「結局、再稼働ありき」の野田首相の政治決断と対決を!

2012年6月11日 連帯・共同ニュース第263号

■   いつの間にか梅雨入りになった。この季節が好きな人も、嫌いな人もいるに違いない。僕は割と好きな方であるが、それでもふり続く雨と湿気には顔をしかめたくなる時もある。特に今はテントのこともあって今年は空梅雨がいいなぁと勝手な観測をする。国会はこの時期、いつも政局という名の複雑な動きをする。政党間の政局(党派抗争)という病が現出するのだ。何も決められないと言われる野田政権だが、今は何も決めず、国民生活に必要な最低限の法案だけ処理して後は国民的な討議に任せればいい。内閣や政党は問題の提起をしてもいいが、その決定は国民の意志に委ねるべきだ。現在の政治制度は現実に進行する社会に対して壊れているのであり、有効に機能しえないのだ。政府も政党も社会的な対応力を失っているのである。大震災や原発震災に対する対応はそれを如実に示している。消費増税や原発再稼働の強行はこの逆説的な表現である。何故なら、現実の財政的な既得権益を守ろうとする官僚は消費増税に必死であり、電力業界などは原発再稼働《保持》に必死であり、それに応えることしか出来ていない。これは政府が既得権益を守る以外の政治的構想の能力も持ち合わせていないことのあらわれなのだ。

■  今、政府や政党に言うべき事は明瞭である。国家的な課題は国民の意志決定に任せて、次の選挙までなるべく何もするなということだ。何もしないことが今の状況での最良の政治的態度である。焦点の大飯原発3・4号機の再稼働についても再稼働の是非を国民の意志に任せ、決定しないでいい。国民は時間をかける中でその是非について判断するだろう。政府の役割はこの判断のための素材を情報として提示することである。一見すると、困難に見える国民の意思決定であるが、これははっきりすると思う。民主党政権は政権交代後の対応は現実の動きに政党や政治家が対応力を失っていることの証明であり、この危機を既得権益の利害を代弁することで乗り切ってはいけない。それは泥船の道である。国民の意志の方に降りてくることが、民意によって政権交代を得たことに戻る道である。「国民の生活を守る」という詭弁によって既得権益の擁護に走る原発再稼働の決定などとんでもないことだ。この決定は今週が山場である。

■  テントひろばを拠点にして首相官邸や国会前での抗議行動を展開しよう。国会議員に対する働きかけを強めよう。週末の6月16日・17日は福井の現地集会である。バスツアーの締め切り《12日》も迫る。今週を野田と対決する行動の日々に。行動提起に対応を!(文責 三上治)