このコーナー〔休憩室〕は「ちきゅう座」田中正司初代運営委員長の提案で設置されましたが、しばらく開店休業でした。力量にみあう範囲で再開します。今回は「歴史知研究会」のその後です。
1999年10月創立。科学知・理論知に押しつぶされている感性知・経験知を再評価し、これらを21世紀の知である「歴史知」へと総合する試みに挑みます。「総合」と称しても、それは感性知と理性知を単一の知に統合するということではありません。科学知と感性知とを両極にして相互的な往復運動をする、両者あいまって成立する場における知的パラダイムであります。これこそが人類史の21世紀的未来を切り拓く知、本会なりの表現をとれば「歴史知」なのです。これを目標に、哲歴社自工産芸語文の諸領域において人智を探究する研究会です。社交的な文化サロンではなく、目的意識をもった研究者集団と位置付けています。
ここまでは2008年1月に掲載済みです。〔study083:080102〕
第27回(2007年12月16日)
一 小畑嘉丈 最晩年の三宅雪嶺-帝都日日新聞を中心に
二 福井俊保氏 核兵器と軍備管理体制―インド核実験と米印関係を中心に―
第28回(2008年03月27日)
一 清水雅大 1938年の三国同盟問題における日独文化協定の位置付け
――日本外務省の文化協定方針と目的
二 石黒盛久 マキアヴェッリ政治思想の形成と16世紀フィレンツェ政治
――ピエロ・ソデリーニ政権(1502-1512)の成立経緯と『君主論』第9章」
第29回(2008年07月06日)
一 吉田陽子 歴史の物語論に対する問題提起
二 安齋雄基 実在の根本的形式としての時間論―西田幾多郎の「私と汝」論文より―
第30回(2008年11月30日)
一 黒木朋興 パトリオティズムとアレゴリー/王の2つの身体を参考に
二 峰基郎 マックス・シェーラーからみるキリスト教の愛について
三 石塚正英 30回記念挨拶
第31回(2009年07月05日)
一 西角純志 ギリシア悲劇における人間観
二 歴史知本第3弾討議 進行:中島 浩貴/米田 祐介/清水 雅大
(論文集準備・事務局員)
第32回(2009年09月27日)
一 黒木朋興 平均律の普及の思想的背景について
二 本郷朝香 ニーチェ哲学における近代批判と自己認識
三 加藤敦也 親密圏における父親の課題と可能性―不登校の親の会を事例として―
第33回(2009年12月13日)
一 杉山精一 『和泉屋染物店』の構造
二 中島浩貴 ドイツ統一戦争における市民とメディア―ライプチヒ絵入り新聞を中心として―
三 清水雅大 戦時下日本の身体観とヒトラー・ユーゲント―日独青少年団交歓事業における日本側の視点を中心に―
第34回(2010年03月17日)
一 谷山和夫 スタニスワーヴァ・ヴィソツカとスタニスラフスキー・システム
二 武井徹也 二つの心理―M.ハイデガーの議論を手掛りに―
三 本郷朝香 ニーチェにおける「歴史」と「人格性」との関わり
第35回(2010年7月18日)
一 西角純志 Die Moderneにおける否定的なもの―自然史の理念をめぐって―
二 紺野茂樹 “環境の時代”だからこそ考えて欲しいこと―エコフェミニストによるディープ・エコロジスト批判を通じて―
三 田上孝一 マルクス主義哲学史における人間概念の変遷─マルクス人間論の可能性と限界─
第36回(2010年9月23日)
一 清水雅大 戦時下日本の身体観とヒトラー・ユーゲント―「体力の時代」における青少年―
二 杉山精一 「和泉屋染物店」
第37回(2010年12月12日)
一 研究会理念の再確認、および歴史知本第3の編集方針・体制の構築(会議)
第38回(2011年7月31日)
一 谷山和夫 スタニスワーヴァ・ヴィソツカとスタニスラフスキー・システム
二 武井徹也 時計とアリストテレス-前期ハイデガーにおける時間の一考察
三 米田祐介 フロムと歴史知-『愛するということ』におけるケアの概念の構成を中心に
第39回(2011年10月2日)
一 歴史知本第3弾討議 進行:米田 祐介/清水 雅大
(論文集準備・事務局員)
二 石塚正英『技術者倫理』執筆者募集のプレゼン
第40回(2012年1月22日)
一 福島祥一郎 ポーとメスメリズム
二 大井知範 歴史学におけるオーストリア植民地主義論の展望―「コロニアル・マインド」「植民地共犯性」という視座から
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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