ささや句会 第34回   2017年4月13日木曜日 

結ふ食  楽屋(ささや)にて

評者 新海あぐり

報道の事件の家の桜かな                      奥野 皐

・毎年、何万という桜の句が作られるのだろうけれど、新しい視線から詠んだ。

中古(ちゅうぶる)の世界の軋み草若葉               小宮桃林

・中古=使い古した世界は、『セカンドハンドの時代』の影響から出た言葉?

小津映画伽藍を歩む春日傘                     奥野 皐

・小津映画と冒頭においたところが面白い。映画やテレビ俳句は成功例が少ない。

古寺訪う歩みは軽し柳の芽                     川瀬範子

・古寺は具体的な寺の名を出した方がよい。子規の「柿食えば~」の句は東大寺で詠まれ

たものを法隆寺に変えたとされている。古寺を夢殿にしたりしてもよいのでは?

ミサイルが正義載せいく万愚節                   新海泰子

・「地獄への道は善意で敷き詰められている」善意を正義に変えても同じか?

ザトウクジラの骨の宙吊りうららけし                新海あぐり

・渡嘉敷島村の民俗資料館で拝見。うららけしより「島長閑」の方がいいか。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔culture0466:170422〕