ささや句会 第26回  2016年 6月17日金曜日

結ふ食  楽屋(ささや)にて

評者 新海あぐり

夏至の雨くまなく浴びて父の墓               新海あぐり

・ぽつねんとした父の墓は洗い流されて綺麗になったのでしょうか?

うどん屋の漆の床や梅雨兆す                新海泰子

・秋田角館の古いうどん屋。梅雨兆すが漆の床と微妙な関係を創っているか。

行く水に雨の波紋や桜桃忌                 合沢舞祥

・雨の波紋が桜桃忌に響いている。太宰の忌としなかった点が良かった。

隠沼や黄糸とんぼの黄の光                 小宮桃林

・綺麗な景色が浮かんできて、リズムもいい。ただ黄糸とんぼという呼称でよい?

炎昼や二匹の猫がにらみ合ふ                新海あぐり

・ちょっとわかりやす過ぎた? 真昼の決闘は猫にもあるようです。

紫陽花の蔭よりのぞく隣りの子               奥野 皐

・隣の子のまるい頭が紫陽花の頭と重なって、かわいらしい句になった。

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