ささや句会  第42回   2018年2月15日木曜日

結う食処 楽屋 にて

評者 新海あぐり

七草ややさしき嘘に癒されし                     新海泰子

・どんな嘘をつかれたのでしょう。やのリフレインがリズミカル。

貧乏は味はふものよ梅真白                      新海あぐり

・「うそくさい!」、という批評も。貧富の差があまりにひどい世の中に一句。

首二つすでに失せたる雪達磨                     新海あぐり

・リストラと受けとった人も。実景を詠んで、読者の想像を膨ませることも。

侘助や我隣人の死を知らず                      奥野 皐

・侘助が効いている。椿は花ごと落ちるので死に結びつき詩になった。

紅梅の莟ふつくり吾子の口                      合沢舞祥

・ふつくりという表現が、莟と口の両方にかかり、うまい。

容器ごと凍結ザリガニ生きてをり                   津島佳子

・残念ながら無季俳句。もちろん無季がいけないわけではないのですが。

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