たんぽぽ舎です。【TMM:No1957】
2013年9月10日(火)地震と原発事故情報-2つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.世界に向けて真っ赤なウソを平然と言い放つ安倍首相の責任
福島第一原発の専用港「湾内」と外洋を隔てて「ブロックする」
ような構造物など何もない 山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.東海村山田新村長は村上後継か?
緊迫増す東海第二原発の再稼働問題
(茨城の環境と人を考える会議 植田泰史)
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※「再稼働より汚染水対策!」9・11規制委員会前抗議行動
日時:9月11日(水)12時~13時
場所:原子力規制委員会ビル(六本木ファーストビル)前
東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅2番出口から徒歩4分
主催:再稼働阻止全国ネットワーク
※9月11日(水)テント3年目・怒りのヒューマンチェーン行動
15時~17時 <1部>経産省前座り込み・抗議1分スピーチ
(かんしょ踊りなどと同時進行)
17時~18時 (休憩)
18時~19時30分<2部>経産省申し入れと経産省前抗議行動
(原発現地、避難者、地域の団体、テントなど)
19時30分~ <3部> 経産省包囲ヒューマンチェーン 小一時間。
20時30分 終了
主催:経産省前テントひろば&テントひろば応援団
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┗■1.世界に向けて真っ赤なウソを平然と言い放つ安倍首相の責任
| 福島第一原発の専用港「湾内」と外洋を隔てて「ブロックする」
| ような構造物など何もない
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
IOC総会で安倍首相は「汚染水は港湾内で完全にブロックされている。抜本解決のプログラムを私が決定し、着手している」と発言した。世界に向けて真っ赤なウソを平然と言い放つ神経に、怒りを通り越して呆れかえった。
本当に、こんな見え透いたウソがまかり通ると思っているのだろうか。
福島第一原発の専用港「湾内」と外洋を隔てて「ブロックする」ような構造物など何も無い。そんなことは東電の資料でも明らかだ。
東電自ら、潮の満ち引きで外洋との海水交換があることを認めている。
東京海洋大の神田穣太教授は、港湾内の海水は一日に44%程度の比率で入れ替わっているとしている。
港湾内のシルトフェンスにも完全に遮蔽する性能は無いことは、東電の作った資料にも書いてあるとおりだ。
そういう事実を知りながらオリンピックほしさに世界中の人々の前で、大変な作り話をした。その責任は重大だ。
また、抜本的対策とは何なのか。いわゆる「凍土式遮水壁」について国が資金を出すとしているだけだ。本来必要な、周囲を取り囲む形式の遮水壁、それも恒久的な遮水性能を有する設備は、海側の一部で着工しているが、これさえ完成するのは2年近く先の話である。陸側の遮水壁は見通しも立っていない。
その間にも汚染された地下水は毎日数百トンが湾内に流れ込んでいる。コントロールどころか流出量は増える一方だ。
最近では、海に放流する計画で作られている「地下水くみ上げ井戸」の上流側130m地点で、汚染水タンクの漏水が起きている。さらに、その他のタンクでも漏水が確認されており、おそらくもっと数多くのタンクから汚染水が漏れ出していると考えられる。
地下水バイパス計画は、元々東電が計画していたものだが、汚染水問題が深刻化する中で田中俊一規制委員長も「敷地内は水だらけになっている。基準以下(の汚染水)を排出するのは避けられない」といいだし、流れは「地下水バイパス」へと急激に動こうとしていた矢先に、揚水井の地下水汚染が見つかり頓挫している。
東電は調査せず=地下観測孔を掘らず
なぜなのか?=「対策せず」の「責任追及」から逃げるため
8月27日の交渉で東電に対し敷地内に千本の観測孔を掘り、地下水位の調査と放射能調査を行うよう求めたところ「必要な調査をしている」と回答してきた。しかし実際には観測孔は13しかなく、そのため地下水の流出を見つけることも出来なかった。観測孔は増設中で、39孔まで増やすことになっているが、孔を掘れば掘るほど、新たな地下水の汚染状況が明らかになっている。
こんなことは分かっていたはずだが、調査をちゃんとしていないのはなぜか。
調査して結果が明らかになった後も対策を行わなければ「故意」ということになるが、調査をしないで「分からなかった」のならば「過失」になるからだ。
故意による海洋汚染はもちろん犯罪であるが、過失ならば事故以来汚染水の流出続きなので、その延長線上での過失だと言い張れるというわけだ。
「東電体質」という言葉があるが、調べない、気づかない、改めないことが常の、反省の無い、改革をしない体質が会社の上部に行けば行くほど徹底している。これが最悪の現れ方をしていたのが原発震災発生時の東電本店の対応だった。
対策は-鹿児島県志布志湾には石油備蓄タンクが43基=合計約500万キロリットル溜められる
汚染水対策は東電の、極限まで資金を惜しんで、最低限のタンク建設と資材の使い回しの結果、事態が深刻化していった。
たくさんの人々が、原発の水対策が最も重要と述べていた。吉田元所長もそう語っていた。その点では反原発も推進も関係が無い。ではどんな方法が在るだろうか。
例えば大型貯水タンクを建設するという方法もある。鹿児島県志布志湾には半地下式の石油国家備蓄タンクが43基立ち並んでおり、1基あたり約12万キロリットルで、合計約500万キロリットル溜めることが出来る。東京ガスが扇島に作っている地下式の液化天然ガス貯蔵タンクは1基25万キロリットルの貯蔵能力がある。このような大型タンクを2年半前に作り始めていれば、もうできていた。
資金繰りの悪化や人材難が対策を遅らせてきたのではといわれている。たしかにそういう面はあるが、そうならば早い段階で「手に負えない」と言うべきだろう。
手遅れに近い状態まで放置してきた東電の思惑は一体何処にあるのだろう。
東電の「仕掛け」は、汚染水問題を利用して国の資金投入を引き出し、さらに規制庁をも福島第一の後始末に引き込むことにあった。
今年4月、東電の社外取締役6人と広瀬社長が安倍首相と会談し、「国も一歩出る」との発言を引き出した。このとき彼らは辞表を持っていたという。
言うまでも無く、彼らは東電取締役を退任しても帰るところがある。国の支援というのは税金の投入を意味する。これについては原子力損害賠償支援機構が税金から5兆円を限度に被災者への補償を「肩代わり」している。表向き国への返済をすることになっているが、実態としては「電気の安定供給その他の原子炉の運転等に係る事業の円滑な運営の確保に支障を生じない限度において」(原子力損害賠償支援機構法第52条)返せば良いことになっている。つまり抜け道がしっかり作られている。東電は「電気の安定供給その他の原子炉の運転等」に必要な資金は確保できるわけだ。
東電は3200億円もの大金を柏崎刈羽原発の運転再開めざして投入
東電は地元新潟県の意向など無視し、柏崎刈羽原発の運転再開準備を進めている。緊急対策設備を作り、防潮堤を建設し、ベント装置を作るなど、3200億円もの金を掛けて運転再開のための規制基準適合審査を受けようとしている。動かせるはずのない原発に、とんでもない無駄金をつぎ込んだ。
普通ならば重大事故を起こした会社が、その事故の後始末さえしていないのに事故原因となった設備の再開準備に莫大な資金を投入するなど許されるはずが無い。補償や事故収束にまず資金投入されるはずだ。
ところが東電は福島第一の汚染水対策の資金を国に「無心」しつつ、柏崎刈羽に、その無心した金額の何倍もの資金を投入している。
2年半前に責任を問うて、破たん処理をしておくべき会社を生き残らせたために、国民負担は巨大になるばかりだ。今からでも東電を解体することが問題解決のためには必要だ。
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┗■2.東海村山田新村長は村上後継か?
| 緊迫増す東海第二原発の再稼働問題
└──── (茨城の環境と人を考える会議 植田泰史)
2013年9月8日、任期満了にともなう東海村村長選挙が行われ、「中立」を唱える前東海村副村長山田修氏(52歳)が当選した。
○ 山田氏は、茨城県地域計画課補佐から東海村に派遣され、副村長を務めていた。
今回の東海村長選挙の争点は、全国ただ一人原発立地自治体の脱原発首長村上達也氏の去就と真の後継者は誰か、という点である。
山田陣営には、自民党梶山弘志陣営、日立製作所(労組を含む)・民主党の大畠彰宏陣営の活動家が張り付き、選挙モードになってからは、村上派村議さえ近づけないような状況が生まれた。
村上達也氏周辺は「山田氏は人柄が信頼できる。再稼働という馬鹿なことはしない」という立場をとり、一時無風選挙ないし無投票も懸念された。
○ 山田氏周辺が村商工会長など原発再稼働派で固められたのを見て、村上再選でよしとしていた日本共産党が「山田氏は再稼働派に取り込まれた」として、北茨城市議の福田明氏(58歳)を、急遽立候補させた。福田陣営は、ほとんど選挙運動の時間を持たなかった。
東海村内有識者は「福田氏が3千~4千票取れば、脱原発派は一定の影響力を持つ」「低投票率であれば、福田勝利もある」と述べていた。
しかし、事前投票の推移から、投票率50%程度が予想され、山田当選は確実視されていた。
有権者は29,790人で、実際の投票率は51.38%、山田修(当選)氏11、758票、福田明氏(次点)3、238票である。
山田陣営の動きの悪さにしびれを切らした村上達也氏が、自派の村議5人(脱原発派)を選挙終盤に呼んで、山田支持で動くよう幾度か指示したとも言われ、この動きが無ければ当選は危うかった。
茨城県北の「盤石の集票マシン」といわれる「梶山事務所」、「日立製作所労組」の両者が、機能を十分果たしたとは言い難い結果である。
2009年東海村長選では、有権者28,935人、投票率67%、村上達也10,049票(当選)、次点の推進派9,281票であったから、山田氏支持陣営が非力であったことがわかる。
当選後の山田氏は、「中立」とのべるのが精いっぱいで、推進派の企図した「再稼働」は、今後の村政及び周辺自治体住民の大きな課題になった。
山田氏決起集会には「来ないでほしい」とよばれなかった村上達也氏が、当選当日、山田氏の脇に陣取った姿は印象的である。
自公民3党プラス村上派で11,700票だったが、村上氏を信頼した脱原発派の票も含まれているので、推進派の事前予想どおり、厳しい結果が出た。
○ 福田陣営関係者は「山田陣営は意外にもろい」と感想を述べており、福田氏の人柄も好感され、共産党の基礎票の約2倍を集め、村政で発言力を強めると思われる。
また、村上村長の引退表明は、遅くも6月議会終了後にすべきで、今回(7月末)は遅すぎたと、村上支持で対立候補をたてられなかった脱原発派からの批判がある。
○ 東海村は、2-15歳の子ども(5、932人)のうち希望者(988人)に甲状腺超音波検査を行ったが、今年度6月時点で、幼児(2-6歳)を中心に、要経過観察230人、要精密検査7人を出している。
これは小児甲状腺癌の問題を考える場合、驚くべき数字である。
再稼働を強行すれば「村長リコール」、村内住民投票を行えば「東海二号炉廃炉」、という「想定外」の可能性もありうる。
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