本日(5月19日)は、気持が楽だ。陸路、南部の海辺に広がる広大な干潟で有名な順天へ。「順天湾自然生態公園」で干潟の自然を満喫し、その後「楽安邑城民族村」と古寺を見学の予定。その後、再び長駆釜山へ戻って、釜山市内に。2度目になるが、江戸期の日本との交流を伝える 「朝鮮通信使博物館」を見学する。
ところで、「順天楽安邑城(スンチョンナガヌプソン)」とは、李王朝時代の城と村落、市場などが原形そのままに保存された史跡だという。
朝鮮太祖6年(1397年)に倭寇の侵入を受けるや、この地出身の襄惠公金贇吉(キム・ビンギル)将軍が土城を築き、その300年後の仁祖4年(1626年)に忠愍公 林慶業(イム・ギョンオプ)将軍が楽安郡守として赴任し、現在の石城を築いた。他の地域の城郭と異なり、広い平野地帯に1~2メートルの大きさの正方形の石を利用して高さ4メートル、幅3~4メートル、全長1,410メートル、東内、南内、西内など135,537平方メートルに及ぶ3つの村を囲み、400年以上経つ現在も途切れるところなく原形そのままに残されている。今も85世帯がこの中で生活しており、民俗学術資料としてはもちろん、歴史教育の場としても価値が認められている。
ここでも「倭寇」だ。朝鮮と倭とは、切っても切れない宿命の歴史をもっている。
なお、今回の旅も、吉田博徳さんからのお誘いを受けてのもの。2名一室での同宿相手が吉田さん。吉田さんは、先年まで日朝協会都連会長の任にあった人。韓国訪問は、50数回にも及ぶという。韓国語も達者だ。こんな便利な同宿者はほかにない。
吉田さんは、1921年6月23日生まれで、現在97才。もうすぐ98才になる。が、年齢を感じさせないその矍鑠ぶりは人間離れしている。身体も達者だし、好奇心が旺盛。4泊5日の同宿で、長寿と健康の秘密を教えていただきたいところだが、「そんなものは何もない」とおっしゃる。いや、何もないはずはない。この機会に探り当てたいものと思う。
(2019年5月19日)
初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2019.5.19より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=12627
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