【4月26日(土)】第25回「ヘーゲル研究会」のお知らせ

著者: 野上俊明 のがみとしあき : ちきゅう座会員
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 現段階ではまだ仮説的見通しでしかありませんが、ヘーゲルの国家論について次のような感想をもっております。  ドイツ歴史学派経済学の先駆者F・リスト(1789~1846)とヘーゲル(1770~1831)の、専門は違えどもある種似たような学問的歴史的位置に立っていたという点から、ヒントを得ました。
 ドイツ歴史学派経済学の先駆者F・リスト(1789~1846)とヘーゲル(1770~1831)の、専門は違えどもある種似たような学問的歴史的位置に立っていたという点から、ヒントを得ました。
 F・リストは、本来は自由主義者であり、自由貿易論者でした。しかし19世紀初頭のドイツ産業は未熟であり、工業化の発達したイギリスとは比較になりませんでした。そのような不均等な発展段階のちがいのままに、自由貿易を行なっていれば、イギリスの安価な商品が流入して、ドイツの産業はひとたまりもなく市場から駆逐されるであろうことは明らかでした。したがって当面はドイツの産業を保護し育成するために関税障壁を設けて保護貿易体制をとる。しかしある段階にくれば、産業の健全な発展のためには自由貿易体制に移ることが望ましいとしておりました。
 ほぼリストと同時代に生きたヘーゲルです。ヘーゲルの立憲君主制を強調するのをみて、ヘーゲルは保守思想家であると考えても無理からぬことでした。英国流の議会制民主主義と比較して、ドイツ流の立憲君主制はあきらかに封建的な遺制であるからでした。しかしヘーゲルの時代のドイツは、プロイセンをはじめとする領邦国家体制であり、近代的な統一的国民国家とは程遠い状況でした。したがって国民統合と国家主権を補強するために立憲君主制を強調することは、時代の要請に適っていたのではないでしょうか。哲学は時代的な制約を受けるものというのが、ヘーゲルの哲学観でした。真に国民的な思想家といわれる人は、自らの国民的な地盤に根付き、国民的課題を自らの課題として引き受けるものです。ヘーゲルが立憲君主制に力点を措きながらも、統治の下部構造はきわめてリベラルな構成になっているところに本領が発揮されている。先進のイギリスの統治構造に学びながらも、それをドイツ的土壌に根付かせるにあたっての一工夫が、立憲君主制ではなかったのかと思います。

                    記

1.  テーマ:ヘーゲルの市民社会論

中央公論社「世界の名著」の「ヘーゲル・法の哲学」から

第三章 国家(§257~§360)を講読会形式で行ないます。今回は§271からです。

★国内では数少ないヘーゲル「法(権利)の哲学」の専門家であり、法政大学などで教鞭をとられた滝口清栄氏がチューターを務めます。

1.  とき:2025年4月26日(土)午後1時半より

1.  ところ:文京区立「本郷会館」Aルーム

――地下鉄丸ノ内線 本郷三丁目駅下車5分 文京区本郷2-21-7 Tel:3817-6618

 1.参加費:500円

1.  連絡先:野上俊明 E-mail:12nogami@gmail.com Tel:080-4082-7550

参加ご希望の方は、必ずご連絡ください。

※研究会終了後、近くの中華料理店で懇親会を持ちます