ささや句会 第46回  2018年10月25日木曜日

結う食処 楽屋 にて

 

評者 新海あぐり

 

大花野ナウマン象を包みけり                     守屋明俊

・広い空間と長い時間。十七文字でここまで詠めるという見本。

 

鰯曇実感の無き齢生きる                       小宮桃林

・「実感の無き齢」は類想があるが、鰯雲で支えられた、と明俊さん。

 

道連れは車窓に寄する稲の波                     奥野 皐

・道連れは稲の波とした実景から生まれた、いかにも旅吟らしい句。

 

青瓢子宮に五ミリの生命かな                     小宮桃林

・青瓢が効果的。五ミリの命という表現も斬新。

 

茱萸の酒愛でたる祖母のおちょぼ口                  新海泰子

・茱萸の酒で長生きをした? おちょぼ口がお猪口を彷彿とさせる。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔culture0724:181110〕