ささや句会  第32回  2017年2月16日木曜日  

結ふ食  楽屋(ささや)にて

評者 新海あぐり

井戸守の地蔵労ふ雨水かな                     合沢舞祥

・雨水が労うという工夫によって井戸守の地蔵の存在感が増した。

海風と引き合ふ糸や唸り凧                     小宮桃林

・海風に拮抗している凧。それに耐えている力強い糸がよく見えてくる。

トランプのニュースに倦みて目刺焼く                新海あぐり

・目刺しのおかげでようやく一句になった。

誰も居ぬ神社の鈴振る春の宵                    川瀬範子

・静かな春の宵に響く鈴の音。何気ない日常をうまく掬いとった。

竹刀振る少女の気合梅散らす                    津島佳子

・竜馬を鍛えた彼の強い姉を思わせます。

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