とりあえず

ブルマンさん。とりあえず、「実体主義批判」という点で両者の意見が一致したところで、議論を終わらせたいと思います。よろしいでしょうか。「価値概念」についてはもう少し考えてみます。この点については、拙稿「生成するものとしての価値概念」(『情況』2006年7月号所収)を参考にしていただければ幸いです。

 

余談ですが、この「実体主義的思考」は日常生活に根を深くおろしていますね。例えば、yahoo newsで「AKB48は人気が落ちてきた」という文言を見ました。「実体主義批判」の立場から言うと、これはおかしい。「AKB48」なる「実体」は存在しないからです。「AKB48」というのは、前田敦子、大島優子、マリコさま…(ありゃ。卒業生ばかりだ。例として悪いのはご容赦)など、そして秋元康氏もその中に入ります―彼がミニスカートを穿いて踊っているという意味ではありません―の協働的諸関連を「実体視」した錯視の結果にほかならないのです。それどころか、「実体主義批判」の旗手たる廣松さんも、『資本論の哲学』を読む限り、実体主義のしっぽを残しているように思われます。

 

武田さんへ。衒学的な話で申し訳ありませんでした。でも、私はなるべくわかりやすい言葉で話したつもりです。また、「実体主義批判」という見方は、硬直化した実践活動を解消するのに役に立つと信じています。ご理解ください。