たんぽぽ舎です。【TMM:No2169】
2014年5月14日(水)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.美味しんぼ騒動についてDAYS JAPANから知性的な反論
広瀬 隆
★2.井戸川前町長の発言は「風評」の問題ではない
井戸川前町長の被曝は「風評」ではなく測定上の事実である
合計すると短期間で数十mSvの被曝に相当する可能性がある
上岡直見(環境経済研究所)
★3.原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会! その2
「原子力規制委員会設置法」と衆参両院付帯決議を守れ
推進側の論理に影響されずに
「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全」をせよ!
木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
★4.新聞より4つ
◆川内原発再稼働反対! エネ計画抜本見直しを 脱原発首長会議要請
(5月10日佐賀新聞より)
◆東電料金、全国最高に 6月原発ない沖縄電超す 事故後の値上げ響く
(5月11日朝日新聞見出しのみ)
◆再稼働への対応 政府に強い怒り 反対地方議員が声明
(5月13日東京新聞より)
◆小泉氏が原発ゼロで財界と一線 (5月12日共同通信より)
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核の廃絶を目指して(全9回シリーズ)第1弾
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会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
参加費:800円(学生400円)
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┗■1.美味しんぼ騒動についてDAYS JAPANから知性的な反論
└──── 広瀬隆
2014年5月13日 株式会社デイズジャパン
「チェルノブイリ子ども基金」前代表 広河隆一
*チェルノブイリでは避難民の5人に1人が鼻血を訴えた
*2万5564人のアンケート調査で判明
『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に掲載中の漫画「美味しんぼ」の「福島の真実」篇に多方面からの抗議が寄せられているという。問題になったのは次の2点である。
・原発を訪れた主人公が鼻血を出すシーン
・そして疲労感を訴えるシーン
特に鼻血が「ありえない」 「不安をあおる」といった抗議を受けた。
疲労感については、福島原発事故の後に私自身が経験している。2011年3月13日朝から原発周辺での取材を繰り返した後、持っていた測定器が振り切れるという経験をして、その後4月に突然非常な疲労感と下痢が襲ってきた。被曝と疲労感が関係あるのかどうか、あとで数字を見てもらう。
鼻血はどうか。私自身は鼻の粘膜の異常を感じることはよくあった。しかしはっきり流れるほどの鼻血は経験していない。
私は2012年7月に沖縄県久米島で福島の子どもたちの保養施設「沖縄・球美の里」を設立し、運営している。ここにこれまで訪れた保護者たちから、鼻血の話題はよく聞いた。 福島でも聞いている。だから誰でも知っていることかと思っていた。だがこれほど大騒ぎになって、「ありえない」とか「事実無根」とか聞くと、 そんなに完全に打ち消そうとするということは、どのような意図が働いているせいかと疑ってしまう。これほど大きく問題にすると、かえって「住民の不安をあおる」ことになってしまうではないかと思う。鼻血は出ると訴えている人がいることを認めた上で、それが大きな病気に結びつくのを防ぐためにはどうすればいいのかを話す方が建設的ではないかと思う。
私は1986年のチェルノブ イリ原発事故以降、50回を超えて現地での取材と救援活動を続けている。そしてこの3月、映画取材班とともに、チェルノブイリを5年ぶりに取材した。ウクライナの高濃度汚染地域であるナロジチ地区のナロヂチ市中央病院の副院長に、日本では福島原発事故の後、鼻血がでた子どもが増えたという声を聞くが、チェルノブイリで はどうだったのか、と聞いた。すると副院長は「チェルノブイリでも事故の後、鼻血が増えた」と答えた。被曝によって血液系統の病気が増えた。鼻血もそうだが、貧血も増えたということだった。白血病の前段階の症状も増えたという。
1990年、IAEAはチェルノブイリの調査団を派遣し、翌年、健康被害の不安を打ち消す報告書を発表している。その報告に疑問を持った私たちは、広河事務所とチェルノブイリ子ども基金(当時は私が代表だった)共同で、現地NGOの協力を得て、1993年8月から1996年4月まで、避難民の追跡調査を行ったのだ。
調査項目は数百にのぼり、アンケート形式で本人あるいは家族に書いてもらった。回収できたアンケートは2万5564人分である。チェルノブイリ 避難民のこれほど大掛かりなアンケート調査は、ほかにはないと思われる。私たちにそれができたのは、これが救援目的におこなった調査だからである。人々の健康状況を把握できなければ、どのような救援を行っていいのかわからないからだ。
アンケート調査は困難だったが、私たちにはIAEAにはない強みがあった。それはそれまでの救援活動の実績と現地の人々との信頼関係、チェルノブイリ支援の現地NGOとのつながり、である。ほかならぬ被災者に会うことが、私たちの仕事だったということも ある。
この報告書は日露版の冊子の形で発行され、この3・11後にその一部を『暴走する原発』(小学館)に収録した。
その結果から、鼻血と疲労に関する数字を中心に見ていきたい。ただ人々を襲ったのはもっと多様な症状だったので、それらも記載しておきたい。(中略)
●チェルノブイリ市(原発から約17キロ)の避難民のアンケート回答者2,127人
(人々は事故からおよそ8~9日後に避難した)
「事故後1週間に体に感じた変化」
頭痛がした 1,372人 64.5% 吐き気を覚えた 882人 41.5%
のどが痛んだ 904人 42.5% 肌が焼けたように痛んだ 151人 7.1%
鼻血が出た 459人 21.6% 気を失った 207人 9.7%
異常な疲労感を覚えた 1,312人 61.7%
酔っぱらったような状態になった 470人 22.1%
その他 287人 13.4%
「現在の健康状態」
健康 58人 2.7% 頭痛 1,587人 74.6%
のどが痛む 757人 35.6% 貧血 303人 14.2%
めまい 1,068人 50.2% 鼻血が出る 417人 19.6%
疲れやすい 1,593人 74.9% 風邪をひきやすい 1,254人 59.0%
手足など骨が痛む 1,361人 64.0% 視覚障害 649人 30.5%
甲状腺異常 805人 37.8% 白血病 15人 0.7%
腫瘍 80人 3.8% 生まれつき障害がある 3人 0.1%
その他 426人 20.0%
(後略)
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┗■2.井戸川前町長の発言は「風評」の問題ではない
| 井戸川前町長の被曝は「風評」ではなく測定上の事実である
| 合計すると短期間で数十mSvの被曝に相当する可能性がある
└──── 上岡直見(環境経済研究所)
漫画「美味しんぼ」の井戸川元町長のコメントに関して、被曝と健康被害を否定する主張がなされている。しかし事故当時の現地の異常な状況を考える必要がある。下図は筆者が作成したものであるが、単に福島県の公開データから双葉町内の空間線量率と累積線量(表示はGy)を示したものである。データの欠落もあるが値は空間線量率のみで、原発に近く粒子状物質の懸濁が多かったはずの現地では呼吸経由の被曝も同程度の寄与の可能性がある。
http://homepage3.nifty.com/sustran-japan/datafile/futaba.pdf
井戸川前町長は、住民や福祉施設入所者の避難のためにみずから屋外を奔走していたことが文献(『避難弱者』東洋経済新報社)に記録されている。防護服は着ていたようであるがマスクもなく、高線量下では効果は乏しい。漫画については、現在の福島第一原発を短時間見学しただけで、直ちに健康被害が出るとは関連づけられないという評価はあるだろうが、それを逆手に取って井戸川前町長の健康被害まで風評扱いするのは筋違いである。
事故直後の空気中の放射性物質濃度(Bq/m3)はもはや測定しようがなく、またGyとSvの換算のところでも不確実性があるが、合計すると短期間で数十mSvの被曝に相当する可能性がある。一般に微粒子は気流に乗って空気と同じ挙動を示すが、原発の至近距離では大きな粒子が飛んで、MPではわからない局所的な高濃度が出現した可能性もある。諸々の不確定要素が大きな方に作用した場合には、一般に言われるICRPの基準を適用するとしても、日常生活とは桁ちがいの被曝であり、健康影響との因果関係が否定できない領域になる。
井戸川前町長の被曝は「風評」ではなく測定上の事実である。町長と行動を共にしていた職員や、避難の遅れた住民も、同等の被曝をしていると考えられる。被曝と健康影響が関係ないと主張する者は何を根拠にしているのか。そもそも「風評」の原因を作ったのは誰か。漫画に乗じて井戸川前町長の発言を風評扱いするのは、福島事故をなかったことにするために、議論そのものを無視しようとする悪質な世論操作である。
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┗■3.原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会! その2
| 「原子力規制委員会設置法」と衆参両院付帯決議を守れ
| 推進側の論理に影響されずに
| 「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全」をせよ!
└──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
○ 2012年夏、毎週のように十万以上の人が首相官邸前に集まり、大飯原発ゲート前阻止行動が行われ、一方、パブコメや全国の公聴会を受けて、野田政権が2030年原発ゼロの「革新的エネルギー・環境戦略」を決定した、この年の6月に成立した「原子力規制委員会設置法」には、脱原発世論を受けて衆議院12、参議院28の決議文が付加された。 http://www.nsr.go.jp/nra/gaiyou/about.html
設置法の目的は「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全…に資する」ことである。今の東電福島第一原発(以下イチエフ)の状況を考えれば、この目的に照らしても、今規制委がなすべきことはイチエフの放射能汚染水対策と廃炉化に専念することである。
更に、衆議院付帯決議1にあるように「原子力規制行政に当たっては、推進側の論理に影響されることなく、国民の安全の確保を第一として行う」べきである」。参議院付帯決議5「独立性、中立性の確保」をするべきである。
○ にもかかわらず、規制委は電力会社と癒着し推進側の論理に強く影響されている。
例えば、規制委発足後半年も経たないのに規制庁トップ名雪審議官が日本原電と秘密会合をして報告書案を事前に手渡し、おまけに訓告処分としながらノーリターンルールに反して文科省に戻し山形大教授に天下りさせた。
例えば、田中委員長は広瀬東電社長や自民党議員とは何度も面談しながら、住民の安全を重んじる新潟県泉田知事とは全く会わない。
また、大胆な仮定を置きながらモデル検証もしない拡散シミュレーションによりUPZ30kmを押し付けた。これは、イチエフ事故では40km近くも離れた飯館村にまでプルーム(放射能雲のかたまり)が到達したことに反し、米国が80km圏外に出るように指示したことと矛盾する。
これらは、規制委が「推進側の論理」に影響されている証拠だ。とても、「国民の安全の確保を第一として」規制行政しているとは言えない。
○ 付帯決議にも拘わらず委員長を含め3人は「原子力ムラ」から。国会承認が5カ月も遅れた現原子力規制委員会は、設置法の目的と衆参両院の付帯決議を無視して、川内原発をはじめとする既存原発の再稼働にまい進している。
☆《事故情報編集部より》
5月14日の全国統一行動は、原発現地と東京の全国14カ所でおこなわれた。
伊方…14名、東京…62名、青森6名、他は続報。
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┗■4.新聞より4つ
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◆川内原発再稼働反対! エネ計画抜本見直しを 脱原発首長会議要請
全国の市区町村長ら約90人でつくる「脱原発をめざす首長会議」は9日、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けて再稼働の推進方針を示したエネルギー基本計画を抜本的に見直すよう政府に申し入れた。
事務局長の上原公子元東京都国立市長や、井戸川克隆前福島県双葉町長らが都内で、経済産業省資源エネルギー庁と原子力規制庁の担当者に文書を手渡した。井戸川氏は「再稼働よりも、東京電力福島第1原発事故の事後処理をどうするのか示すべきだ」と訴えた。
申し入れ書は、政府が4月に閣議決定したエネルギー基本計画を「原発の新増設も視野に入れた計画だ」と批判。脱原発の方針を明確にした計画に改め、実現に向けた法整備を急ぐべきだとした。
また、原子力規制委員会が優先的に審査を進める九州電力川内原発(鹿児島県)は周辺で火山噴火の危険性があり、再稼働に断固反対すると強調した。
同首長会議に県内から唯一参加している江里口秀次小城市長は佐賀新聞の取材に、「原発は核のゴミや事故時の避難などさまざまな課題があり、国が再稼働の方向へかじを切ったのは残念に思っている。国には原発再開を見直すとともに、新エネルギー技術を確立し、その技術を将来的に世界に発信できるよう目指してほしい」と話した。(5月10日佐賀新聞より)
◆東電料金、全国最高に 6月原発ない沖縄電超す 事故後の値上げ響く
(5月11日朝日新聞見出しのみ)
◆再稼働への対応 政府に強い怒り 反対地方議員が声明
原発の再稼働に反対する地方議員有志でつくる原発立地自治体住民連合は12日、再稼働問題への政府の対応について「住民の生きる権利を一顧だにしない態度に強い怒りを感じる」と、抗議声明を発表した。
住民連合は4月に政府に対し、2度にわたり「原発事故は百%起こらないと住民に保証できるのか」と、山本太郎参院議員(無所属)を通じて質問主意書を提出していた。しかし、事実上のゼロ回答が続いたことに抗議した。
政府は1度目は「安全性の追求に終わりはなく、継続的な安全性の向上が重要」との答弁書を閣議で決定。2度目は「前回答弁書でお答えした通り」とだけ答えた。声明では「故意に質問をはぐらかし、あきらめさせるやり方は断じて許せない」と批判した。(5月13日東京新聞より)
◆小泉氏が原発ゼロで財界と一線
小泉純一郎元首相が、財界主導による民間シンクタンク「国際公共政策研究センター」の顧問を4月末に辞任していたことが12日、分かった。小泉氏は細川護熙元首相と脱原発を目指す一般社団法人を設立したばかり。原発推進の財界と一線を画す狙いがありそうだ。センターによると、辞任は4月に入ってから小泉氏が申し出た。センターは2007年3月、東京電力やトヨタ、キヤノンのトップらが発起人となって正式に設立。主に外交、エネルギー分野などで政策提言をしてきた。小泉氏は政界引退後、センターを活動の拠点とし、昨年8月にはフィンランドの高レベル放射性廃棄物の最終処分場を視察。
(5月12日共同通信より)
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