石塚正英の執筆一覧

吉本隆明の対幻想批評―神仏虐待儀礼と母方オジ権を事例に(下)

著者: 石塚正英

2 対幻想批評―その2― 吉本隆明『共同幻想論』の「母制論」(151~153頁)にこう記されている。             *        * わたしのかんがえでは<母系>制の基盤はけっして原始集団婚にもとめられない

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吉本隆明の対幻想批評―神仏虐待儀礼と母方オジ権を事例に(上)

著者: 石塚正英

 はじめに  吉本隆明『共同幻想論』(河出書房新社、1968年)の「巫女論」に次の文章が読まれる。「シャーマンでは、自己幻想が問題であるがゆえに、(中略)かれの自己幻想が、他の人間であっても、神であっても、狐や犬神であっ

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低周波音問題とベートーヴェン研究―学問の道を歩む(10)

著者: 石塚正英

 或る年の8月27日に、府中市で「低周波音問題交流会」という催しがあった。未来文化研究室を運営する西兼司氏が主催したもので、低周波被害に苦しむ人々とともに低周波音について調査・研究していこう、という趣旨の会合だった。これ

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音と音楽――その面白くて不思議なもの(12・完)

著者: 野沢敏治・石塚正英

第12回 文化の耳あるいは音の文化誌 >往< 野沢敏治さんへ  石塚正英から  シリーズ最終回ですよ、野沢さん。ここは私の問題関心であります感性文化から話題を拾います。文化の耳あるいは音の文化誌です。なお、最初に述べます

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音と音楽――その面白くて不思議なもの(11)

著者: 野沢敏治・石塚正英

第11回 男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり  >往< 石塚正英さんへ  野沢敏治から  石塚さんと今回のテーマのことを話してから、『土佐日記』の冒頭を思い出し、それを標題に掲げました。『土佐日記』は高

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音と音楽――その面白くて不思議なもの(10)

著者: 野沢敏治・石塚正英

第10回 自分なりのサウンドスケープをイメージする >往<  野沢敏治さんへ  石塚正英から  今回は、自分なりのサウンドスケープ(音風景)をイメージすることにします。方法として、周囲からなんらか気にかかる音をひろい、そ

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フェティシュを投げ棄てる布村一夫―生誕100年を記念して―

著者: 石塚正英

 1960年代末からの大学生活において、私がまずもってテーマに設定したものの一つに、共同体とその解体に関連するものがある。1970年、マルクスの『ドイツ・イデオロギー』『資本主義的生産に先行する諸形態』、エンゲルスの『家

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アーダルベルト・シュティフター他(新井裕・篠原敏昭ほか訳)『ウィーンとウィーン人』(中央大学出版部、2012年)の紹介

著者: 石塚正英

 19世紀前半のウィーンを舞台にして書かれた、1840年代ヨーロッパの民衆文化・生活習俗・生業・風俗誌です。「小間使い」「物乞い」「ロトくじ狂」「ぼろ集めの女」「行商人」「ソーセージ屋」などなど、同時代人の記述です。索引

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音と音楽――その面白くて不思議なもの(9)

著者: 野沢敏治・石塚正英

第9回 再生装置について >往< 石塚正英さんへ 野沢敏治から  近ごろ、パソコンから取り入れた音楽をイヤホンで聴いている若者をよく見かけます。ちゃちな器具に見えるけれど、楽しめるんですね。考えてみれば、高級な再生装置だ

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型を学ぶことの意味―学年制とか単位制とかを考える素材―

著者: 石塚正英

 もう10年以上前になりますが、友人たちに誘われてスキーに行ったことがあります。スキー発祥の地(新潟県上越市)に生まれた私は、4、5歳のころから滑っていましたから、誰よりも得意のはずです。でも意外なことに、ゲレンデのイン

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哀愁の漂う小話一つ二つ――「流れ勧進」と「冬の三十日荒れ」に涙して(下)

著者: 石塚正英

「冬の三十日荒れ」 高い山に雪のおとずれがきかれ、人のはく息も白く、荒涼とした日本海のうえを渡り鳥が北の国から南へやってくる秋十一月も末。陽気な三味線や太鼓、四つ竹で賑わしていた渡り芸人達が「では来年までお達者で」と言葉

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デュピュイ・永倉千夏子訳『チェルノブイリ ある科学哲学者の怒り―現代の「悪」とカタストロフィー』明石書店、2012.03を読む(4・完)

著者: 石塚正英

1.問題の所在 2.システム的悪 以上(1) 3.システム的悪からの脱却 4.目に見えない悪 以上(2) 5.カタストロフィー 6.テクノ・セントリズムの終焉 以上(3)以下(4) 7.有限性の自覚 8.今後の課題 &#

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