結う食処 楽屋 にて
評者 新海あぐり
大花野ナウマン象を包みけり 守屋明俊
・広い空間と長い時間。十七文字でここまで詠めるという見本。
鰯曇実感の無き齢生きる 小宮桃林
・「実感の無き齢」は類想があるが、鰯雲で支えられた、と明俊さん。
道連れは車窓に寄する稲の波 奥野 皐
・道連れは稲の波とした実景から生まれた、いかにも旅吟らしい句。
青瓢子宮に五ミリの生命かな 小宮桃林
・青瓢が効果的。五ミリの命という表現も斬新。
茱萸の酒愛でたる祖母のおちょぼ口 新海泰子
・茱萸の酒で長生きをした? おちょぼ口がお猪口を彷彿とさせる。
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〔culture0724:181110〕