「野田佳彦氏を首相に指名―幹事長は輿石氏に打診・難色」「鹿野道彦氏か川端達夫氏の線も」

著者: 瀬戸栄一 せとえいいち : 政治ジャーナリスト
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 衆院本会議は30日、菅直人前首相の後継首相指名選挙を行い、第95代、62人目の首相に野田佳彦・民主党代表(54)を選出した。与野党ねじれ中の参院本会議でも並行して指名選挙をし、一部野党の棄権で野田佳彦氏を決選投票で首相に選出、野田氏はこのあと皇居での認証式で正式に内閣総理大臣に就任した。菅内閣は同日午前、閣議で総辞職した。

 野田首相はこうした手続きと並行して焦点の民主党幹事長人事に着手、小沢一郎氏に近い輿石東・参院議員会長(75)に幹事長就任を打診した。輿石氏は難色を示したが、野田首相は「私はあきらめない」となお説得を続ける意思を伝えた。輿石氏がどうしても受け入れない場合は、野田氏とともに代表選に出馬した鹿野道彦前農水相(69)や川端達夫・元副代表、元国対委員長(66)など中間色の強い人材を選ぶ可能性もある。

 重要閣僚のうち野田首相が務めてきた財務相には仙谷由人代表代行(65)か岡田克也幹事長(58)を起用する方向で調整中だ。外相には岡田氏の復活の線も残る。野田首相を官邸で支える官房長官には玄葉光一郎政調会長か細野剛志原発担当相らの名前が浮かんでいる。細野氏については原発担当に留任する線もある。玄葉氏は国家戦略担当相を兼務してきたが、野田首相は政調会長と閣僚の兼務人事は避ける方針だ。

 野田首相は9月2日に組閣する意向。同11日にはニューヨークの国連総会に出席、その合間を縫ってオバマ米大統領との日米首脳会談を希望し、外交ルートで調整している。(了)

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