たんぽぽ舎から:No2162

たんぽぽ舎です。【TMM:No2162】
2014年5月6日(火)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.福島苛酷事故は東電のデタラメ運転が原因
東京電力から原発運転免許をはく奪せよ
たんぽぽ舎・原発事故基礎講座(1) (上)
槌田 敦(元理化学研究所研究員、元名城大学経済学部教授)
★2.原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会?
記者は追及している
委員長記者会見、規制庁ブリーフィングから
木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
★3.六ヶ所再処理工場は稼働できない?
危険と無駄の塊・再処理工場に、大きな逆風か?
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★4.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆5/11講演会「福島原発事故と福島で生きてゆくことの危険性」
講師:橘内芳雅さん 会場:秩父女性福祉会館
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※5/7第8回東電本店合同抗議にご参加を!
東電解体! 汚染水止めろ! 柏崎刈羽原発再稼働するな!
原発再稼働は日本を滅ぼす
日  時:5月7日(水)18:30から20:00まで
場  所:東電本店前(JR・地下鉄新橋駅徒歩5分)
よびかけ:経産省前テントひろば・たんぽぽ舎
賛同団体:東電株主代表訴訟ほか約79団体(5/3現在)
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※5/7学習会にご参加を!
『いま、改めて日本国憲法を見つめ直す=原発・人権・9条』
お 話:吉原泰助さん(元福島大学学長)
日 時:5月7日(水)19:00から21:00
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
参加費:800円
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┗■1.福島苛酷事故は東電のデタラメ運転が原因
|  東京電力から原発運転免許をはく奪せよ
|  たんぽぽ舎・原発事故基礎講座(1) (上)
└──── 槌田 敦(元理化学研究所研究員、元名城大学経済学部教授)

スリーマイル島事故(1979)は、安全弁の開固着が「閉」と誤表示され、事故となった。
チェルノブイリ事故(1986)は、緊急制御棒の挿入で反応度が逆に増え、事故となった。いずれも、設計ミスが事故の原因である。
これに対し、福島事故(2011)は、東電の業務上過失、未必の故意の犯罪で事故となった。

【1号機】
1.事故の初期、ECCS非常用復水器(注1)が何度も自動起動した。しかし、事故とは考えていない運転員は通常運転の手順書に従い、その度に手動停止して、原子炉を空焚きにした。非常用復水器にまかせていれば事故はなかった。業務上過失である。
2.原子炉空焚きの結果水素ガスが発生した。これが原子炉よりも高い位置にある非常用復水器に溜まり、非常用復水器は機能しなくなった。水素ガスが溜まる欠陥については安全委員会の点検があったが、東電は非常用復水器の点検結果を申告せず、また水素逃し弁をつけるなど水素ガス対策もせず、この欠陥を放置したまま、原子炉を運転した。
3.その結果、非常用復水器に水素ガスが溜まり、原子炉の冷却は不能となり、放射能の大量放出により公衆に被曝障害を与えた。これは東電による未必の故意の犯罪である。
(注1) 非常用復水器は、原子炉よりも高い位置に存在し、原子炉の蒸気を冷却して水にして重力で原子炉に流しこむ冷却系である。外部動力は不要である。

【2号機】
1.2号機には非常用復水器は存在しない。しかし、同じ機能を持つECCS蒸気凝縮系(注2)があった。東電は安全委員会の点検の際、水素が溜まる欠陥を申告して、このECCSを削除してしまった。削除せず水素逃し弁をつければ、2号機の事故はなかった。
2.2号機では、ECCS隔離時冷却系(注3)が働いて原子炉を3日間も冷却できた。しかし、その水源を復水貯蔵タンクから圧力抑制室に変更して失敗した。圧力抑制室には原子炉の熱が流れこみ沸騰状態となってポンプで吸引できず、原子炉への注水不能となった。水源を復水貯蔵タンクに戻せば炉心の冷却は可能だった。業務上過失である。
3.さらに、消防ポンプを使う目的で原子炉逃し弁を開放した。これは人為的大口径破断を意味し、炉心空焚きに直結して大失敗である。なんと愚かな行為か
4.大口径破断の対策には、消防ポンプでは能力不足。低圧注水系(注4)しかない。事故発生から3日も余裕があったのに、非常用電源車を用意せず、大事故にしてしまった。
5.東電は、陸地向け風なのに、2号機格納容器の放射能を120メートル高の排気塔から大量に排出(ベント)して、福島県民を大量被曝させた。しかも、この放射能大量放出の事実を福島県民に知らせなかった。これは、未必の故意の犯罪である
(注2) 非常用復水器と同じ機能を持つ蒸気凝縮系は、残留熱除去系に付属している。
(注3) 隔離時冷却系は、原子炉の高圧を利用してタービンを回し、これにより原子炉に給水する。原子炉の配管破断がない時使用する。外部動力は不要である。
(注4) 低圧注水系は、原子炉が大きく破断して原子炉の圧力が低い時使用する。大容量の交流電源が必要で、タービンを回し大量の水を原子炉に給水する。
(「下」につづく)

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┗■2.原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会?
|  記者は追及している
|  委員長記者会見、規制庁ブリーフィングから
└──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

○ 記者…「2月の汚染水が漏れたときも同じような指示で、2カ月以上経って、まだ原因が分析されていないという状況であるので、もう少し一歩二歩踏み込んで、何らかの指示というのは、今、考えられているのでしょうか」
田中委員長…「それは我々の仕事ではないと思います」
記者…「規制当局が自ら調べるというところまでいかないのでしょうか」(4月16日)
これは、東京でも毎日でも朝日でもない、産経新聞の記者と田中委員長とのやり取り。
規制委が発足して1年8か月、イチエフの水汚染対策も廃炉化も全く先が見えず、見えるのは敷地一杯に増えていく放射能汚染水タンクと、周辺地域の除染フレコンバックと、ALPSを含めた汚染水トラブルばかり。
そんな状態なのに、川内原発はじめ17基の原発の再稼働審査を優先する規制委に対して多くの記者が不信感を抱きだした。そのことを、規制委員長記者会見(毎週水曜午後)と規制庁ブリーフィング(火曜、金曜の午後)の動画や速記録が示している(必ずしもいつもノーカット版とは言えないけれど)。
http://www.nsr.go.jp/kaiken/
○ この日、毎日記者も「今回のもんじゅの件について要はオープンにしたくない、あるいはいわゆるこういう(原子力機構理事との)面談の場でも余りこの段階では話したくないという、何かそういう意図みたいなものがあるのか」と追及した。
また、島崎委員長代理の火山の専門家意見聴取発言についての西日本新聞記者の質問に、3.11のときに原子力安全・保安院の筆頭課長であった片山審議官が「審査会合に関わるものというよりは、むしろ火山のモニタリングをした結果を規制当局としてどう評価をして、どういうふうに判断をしていくのかについて課題があるという認識を示されたもの」(4月25日規制庁ブリーフィング)と審査と別を強調した。
そう言えば、規制委は発足直後に「しんぶん赤旗」の記者とフリーランス記者を排除し、2013年11月には毎日新聞の報道「福島原発:規制委員長が住民聴取拒む 被ばく防護策評価」に怒って同社記者を数週間出入り禁止にした。
原子力規制委員会は、「科学的・技術的」にでなく「政治的」に原発推進を目論んでいる高圧的組織である。実績からそのことを確認していきたい。

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┗■3.六ヶ所再処理工場は稼働できない?
|  危険と無駄の塊再処理工場に、大きな逆風か?
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)

○ ますます六ヶ所再処理工場本格操業の根拠がなくなっています。
再処理とは、核燃料を燃やした後に、それを切り刻んで硝酸溶液に溶かし、プルトニウムを取り出して再度燃料として加工し、燃やすための工程の、プルトニウムを抽出する工程を指します。
福島第一原発震災では核燃料が破壊され、大量の放射能をまき散らし、福島県を中心に大規模環境汚染を引き起こしたのですが、再処理とは燃料を溶かして封じ込められているプルトニウムや放射性廃棄物を取り出すので、せっかく燃料棒に閉じ込められている放射能を、わざわざ溶かしだしてしまいます。ここで事故が起きれば福島原発震災を遙かに超える破局的原子力災害になります。
そして六ヶ所ムラは今回の地震の震源域にも近い上、下北半島の沖合には十勝沖地震などを引き起こしてきたプレート境界があり、さらに再処理工場の下や近傍にも断層が走り、かつ、恐山という活火山が半島の真ん中にあります。他にも十和田、洞爺湖などカルデラ火山が近くにあり、現在も活動し続けています。
○ 2.2兆円の巨額の費用と20年間もの時間を掛けて作ってきたものの、トラブルと事故が頻発し、稼働できないまま「試運転」状態が続いていた六ヶ所再処理工場ですが、推進してきた原子力委員会の委員からも再処理工場の稼働は事実上不可能になるだろうとの発言が出始めたようです。
ただしこれは推進側のリークかもしれません。こういった圧力がかかっているとリークし、「プルトニウム利用計画の実行を図らねば再処理不能となり、使用済燃料の持って行き場がなくなるぞ」と電力会社などを脅しているとも取れます。
世界に例の無い極めて危険なフルMOXの大間原発や、高速増殖炉「もんじゅ」計画、プルサーマルなどプルトニウムを消費する計画を強行させる圧力であるとも言えるのではないでしょうか。ということは、私たちにとっても大間原発とプルサーマルを止めることが、いかに大きいことか分かります。
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核再処理工場、縮小稼働論が相次ぐ 青森・六ケ所村
(4月25日朝日新聞より)

原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す青森県六ケ所村の再処理工場について、完成してもフル稼働させず、縮小運転にせざるを得ないとの発言が原子力関係者から相次いでいる。プルトニウムは核兵器に転用できるため、すでに海外からの疑念や摩擦の原因となっており、これ以上、その保有量を増やせないとの判断からだ。
同工場は1993年に着工し、2兆1930億円を投じて今年10月の完成を目指している。年800トンの使用済み核燃料を処理し、8トンのプルトニウムを抽出する能力がある。ただ現状では、それを原発の燃料にする「プルサーマル」のめどがたっていない。
今月から内閣府原子力委員会の委員長代理に就いた元外務官僚の阿部信泰氏は、就任前の3月14日に米ワシントンであったシンポジウムで「六ケ所はフル稼働にはならないだろう」と発言。その理由の一つとして「プルトニウムの需給バランスを保ち、少なくとも保有量が増えないようにするため」と説明した。核テロや核拡散を心配する米政府が各国にプルトニウム保有の最小化や核開発の断念を呼びかけており、それが発言の背景にある。

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┗■4.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
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◆5/11講演会「福島原発事故と福島で生きてゆくことの危険性」

講師:橘内芳雅さん(脱原発・被災者救済活動家・山本太郎氏らと
チャイルドレスキューを立ち上げる)
日時:2014年5月11日(日)13:00開場 13:30開演
会場:秩父女性福祉会館2階第7会議室
(〒368-0033埼玉県秩父市野坂町1-13-14)
主催:原発とめよう秩父人
連絡先:0494-25-7373 ラパンノワールくろうさぎ(山田・新井)

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