結う食処 楽屋 にて
評者 新海あぐり
七草ややさしき嘘に癒されし 新海泰子
・どんな嘘をつかれたのでしょう。やのリフレインがリズミカル。
貧乏は味はふものよ梅真白 新海あぐり
・「うそくさい!」、という批評も。貧富の差があまりにひどい世の中に一句。
首二つすでに失せたる雪達磨 新海あぐり
・リストラと受けとった人も。実景を詠んで、読者の想像を膨ませることも。
侘助や我隣人の死を知らず 奥野 皐
・侘助が効いている。椿は花ごと落ちるので死に結びつき詩になった。
紅梅の莟ふつくり吾子の口 合沢舞祥
・ふつくりという表現が、莟と口の両方にかかり、うまい。
容器ごと凍結ザリガニ生きてをり 津島佳子
・残念ながら無季俳句。もちろん無季がいけないわけではないのですが。
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