政府は昨年11月、原発の使用済み核燃料の中間貯蔵や最終処分について「使用済み核燃料対策協議会」を設置。この重大なテーマを話し合うため、全都道府県に参加を要請したが、回答しない都道府県が多く審議できずにいる。参加表明したのは、原発を抱える福井、茨城の2県だけ。他の都道府県の中には、政府の原子力政策が明確になるまで様子見を決め込む自治体もあり、立地地域との温度差は大きい。
核燃料対策協議会への参加表明は2県だけ
毎日新聞4月21日付朝刊は、「福井県の西川一誠知事は12月5日、『立地自治体の立場から、積極的に発言したい』と参加を表明。東海第2原発を抱える茨城県も続いた。しかし、その後の参加表明はなし。同庁は『年末の政権交代が影響したのかもしれない』と,気を揉んでいる。同日付朝刊はさらに「核燃サイクル政策については、エネルギー庁内部に『福島事故を機に改革しよう』との熱気があったが、熱は冷めてしまった。職員の間では『政権交代の影響が全てだ』との呟きがが聞こえてくる」と証言しており、安倍晋三政権の取り組み方に大きな問題があるようだ。
六カ所村工場も、「もんじゅ」もトラブル続き
朝日新聞4月22日付社説が「もはや机上の空論だ」との見出しを掲げ、核燃サイクルにこだわる政策の破綻を糾弾した姿勢に賛同したい。同社説は次のように述べている。
「核燃料再処理工場の操業に、原子力規制委員会が『待った』をかけた。この工場(青森県六ケ所村)を対象とする新しい規制基準は12月にできる予定だ。それまでは使用前検査をしない。原燃見込む操業開始は難しくなった。…このまま工場を動かせば、使うあてのないプルトニウムが増える。国際社会から核拡散への懸念を持たれかねない。早く事業から撤退すべきだ。プルトニウムを利用する高速増殖炉『もんじゅ』で失敗が続き、実用のメドすら立っていない。日本はすでに約45㌧のプルトニウムを保有している。この処理にメドをつけないまま再処理工場を稼働すれば『利用目的のないプルトニウム』が増え、国際公約を破ることになる」。
安倍政権は「原発推進。核燃サイクル堅持」に何時までこだわり続けるのだろうか。将来展望が全く開けて来ない政治状況が心配でならない。
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