たんぽぽ舎から:No2178

たんぽぽ舎です。【TMM:No2178】
2014年5月23日(金)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.東電福島第一原発・地下水バイパス計画の強行に抗議・中止を求める
海の汚染の拡大をくい止めたい
汚染があっても薄めれば排出できる仕組み(悪質)
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.大事故、避難困難、大量被ばく承知で再稼働?
集団的自衛権行使容認より原発廃炉が日本を守る
渡辺寿子(原発いらない・ちば、たんぽぽ舎会員)
★3.多くの団体、個人200名が参加-にぎやかな抗議行動
東電本店前の元気の出る「どんぱん節」、
日音協の「ねがい」歌われる 5/7東電本店合同抗議報告
岩本愼三郎(テントひろば)
★4.新聞より3つ
◆吉田氏、非常冷却で誤対応 「私の反省点。思い込みがあった」
震災当日 東電本店の助言なし  (5月23日朝日新聞見出しのみ)
◆再稼働反対で超党派議連 27日発足 県内市町村議ら30人
(5月21日茨城新聞より抜粋)
◆米空母出港日時公表遅れ「自治体の怠慢」
横須賀市民グループが申し入れ  (5月20日東京新聞神奈川版より)
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※反原発自治体議員・市民連盟第4回総会(どなたでも参加自由)
日 時:5月25日(日)13:30から17:00
講 演:「原発事故と防災計画」 上岡直見さん(環境経済研究所研究員)
報 告:「川内原発を再稼働させないために」
野口英一郎さん(鹿児島市議会議員)、
「関西電力との攻防」 手塚たかひろさん(枚方市議会議員)
参加費:1000円
主 催:反原発自治体議員・市民連盟
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┗■1.東電福島第一原発・地下水バイパス計画の強行に抗議・中止を求める
|  海の汚染の拡大をくい止めたい
|  汚染があっても薄めれば排出できる仕組み(悪質)
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)

歴史的な大飯原発差し止め判決の5月21日にぶつけるかのように、東京電力は福島第一原発で地下水を海に投棄する「地下水バイパス計画」を始動した。
私たちはこれに強く抗議し、直ちに中止することを求める。
地下水バイパス計画とは、原発敷地内に流入する地下水を上流側の海抜約30メートル地点に設置した12本の井戸でくみ上げ、海に流すというもので、東電によれば現在日量400トン流れ込んでいる地下水を最大100トンほど減らせるとしている。
しかし、これが成立するための大前提は、地下水に放射性物質が含まれないことと、放射性物質の混入を厳重に監視し、未然に防止できることが保障されることである。
しかし、東電のずさんな汚染水管理により、くみ上げ井戸の上流に1リットル当たり2.4億ベクレルものストロンチウムを中心とした放射能を含む汚染水を、土壌に何百トン(わかっている限りで300トン規模)もしみこませてしまい、いずれは土中から汚染地下水となってくみ上げ井戸から海に流れる経路を作ってしまった。
そのうえ監視体制は12本の井戸からくみ上げた地下水は一系統のタンクに貯水され、放出される段階で一部を検査するというものの、その体制は脆弱であり、今までの東電のチェック体制では容易に突破されると考えるほうが自然である。
まとめられてしまった地下水に汚染が見つかっても、どの井戸からの水が何に汚染されているかをつかむのは困難であり、さらに汚染されたからといって基準値(セシウム134が1ベクレル/リットル以下同じ、セシウム137が1、全ベータが5、トリチウムが1500)を下回るならば放出されてしまう。つまり汚染があっても薄めれば排出できることになる。
全量検査ではないし、ストロンチウムなど測定が難しい核種は測定さえしないといった態度に、東電の姿勢が見て取れる。
さらに地下水バイパスが有効に機能して、地下水の量を減らせる(少なくても東電の主張程度に減らせる)保証もない。
最悪の場合はまったく減らないこともありえる。
減ったかどうかも、地下水の流速を考えれば数ヶ月たたなければ評価もできない可能性さえある。
地下水バイパスをめぐっては、多くの福島県をはじめとした市民の反対がある。同意したとされる福島、茨城の漁協も「苦渋の判断」とした。被害者に苦渋の判断を強制する加害者とはいったい何なのか。そのことを私たち東電管内の電力消費者は考えなければならない。

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┗■2.大事故、避難困難、大量被ばく承知で再稼働?
|  集団的自衛権行使容認より原発廃炉が日本を守る
└──── 渡辺寿子(原発いらない・ちば、たんぽぽ舎会員)

○ 避難計画実効性疑問

超党派の国会議員でつくる「原発ゼロの会」は4月22日の会合で、原発で重大事故が起きた際、住民の脱出に時間がかかることや、避難者を受け入れる自治体の計画が殆ど策定されていない実態に「避難計画の実効性がない」と指摘しました。避難計画は原発から30km圏内の市町村がつくることになっていますが、3月末現在対象の135市町村のうち71でしか作成していません。
避難者の受け入れ計画も殆どできていません。多くの住民を長期間受け入れるための施設や予算をどう確保するのか、避難計画と受け入れ計画がセットでなければ実効性を持ちません。
参加議員は「自治体任せでなく、国として対応すべきだ」と指摘しましたが、内閣府の担当者は「受け入れ計画の実態は把握していないし、把握する予定もない」といいます。国は避難計画はわれ関せずと自治体に丸投げして、再稼働に前のめりです。

○ 避難困難、大量被ばく

川内市長は原発再稼働に同意するつもりといいながら、まともな避難計画をたてていません。実際避難は困難です。
川内原発現地に常駐しているIさんが発行している「川内の家」ニュースから避難に関し以下紹介します。
川内川沿いの県道3号線は事故時大渋滞は必至です。車に乗っても車の「放射線防護係数」はゼロとされています(アメリカの環境保護庁の「指針」)。つまり何時間もの渋滞時間中、100%の放射能を浴び続けるということです。しかも住民全体が車を持ち、運転できるとは限りません。高江地区のある住民は、徒歩で避難すると高江インターから橋を渡ることになるが、高速道路だから橋には歩道がないといっています。車でも徒歩でも避難は「放射能地獄」です。(火山噴火となれば火砕流や降灰で事態はさらに悲惨なことになる)Iさんは市長に「再稼働して本当に安全か」と質問しましょうといっています。

○ 現実的でない避難計画

福岡、佐賀、長崎三県が九電玄海原発で重大事故が起きた場合の住民避難シミュレーションを発表しました。それによると30km圏内の約27万人を圏外に逃がすのに標準で約25時間、観光ピーク時は約42時間かかるとされましたが、これでも大渋滞を予想していない甘い想定です。
5km圏内の住民を先に30km圏外に避難させ、その後30km圏内の住民が逃げる「二段階避難」を想定していますが、周辺住民がそんな指示に従わず、一斉に避難してしまう可能性が高いのです。災害で主要道路が通行止めになれば、渋滞はさらに拡大するはず。西日本新聞はこれで本当に住民が被ばくせずに避難できるのか、不安が拭えないとしています。

○ アメリカNRC前委員長のヤツコ氏は、アメリカでは事故に備えて綿密な実効性のある避難計画の策定と訓練がなければ原発を動かすことは許可されないといいました。ところが日本では避難計画策定は自治体の仕事とされ、規制委の規制基準には含まれていず、避難計画の整備が再稼働の法的必要条件にはなっていないのです。泉田知事は規制委基準は住民を守らない、世界標準にも達していないといっています。綿密な避難計画があっても原発は安全ではありませんが、政府や電力会社が原発がどうしても必要で、再稼働するというのであれば、真面目に可能な限りの避難計画をつくるのが最低限の義務でしょう。再稼働の資格ゼロです。

○ 安倍政権は国民の生命、財産、国の安全を守ると称して憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使容認を強行しつつあります。原発大事故が再び起きれば日本消滅です。再稼働を止めて、原発すべてを廃止することこそが国民の生命、財産、国土を守るのだと広く知らしめていきましょう。(2014年5月初め)

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┗■3.多くの団体、個人200名が参加-にぎやかな抗議行動
|  東電本店前の元気の出る「どんぱん節」、
|  日音協の「ねがい」歌われる 5/7東電本店合同抗議報告
└──── 岩本愼三郎(テントひろば)

○ 遅まきながら5月7日の東電本店合同抗議について何か書こうとパソコンを立ち上げたら、福井地裁が、大飯3、4号機の運転差し止め訴訟で原告側勝利判決のメールが飛び込んできた。素晴らしいニュースだ。NHKも夜7時のトップでもかなり詳しく報じていた。安倍再稼働路線に当面かなりの打撃だろう。
○ 5・7東電前は、200名が参加してのにぎやかな抗議行動になった。福島のさらに厳しい現実や安倍の暴走を眼前に、生協関係者などの発言も、広瀬東電社長への申し入れも、最後の1分間スピーチもそれぞれ良かったが、私には今回一番印象に残ったのは歌だ。元気の出る「どんぱん節」は、4月のテント裁判報告集会で九州・川内から参加した方が初めて披瀝したもの。また日本音楽協議会の方の歌った「ねがい」は、広島の中高生らの平和を願う歌をもとに、伊方原発に反対する市民が作った替え歌だという。大衆運動が高まるところには必ず歌が生まれる。
○ それからもうひとつ、この日記憶に残ったのは「デンキ開ケテ世間暗夜となれり 大正二年 田中正造」と書いたノボリ。どういう人がこんなノボリをもって来たのか知らないし、聞かなかった。また正造がどういう機会にこんな言葉を書いたのかも知らない。ただ私たちは正造の闘いを今日に引き継いでいるのだということを改めて知らされた。
○ 「世間暗夜」をこの間うんざりするほど見せつけたのが、例の『美味しんぼ』騒動ではないか。私もテントで問題の漫画を見た。丹念な取材のうえに、福島の真実を暴いている。真実だからこそ、官房長官を先頭に政府高官が、福島県知事が雁首そろえて「遺憾」だという。世も末だ。福島から東京に母子避難し、実際子どもの鼻血を経験しているNさんを取り上げた新聞記事の「不安を口にすることさえいけないのか」という言葉が胸に刺さる。70年前の戦争で、日本の母親は不安や疑問など論外、息子を出征兵士として「万歳、万歳」と死地に送り出すことを強制されたが、今はその一歩手前に来ている。
○ 「差別を助長する」とか、「風評被害が広がる」とか言われているが、その通り、差別も、風評被害も厳然と存在する。問題はその元凶が誰だということだ。『美味しんぼ』を書いた漫画家なのか。冗談ではない。3・11事故を起こし、その後も事実を隠蔽し、責任逃れを続けている国と東電こそ元凶である。だが福島の厳しさは、そこが見えなくさせられ、「不安を口にする者」が敵視され、住民同士の対立が生まれていることだ。敵という言い方が不穏当なら、原因と責任の所在をはっきりさせなければならない。そのためにも、東京で東電本店に対する抗議行動を続けることの意義は大きい。
○ 福井地裁判決は、この「暗夜」に差し込んできた一条の光だ。次回の東電抗議は、首都圏反原連の行動に合わせて、6月1日午後1時から45分間。その後、官邸・国会行動に合流する。

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┗■4.新聞より3つ
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◆吉田氏、非常冷却で誤対応 「私の反省点。思い込みがあった」
震災当日 東電本店の助言なし (5月23日朝日新聞見出しのみ)

◆再稼働反対で超党派議連 27日発足 県内市町村議ら30人

東海第2原発の再稼働に反対する県議や市町村議で構成する超党派の議員連盟が27日、発足する。約30人の県内の議員が参加する見通し。今後、参加メンバーを増やし、再稼働阻止の輪を広げるとする。当初、細谷典男県議や相沢一正東海村議、玉造順一水戸市議らが参加を予定している。(中略)
議員連盟の活動は、東海第二原発の一日も早い廃炉の実現を目的とする。議員同士の連携を深め、情報交換や議論を重ね、それぞれの所属議会で、議論をリードしていきたいとする。市町村長らへの理解も促す。(中略)
事務局の玉造氏は「超党派の議員連盟発足は全国的にも初めてではないか。原発立地自治体の議員として住民の生命を守るために活動していきたい」と話した。
(5月21日茨城新聞より抜粋)

◆米空母出港日時公表遅れ「自治体の怠慢」 横須賀市民グループが申し入れ

○ 米海軍の原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)が十九日、四千三百五十人の乗組員を乗せ、米海軍横須賀基地を出港した。試験航海とみられる。今回、横須賀市は事前に知らされた出港予定日時を、休日だったことを理由に休み明けまで公表しなかった。これに対し、同市で基地問題に携わる市民グループ「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」が、対応に問題があるとして申し入れをした。
会は「原発再稼働が日本で大きな問題となる中で(空母の)原子炉が稼働する事案。公表遅れは住民の安全を考えるべき自治体の怠慢だ」と批判。市に文書回答を求めた。(中略)
○ 市基地対策課は「休日に知らされても公表の作業ができない」と説明。会の呉東(ごとう)正彦弁護士は「休日だから対応できないというのは、危機管理体制としておかしい。万が一の事故を想定し、情報公開と市民の問い合わせ先を示すべきだ」としている。
GWは昨年十二月に帰港し、船体の整備を受けていた。
(5月20日東京新聞神奈川版より)

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