3つの情報をお知らせします(11月20日)
◇ 残念ながら、玄海原発4号機が稼働したため、日本の原発・全54基の
うち、現在43基(80%)が停止、稼働しているのは11基(20%)。
今後、再稼働をみんなの活動で阻止できれば、2012年春頃には全原発
の停止が実現する。
原発なくとも電気はだいじょうぶ(天然ガス、火力、その他)。
今、運転中の11基も早く停めてほしい-地震・余震が心配。
★1.11.15「低線量被曝の時代を生き抜く」参加して出会った
~原発の労働災害認定問題~梅田隆亮さんを支援したい!
★2.11月15日「ノーモア・ヒバクシャ・ノーモア・原発」記者会見から
五七年前に起きたビキニ事件こそ福島原発大事故の「原点」
ビキニ事件を賠償もせず-その見返りに水面下で原発を要求
★3.「ノーモア・ヒバクシャ・ノーモア・原発」記者会見・傍聴記
78社中1社のみ、真実を書かないマスコミ-肥田舜太郎氏
明かされるビキニ被曝の真実-大石又七氏
★1.11.15「低線量被曝の時代を生き抜く」参加して出会った
~原発の労働災害認定問題~梅田隆亮さんを支援したい!
○たんぽぽ舎の勉強会に、初めて参加しました。
ただ日々の子育てに追われるだけの自分は、3.11以前には、タンポポ舎
の存在すら知りませんでしたから・・。
○肥田舜太郎さんのお話、さすがに迫力ありました。圧倒されました。事実を
語る人の言葉は、衝撃力がありますね。
○それにも増して。原発労働者の梅田隆亮さんのお話に打ちのめされました。
炉心を素手で作業させる電力外会社、何なんでしょう!ものすごく腹が立ち
ました。ご自身も、ぶらぶら病のような症状に苦しまれているのですね。
○じつはお帰りになられる途中、偶然ご一緒になり駅までいろいろ話をさせて
もらいました。「今日の肥田先生のお話を聞いて、ぜんぶ自分の症状とそのま
ま同じことを言われていて驚いた」とおっしゃってました。
ぶらぶら病がでるときは、本当にお辛いらしいですね。そんな時のために持
ち歩いてる、という錠剤のお薬も見せてくださいました。とても感じの良い方
でした。駅で手を振って別れるとき、泣きそうになりました。
(最近、涙もろい)
心臓もやられてるし、ほんとうに身体に気をつけて長生きされて、多くを発
信してほしいと思いました。たんぽぽ舎での支援などある際には、ぜひ参加し
たと思いました。
年内にも、原発労働では初の心筋梗塞の労災認定の最終判断が出るようです
ね。
注目していきたいと思います。
★2.11月15日「ノーモア・ヒバクシャ・ノーモア・原発」記者会見から
[編集部より]
さる11月15日、スペースたんぽぽで行われた講演会「低線量被曝の時代
を生き抜く」に先だってで開かれた「ノーモア・ヒバクシャ・ノーモア・原
発」記者会見(主催:低線量被曝者の会・場所:千代田区有楽町の日本外国特
派員協会)での各スピーカーの発言骨子(予め用意された発言内容)を数回に
わたって紹介していきます。
肥田舜太郎の発言骨子は本紙11月17日付け「地震と原発事故情報 その
237」で掲載済みですので、大石又七氏の発言骨子からの掲載となります。
※低線量被曝者の会 http://hibakusya.blogspot.com/
五七年前に起きたビキニ事件こそ福島原発大事故の「原点」
ビキニ事件を賠償もせず-その見返りに水面下で原発を要求
ビキニ水爆実験被爆者 元第五福竜丸乗組員 大石又七
○福島原発大事故は今から五七年前に起きたビキニ事件の原点にさかのぼって
考えなければ正しい答えは出てこないと思っています。
誰がなぜ、危険な原発を地震大国である日本に導入したか、そこが一番重要
なところだと思います。
1954年、私は元第五福竜丸という漁船の乗組員で、アメリカが広島に投
下した原爆の約一〇〇〇倍という巨大な水爆実験に遭遇した被爆者です。
その爆発で起きた『死の灰』を日本に持ち帰ったことから太平洋や大気圏が
強力な放射能で汚染されていることが分かり大事件に発展していった、これが
ビキニ事件です。
後に残された資料からいろいろなことが分かってきました。
一九四六年から一九五八年にかけてアメリカ軍だけでも、このビキニとエニ
ウエトク環礁を使って六七回の大気圏核実験を行ない、合わせて一〇〇メガト
ンの核爆発を繰り返しました。この一〇〇メガトンの爆発は、なんと広島型原
爆を毎日一個ずつ一八年間落とし続けた量というから驚きです。
○水爆は巨大な爆発威力だけではありません。爆発と同時に二七種類もの恐ろ
しい放射能を撒き散らします。それらの放射能は半減期が何十年、何万年とい
うもので人間の体内に入り込み、染色体を傷つけながら体の内側から攻撃する
という内部被曝を起こしていました。
染色体を傷つければ死産や奇形児の原因を作りだし、子孫へと繋がっていき
ます。半減期の長い放射能が食物連鎖や風などに乗って地球上を漂い、誰のど
こに取り付くかは現在の科学や医学では計り知ることは出来ません。これが見
えない放射能の恐ろしいところです。貴方もすでに被爆者になっているかもし
れません。
○東日本大地震と津波が福島原発を破壊し放射能が今襲い掛かっています。
私は言いたいです、当時、核、放射能の恐ろしさをあれほど教え警告したの
に日米政府は事件を握りつぶし隠しました。
その結果どうなりましたか。核兵器も広島型原爆よりずっと威力を持つよう
になり、二万三〇〇〇発の核弾頭が実弾となって出来上がり、人類を脅かして
います。この重要な意味を持つビキニ事件を賠償もせず、わずかな見舞金、責
任も核実験も容認してその見返りに水面下で原発を要求したのです。
この人たちにこそ重大な責任があるのではないでしょうか。
ビキニ事件は過去の終わった事件ではありません。あのときから始まった事
件です。それなのに誰の口からもビキニ事件という言葉が出てきません。
当時アメリカは自由諸国にウランを提供し、軍事ブロックを築こうとしてC
IAの職員を読売という大きなメディアを目標に打診してきました。これを知
った読売新聞社主の正力松太郎氏は、日本中が核実験反対で燃え盛っている矛
先を変え、原子力の平和利用といって自分の持つメディアをフルに使って、原
発導入の宣伝を大々的に行ないます。政界では中曽根康弘代議士が青年将校な
どと言われながら危険を伴う原発をアメリカの意向に沿って先頭に立ち、ビキ
ニ事件の三日後に二億三千五〇〇万円の原子力予算を国会で通過させます。
原発を日本に導入した経緯を知れば今起こっている大事故の責任、賠償の方
向性も見えてくるはずです。
★3.「ノーモア・ヒバクシャ・ノーモア・原発」記者会見・傍聴記
78社中1社のみ、真実を書かないマスコミ-肥田舜太郎氏
明かされるビキニ被曝の真実-大石又七氏
○11月15日(火)午後3時~4時 有楽町の外国人記者クラブで「ノーモ
ア・ヒバクシャ・ノーモア・原発」記者会見が開かれました。
スピーカーは下記の方々でした。
肥田舜太郎:医師、広島被曝者
大石又七 :核実験被曝者、元第五福竜丸船員
梅田隆亮 :元原発労働者
佐藤幸子 :子供たちを放射能から守る福島ネットワーク世話人
竹野内真理:低線量被曝者の会共同代表
この記者会見は、千葉県の実家(ホットスポットの某市)から赤ちゃんを連
れて沖縄に避難している竹野内さんが、ほかの人々に呼びかけて急遽設定され
ました。
竹野内さんは、肥田医師をはじめ、大石又七さん、梅田隆亮さんという代表
的な被曝者が日本のマスコミに取り上げられない現実を打破しようと、外国人
記者クラブで記者会見を行ったものです。
○肥田先生については、私は11月5日にさいたま市で開かれた「第22回核
戦争に反対し、核兵器の廃絶を求める医師・医学者の集い」での記念シンポジ
ウムに参加して、先生の講演を聞きました。広島で体験されたことは、11月
15日夜にスペースたんぽぽで開かれた講演会でもお話しされましたので、た
んぽぽ舎メルマガとこれから発売されるDVDをご参照下さい。
私が唖然としたお話は、「今年福島の原発事故のあと78社のマスコミから
インタビューを受けたが、岩波の『世界』以外はどこも書かなかった」という
ことです。日本のマスコミが真実を伝えない、嘘を平気で伝えることは徐々に
知れ渡ってきましたが、このひどさはなんでしょうか。
肥田先生は94歳ですが、少しでも人々に知られていない重要な事実を知っ
てもらおうと、インタビューや講演依頼にはできるだけ応じているのです。
そのようにして応じたインタビューを活字にしないのは、なぜでしょうか。
新聞社のトップマネジメントが東電・政府・財界に都合の悪い記事は差し止め
るからでしょうか。
○私は昨年11月20日アジア記者クラブ定例会で「ビキニ水爆実験57年目
の真実『わしも死の海におった』」という映画を見て、山下正寿さんの講演を
聞きました。山下さんは高知県の高校の教師をしていた1985年から教え子
たちと一緒に、地域のビキニ水爆被災船調査に取り組み、隠されてきた事実を
明らかにしました。
1954年ビキニ環礁水爆実験で被ばくしたのは、第五福竜丸だけではなく
高知県で270隻、日本全国で856隻が被曝していたことが明らかになりま
した。数千人の被ばく漁民は米軍と日本政府に口封じされたのです。被ばく後
遺症に苦しむ多くのもと漁民は、多くの広島・長崎の被爆者と同じように、救
済されず・差別されてきたのです。
大石又七さんは長い間マスコミを避けてきましたが、ビキニ被曝の事実を自
分が伝えないで誰が伝えるのだと決心して発言されています。
この日外国人記者から大石さんに質問がありました。
「第五福竜丸の乗組員は死の灰をあびて体調が悪くなったため焼津港に帰ろ
うとしたが、SOS無線を打たないで静かに自力で帰ったが、その理由はSO
Sを打つと米軍にその存在を知られて沈没させられる危険性があったから、と
いう話を聞きましたが本当ですか?」という質問でした。
大石さんの答えは「そうです。無線長の久保山愛吉さんが元軍人でSOSを
打つのはやばいと判断したのです」という答えでした。
○梅田隆亮さんは1979年に島根原発と敦賀原発で働いた被曝労働者です。
無防備で働いたため鼻血と全身倦怠(ぶらぶら病)に悩まされました。200
0年には心筋梗塞を発症しました。労災申請しても却下され続けています。
写真家の樋口健二さんが写真集や著書「原発被曝列島」、「アジアの原発と
被曝労働者」で伝えていますが、何十万という原発被曝労働者のなかで労災が
認められたのは数人だけで、多くの人が癌のみならず種々の病気に苦しんでい
ます。樋口健二さんはワシントンポストやBBCなど外国の大手マスコミに大
きく取り上げられましたが、日本の大手マスコミは取り上げません。
○日本中のお母さんは子供を守るために奮闘しています。
福島県三春町のお話ですが、三春の各家庭では、お母さんは「逃げる、食べ
ない」という。おじいさんは「逃げない、食べる」という。お父さんはお母さ
んの味方をする。おばあさんはどうしようかおろおろする。給食を食べさせな
いために、弁当を持たせると、子供はクラスで村八分になる。そのストレスで
子どもが病気になる、とお母さんは責められる。こうして家庭の亀裂が深ま
り、離婚が増えているそうです。
おかあさんはどうしたらよいのでしょうか。この悩みからお母さんを救おう
と立ちあがり、全国のおかあさんのネットワークを作ろうとしているのが、佐
藤幸子さんや竹野内真理さんです。
マスコミは「内部被曝は限度以下、福島原発周辺、京大などが推計」(11
月15日朝日新聞)と言っています。原発周辺の住民が食事や呼吸で吸い込む
セシウムを体内に取り込んだ結果、被曝量がどのくらいになるか調べた結果、
最大に見積もって計0.16シーベルトだそうです。どのような計算をしたのか不
明ですが、先日食品安全委員会が使ったようなICRPのベクレル/シーベル
ト換算式を使ったのでしょう。
概算でシーベルト=ベクレル×2×10のマイナス8乗という式で10月2
8日の東京新聞にも出ていますが、一つの仮説です。政府が内部被曝は外部被
曝の十分の一以下だという根拠のようです。したがって安全だという「科学的
根拠」ですが、こうした御用学者の科学的根拠は歴史的に何度も事実によって
覆されてきました。
「曰く、チェルノブイリで死亡した子供は数千人で甲状腺がんだけだ」しか
し事実は、数十万のこどもが死亡し、まだまだ多くの子どもがいろいろな病気
で苦しんでいます。2011年9月17日発行の「チェルノブイリのこどもた
ち」によりますと、ベラルーシの慈善団体「困難のなかの子どもたちへ希望
を」会員の内訳は、下記のようになっています。
・甲状腺ガン 8-17歳 21人
・脳腫瘍 7-17歳 36人
・目の腫瘍 7-17歳 21人
・肝臓ガン 6-17歳 19人
・腎臓ガン 3-17歳 21人
・白血病、その他血液病 9-17歳 52人
・その他病名12 計51人
○記者会見後開場外で各スピーカーに多くの記者や一般人から個別の質問があ
りました。肥田さん、大石さん、梅田さんは高齢でもあり、夜にはスペースた
んぽぽでの講演会もありますので、早く移動してほしいと思ってあせっていま
したが皆さん元気でした。
夜の講演会の様子は別のたんぽぽ舎のメルマガやDVDをご参照下さい。
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[たんぽぽ舎 編集部より]
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