それでも五輪は開催するのか、国民は延期や中止を望んでいる

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2020年3月23日のNHKの昼のニュースで伝えられた、新型コロナ感染者マップである

いったい、だれのためのオリンピック・パラオリンピック(以下五輪と略す)なのだろう
つい一年前のことを思い出してみたい。安倍首相が、東京五輪の一年延期を決めたのが2020年3月24日だった。当時のコロナ感染状況を忘れてはいないだろうか。上のテレビ画面が、私のカメラに残っていた。そして、次の画像はNHKの「新型コロナ特設サイト」から得た最新の感染者マップである。こんな画面を、毎日毎日見ていたことになり、若干の一喜一憂はするものの、数字そのもの、数字も直近の比較ばかりに目が奪われて、その危機感も薄れていくようで恐ろしくもなる。

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2021年3月20日感染者マップ、NHK[新型コロナ特設サイト」より

 以下、下の表で、去年の3月20日と今年の3月20日の数字を単純に比較してみても、国内の感染者数は、1105⇒1517、東京の感染者数は、125⇒342、死者数は2人から19人であった。表にはないが、今年の3月20日の直前の死者数は、19日は33人、18日は32人、17日は43人、16日は57人であり、激増しているのである。下の表では、この一年の第1、第2、第3波と言われた時点を中心に、その推移をたどってみた。結構、手間がかかったのだが、見ていただきたい。PDF版にもしているので、そちらの方が見やすいかもしれない。

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東京五輪1年延期以降の感染状況と政府の動向年表
(カッコ内の数字は東京都の内数)          (内野光子作成)
ダウンロード – e382b3e383ade3838ae5b9b4e8a1a8.pdf

 今日、3月22日の非常事態宣言解除にあたって、その根拠として言われているのが、病床のひっ迫状況の改善で、強調されていた。絶対数から言っても最も高いピークを示した今年1月の第3波の時点と解除直近3月18日の状況を次の表にまとめた。昨年の8月に分科会が公表した「6つの指標」の感染状況の段階で示すと、黄色の部分が感染状況の第3段階であって、「感染急増」段階なのである。埼玉県と東京都は6つの指標のうち3つがその急増段階を脱していないことになる。また、病床の確保といっても、文字通りベットの確保であって、安心してはいけないということは、病院関係者からよく聞く話である。医師・看護師などのスタッフが確保されているわけではないから、「絵に描いた餅」に近い。感染が激増段階に入ったら医療崩壊につながることが目に見えている。

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6つの指標、21年1月7日(上段)と3月18日(下段)の比較
黄色のマーカーの数値がステージ3(感染者急増段階、医療提供体制に支障)を示す
ダウンロード – e5b9b4e8a1a8.pdf

参考「感染状況の4段階と6つの指標」
ダウンロード – 2021e5b9b41e69c887e697a5.pdf

 その上、感染力が強いという変異種が増えているこのような状況の中で、いまだに、五輪開催を目指している政府は、なにを考えているのだろうか。海外からの観客は断念する至ったが、海外選手・関係者・メディアの入国・出国・宿泊・移動、国内選手関係者の宿泊・移動に伴う検疫・検査体制を支える医療スタッフ、もろもろの日本人スタッフの確保がいまだ明確ではない。聖火ランナーやボランティアの辞退者が相次ぐのも、国民の大多数が延期や中止を望んでいることの反映でもあろう。国内の観客数制限という以前に、試合会場やそもそも密なる競技の試合の管理など、素人でも、その困難さが予想できるが、それへの対策は聞こえてこない。IOC会長と都知事、組織委員会会長、五輪担当大臣らの協議からは見えてこない。オリンピック精神、その理念云々以前の問題である。
はたして、海外からの選手やメディアは日本にやってくるのか。
その上、感染が拡大したら、だれが責任を取るのだろう。

 地元の小さな会で、現役の病院任務の医師からは、PCR検査はすでに縮小段階に入っていて、かつては感染者が出た病棟勤務者全員に検査がなされていたが、今は濃厚接触者だけになっているという話を聞いた。また、小学校に勤務する先生からは、クラスに感染者が出たら、かつてはクラス全員に検査がなされていたというが、いまはそれがなされていない、ということだった。私は10年近く通院していた大学病院からは、コロナ禍のため転医を迫られ、閉院のためかかりつけ医を失った今、途方に暮れている。

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ヒヨドリのつがいが、イチジクのえさ台の「しらぬい」を上と下で見張って
いるようにも見える.。東側の紫モクレンがつぼみをつけ始めた。スイセンは
昨日の雨に打たれて倒れそうにもなっていたが、続いて、チューリップがつ
ぼみをつけ始めている。球根のまま放置していたアムステルダムの花市で
買ってきたのはどれだったのか。いつ植えたのかわからない球根も、毎年
花を咲かせてくれる。
年が明けてから、植えた球根もある。なまけ者の庭にも
春は確実にやってくる。

初出:「内野光子のブログ」2021.3.22より許可を得て転載

http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2021/03/post-538c89.html

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/

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