おかしいぞ伊方原発3号機

非常用ディーゼル電源起動の危うさについて先の「原発は自然災害より人的要因で重大事故に」で触れておいたが、もうちょっとネットで調べてみると、再稼働差し止めになった当の伊方原発3号機で定期点検中ディーゼル電源は異常動作に陥り、手動停止に追いこまれたことで、3号機自体の運転停止に至った「事象」が報告されていることが分かった(2018年11月6日発生、四国電力作成報告書類参照)。

 

先の制御棒「引き抜き」「事象」といい、この電源不具合といい伊方3号機人的にも、設備的にも怪しいことこの上ない。今回の「全電源喪失」で非常用ディーゼルエンジンが起動に成功したのは、むしろこうした先行「事象」があったことによる、棚から牡丹餅的幸運だったといえる。

 

再稼働停止「仮処分」では当然すまされないのはわかっているが、こうした「負の実績「を積み重ねている限り最終処分として再稼働停止が至当だろう。

 

なお先の投稿で、ディーゼル電源が用いられる理由として、起動電力に信管励起だけで済むことを挙げておいたが、むしろ、原発全体で消費される膨大な電力をガソリンエンジンでは賄えないことが主理由であると補正しておきたい。ガソリンエンジンは大体一基で最大2,000馬力=1,500KWが限界で発電効率まで加味すると1,200KWで到底原発の冷却など大量電力消費に対しては追いつかない。ディーゼルエンジンにはその点に限界はないに等しく、現に中型船舶用に広く用いられていることで、そのことは知れよう。

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〔opinion9392:200127〕