〈上映会・趣旨〉
約70万人のパレスチナ人が故郷を追われ難民となった「ナクバ(大惨事)」から70年。「オスロ合意」(1993年)で実現するはずだった「パレスチナ国家」建設の基盤は、今、侵蝕され、実現の希望は閉ざされようとしている。
その鍵となるのが、ヨルダン川西岸の60%を占め、未だ “イスラエル占領下”にある「C地区」。この地域がパレスチナ側に戻らなければ、「パレスチナ国家」の実現はない。とりわけ危機的な状況にあるのが、「ヨルダン渓谷」と「南ヘブロン」。
両地域でいったい何が起こっているのか――長期にわたって現地取材を続けてきたジャーナリスト・土井敏邦が、住民がイスラエルに土地や水資源を奪われ、様々な制限や圧力で土地か追われようとする“占領”という“構造的な暴力”の実態と背景を報告する。
【午前】(10時20分~12時)
・ 土井敏邦・最新パレスチナ現地報告
(7~8月に取材したガザについて解説する。いま現地では、「貧困」と「絶望」のために自殺が急増し、ドラッグが広がり、多くの若者が海外への脱出の機会を求めています。過去30年間のガザ取材のなかでも最悪の状況に追い込まれている)
・ 第1部・「ヘブロン」(短縮版/66分)
(20万人のパレスチナ人住民の街の中心に800人のユダヤ人入植者。それを「守る」ために配備されたイスラエル軍と警察。入植者と兵士たちの日常的な脅迫と暴行が続く。「自治」とはほど遠いヘブロンの状況を映像で描く)
【午後】 (1時~5時)
・ 第2部・「ヨルダン渓谷」
* 前編(2007年4月)(53分)
(農村に住み込み、住民の生活をつぶさに追う。また近隣のユダヤ人入植地の実態と、生きるために入植地で働かざるをえない住民の“経済的な従属化”の現状と背景を描く)
* 後編(2016年11月)(58分)
(イスラエルが土地や水資源の収奪、住居の破壊によって、現地のパレスチナ人住民を追い出そうとする実態を、被害者たちの証言などによって報告する)
・ 第3部・「南ヘブロン」(1時間35分)
(イスラエルによって「軍事制限区域」に指定された15の村々。「村で暮らすこと
が違法」された住民に様々な圧力が加えられる。そんな政策の背景を2人の
イスラエル人が解説する)
【日時】 9月1日(土)午前10時~午後5時
【場所】東京都・日比谷図書館/コンベンションホール
【参加費】1作品 1000円(第1部は「パレスチナ最新報告会」付き)
2作品 1500円
3作品 2000円
(学生料金は各200円引き)
【主催】土井敏邦 パレスチナ・記録の会
【問い合わせ先】 doitoshikuni@mail.goo.ne.jp