来たる5月3日(木)は77回目の憲法記念日である。その日には、今年も護憲団体による恒例の集会が開かれるが、岸田政権が防衛費の増加、敵基地攻撃能力の保有など「大軍拡」に向かって突進し始めたことから、護憲団体には「まるで戦前回帰だ。いよいよ日本国憲法(平和憲法)が死滅させられる」との危機感が強く、今年の集会では、「日本をあらたな戦前にさせない」という声を岸田政権に向かって発したい、としている。
<有明防災公園の集会>
憲法記念日における護憲団体の統一集会は、2015年から毎年続けられてきた。ただし、2020年と2021年はコロナ禍で中止。2022年に再開し、今年は7回目となる。
今年の集会「あらたな戦前にさせない! 守ろう平和といのちとくらし 2023憲法大集会」は5月3日午前11時から、昨年と同じ東京都江東区の有明防災公園(ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線「有明」駅下車)で開かれる。
主催者は「平和といのちと人権を! 5・3憲法集会実行委員会」で、戦争させない・9条壊すな!総かがり行動実行委員会、戦争をさせない1000人委員会、憲法9条を壊すな!実行委員会、戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター、9条の会などで構成されている。
集会実行委が掲げるスローガンは次の6本。
「改憲発議を許さず、憲法をいかし、平和といのちとくらしと人権を守ります」
「軍拡と敵基地攻撃能力保有の閣決定を撤回し、外交努力での平和を求めます」
「辺野古新基地建設と南西諸島へのミサイル基地配備の中止を求めます」
「エネルギー危機と脱炭素社会を口実とした原発推進政策に反対します」
「ジェンダー平等の社会をめざします」
「これら実現のため岸田政権の暴走をストップさせ、安心してくらせる社会をめざします。
集会では、清末愛砂さん(室蘭工業大学教授・憲法学)、泉川友樹さん(沖縄大学地域研究所特別研究員)、東村アキコさん(漫画家)らのメインスピーチが予定されている。パレード出発は午後2時30分。
<ニッショーホールの憲法フェスティバル>
5月27日(土)には、東京都港区のニッショーホール(旧ヤクルトホール、JR新橋駅下車)で、「第35回憲法フェスティバル」が開かれる。
1987年から毎年、この時期に「憲法のすそ野を広げるために」開かれてきたフェスティバルで、主催は憲法フェスティバル実行委員会。サラリーマン、主婦、自営業者、弁護士、司法書士らからなる市民団体である。
今年のフェスティバルのスローガンは「今、あらためて民主主義」。実行委は「2015年には、安保関連法案などで強行採決が行われ、または集団的自衛権行使を容認する閣議決定が行われるなど、反対意見に耳を傾けずに数に任せた国政運営が行われてきた。このような運営に対して、民主主義の危機が叫ばれています。さらに、政府は、『異次元の少子化対策』と言いながら何ら具体性を示せない一方で、防衛費を倍増し、敵基地攻撃能力の保有を推し進めるなど『新しい戦前』にどんどん近づいて行こうとしています。このような状況だからこそ、民主主義とはどのようなものか、どうすれば民主主義が実現するかを、一緒に考えたい」としている。
フェスティバルの開演は午後1時。フォトジャーナリスト・安田菜津紀さんと国際ジャーナリスト・伊藤千尋さんの講演、講談師・神田香織さんの講談がある。
フェスティバル参加には参加券(前売1800円、当日2300円)が必要。問い合わせ・チケット購入は憲法フェスティバル実行委員会事務局(03-5357-1011)へ
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