定の地
震に耐えられる」強度で作れば良いことになる。理学的立場ならば、常に確率的
に起こり得る地震や津波の影響を、工学的には「一定の範囲ならば確定的に防衛
可能」となる。そこに、大きな落とし穴が待ち受けている。
 想定外の力が加わればいかなる強度設計も無効になるのは当然だ。従って、想
定を超える応力が生ずる「かもしれない」といったことは「あってはならない」
ので、その可能性のある断層は「活断層」であってはならない。理学は「確定的
に活断層」などとは言えないことを逆手にとって「膨潤の可能性もあるだろう」
と、工学の立場から難癖を付ける。これが今まで繰り返されてきた「活断層隠し」
の正体だろう。
 規制庁が真にまともな規制を行うつもりならば、言うべきことは一つだけ。
「東通原発を含む下北半島地域は原子力施設の立地は不適当だ」と、これしかない。

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┗■2.新聞・雑誌より2つ
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◆増える汚染水 遠い廃炉 福島第一原発

 放射線が廃炉作業を阻み、放射能汚染水だけが増え続けていた。20日、朝日新
聞記者が原子力規制庁の検査官に同行し、まもなく事故から2年がたつ東京電力
福島第一原発の内部をみた。廃炉作業が完了するのは2050年ごろ。気の遠くなる
作業は始まったばかりだ。

高い線量 近づけず

 4号機原子炉建屋最上階からは鉄骨がぐにゃりと曲がって鳥の巣のようになっ
ている建物が見えた。炉心溶融事故で水素爆発を起こした3号機の原子炉建屋だ。
4号機にいるような作業員の姿はない。無人操縦のクレーンが屋上のがれき撤去
をしていた。
 原子炉建屋内部の放射線量は毎時20~100ミリシーベルト。人が容易に近づけ
ない。(中略)
 一方、1~3号機の事故で溶けた燃料を冷やした水と建屋に流入した地下水が
混ざり、汚染水は増え続けている。汚染は除去しきれず、敷地内にタンクで保管
している。2011年7月は約1万トンだった汚染水は、今年2月には23万トンに増
えた。今も1日数百トンずつ増えている。建屋の地下にも10万トン程度のたまり
水がある。(中略)
 ほとんどの放射性物質を除去できる装置アルプスは昨年中に稼働予定だったが、
廃棄物を入れる容器の耐久性に問題が指摘され、計画が遅れている。漁業関係者
らの反発もあり、汚染を取り除いたとしても処理水の海洋放出は当面難しい。今
後さらにタンクを増設の予定で、汚染水の扱いは自転車操業が続く。東電は15
年までに敷地南側に70万トン分までタンクを増やす計画だ。(中略)

作業手探り 技術も途上(中略)

 現在、爆発で飛び散ったコンクリート片などのがれきの撤去が進んでいる。炉
心溶融事故を起こした1~3号機の溶けた燃料の取り出し作業は2022年ごろ
までに始まる見込みだ。
 1~3号機原子炉建屋は現在も放射線量が非常に高く、作業員が容易に近づけ
ない。事故で溶けて原子炉から漏れ出た燃料は格納容器や配管などに散らばって
いると見られるが、どこにあるかわかっていない。
 燃料を取り出すためには、格納容器を水で満たす必要がある。しかし、事故で
格納容器が破損、溶けた燃料を冷やして出た放射能汚染水が漏れ続けている。水
が漏れている場所もわかっていない。(中略)
 国の原子力災害対策本部(本部長・安倍晋三首相)は8日、民主党政権による
「政府・東電中長期対策会議」を廃止し、「福島第一原発廃炉対策推進会議」を
立ち上げた。廃炉作業を加速させる安倍首相の方針を受けた。だが、政府が難題
山積の状況を打開するための対策を打ち出せるのかは未知数だ。
 (編集委員・服部尚)(2月21日朝日新聞朝刊から抜粋)

◆原電、市に7億円寄付へ 敦賀原発「活断層」判断後も

 福井県敦賀市の敦賀原発を保有する日本原子力発電(東京)が同市に2013年度
に約7億円を寄付することで市側と合意したことが、市関係者への取材でわかっ
た。原子力規制委員会が2号機原子炉建屋直下の断層を「活断層の可能性が高い」
と判断し、廃炉の公算が大きくなった後の決定だった。(後略)
  (2月19日朝日新聞より抜粋)

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┗■3.メールマガジン編集部より
 | ○原稿が多いときは1日に2回配信、
 |  メルマガの問い合わせには電話番号の記入も
 | ○「テント守れ」ハガキ順調
 | ○たんぽぽ舎24周年=25回総会は2月24日(日)です
 └──── 柳田 真

(1)原稿が多く寄せられた時は(嬉しい悲鳴)発信作業者の手配がつけば、
「1日、2回発信」します。原稿を寄せられた人の気持ちを考えて、またニュー
スの鮮度は早い送信の方が良いので。ただし、全員ボランティアなので、1日2
回の発信作業(校正も含めて2~4時間)が無理の時もあります。その時は「翌
日以降」になりますので、ご了承下さい。

(2)メールでいくつかの問い合わせがあります。1日数通問い合わせの日は返
事にかなり時間と労力がかかります。可能ならば、問い合わせ等の時は電話番号
も記入していただくと幸いです。(電話番号での答えの方が早くできる可能性あり)
 たんぽぽ舎は財政事情もあり、基本はボランティアです。
 専従は1名で、かつ食品の測定が一定の仕事量です。人手不足をご配慮下さい。
日刊でのメルマガ発信は問い合わせへの返信も含めて、かなりの人手、労力、そ
して費用がかかっています。

(3)2月19日(火)小雪の中を経産省前のテントを守る活動をされた帰途にたん
ぽぽ舎会員のMさん(江戸川区)がわざわざ寄って下さいました。「テントを守
ろう」のハガキ(3枚1組プラス大臣などの宛名を書いたちらし1枚)を50組
(1万円)購入されました。感謝!
 これまでの再稼働阻止のハガキ(先例)の時は1万5000枚も普及できましたが、
それも、こういう多くの人に支えられていたからです。先週の金曜日の官邸行動
の日も、「テントを守ろう」ハガキに多くの好反応がありました。

(4)なお、2月19日(火)の定例のテントを守る活動(火曜日はたんぽぽ舎の
自主設定日)には、山本さん(男性)、山田さん(女性)など、7~8名が参加
された。

(5)たんぽぽ舎は今、2月24日(日)たんぽぽ舎24周年=25回総会の準備に追
われています。議案書つくり(経過と方針)、決算と予算案作り、新しい人事
(運営委員、応援する人)などなど。猫の手も借りたいほど。新しく参加して下
さる人々が10人近くになり、強力な人事になる予定。嬉しい出来事です。

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【編集部より】
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