ささや句会  第29回  2016年11月25日金曜日

結ふ食  楽屋(ささや)にて

 

評者 新海あぐり

 

なで仏ていねいになで年惜しむ                 新海あぐり

・丁寧にいきているわけではないのですが、特に頭を丁寧になでました。

 

冬鴉一羽一羽と集結す                     小宮桃林

・一羽一羽、集結という言い回しで鴉の存在感をしっかりと捉えた。

 

いずれにも染まりきれずに散るもみじ              新海泰子

・どれにも染まれないのは淋しさも、ある意志も感じるが、そのまま散ってゆくのか。

 

雨垂れの音たて来たる小鳥かな                 小宮桃林

・蕪村の「小鳥来る音うれしさよ板びさし」を連想してしまう。雨垂れはかわいいが。

 

七五三虐待の子の無念かな                   奥野 皐

・無念はいいすぎ。その子ではないのですから。下五が難しいところ。「は家にゐて」?
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