べネスエラの都市部超インフレを抑えるために

しばらく病気で歩くのもやっとでした。再び本サイト・ちきゅう座へ投稿ができる体調になったことを喜んでおります。

さて本日,読んだのがP.C,ロバ-ツ氏の”Trump Is Being Set-up for War with Iran”(13日付けICH記事)です。べネスエラの話が出てきます。それより先に拝視聴したのがセイコウ・イシカワ・べネスエラ駐日大使の日本記者クラブでの会見(2月1日)。次に拝聴したのが伊高浩昭氏の対談「緊迫!ベネズエラ~米国軍事介入はあるのか(3月3日)」で両者ともYouTubeで観ることができます。そして本日拝読したのが岡本磐男東洋大学名誉教授の『ベネズエラの現在の超インフレーションはいかにして終息さるべきか』(本サイト,5月15日)です。

さてべネスエラ問題(特に超インフレ)を考えるとき,小生は次の3つのことを思い出します;

(1)アメリカ合衆国が世界帝国であること。すなわちべネスエラのみならずシリア,ソマリア,リビアやイラクやイラン等々への経済制裁と政権転覆。

(2)また現在のベネズエラにおいては、世界的な石油価格の下落によって貿易収入が減退し、そのために外貨の取得が減少し国民生活の困難がもたらされているともいわれているが・・(岡本先生のご指摘)。

(3)チャペス元大統領がCIAによって拉致されたが,軍民同盟(軍部と民衆の強い結結束)によって救われたこと。そして米国はチャペス政権のときクーデタを企て,マドーロ政権になってからは3度のクーデタが試みが行なわれたが,いずれも失敗したこと。そして今回の暫定大統領騒ぎ。

アメリカ国民は共産主義者を見たことがないから,ロシアを嫌うという話を聞いたが事がありますが,米国が政権転覆を謀る場合はまず経済制裁を行い,次にデモ隊(色革命)を組織し国内を政情不安定に陥れる。その後,軍事侵攻に及ぶ。ウクライナではネオ・ナチ党員を利用して正当に選挙で選ばれた現職大統領を追放しました。最近のイランでもまた国内デモがありトランプの経済制裁が始まりました。べネスエラと同じです。米帝国主義のあらわれ。

(2)について。2014~15年にかけて米国はサウジのビン・サルマン王子に石油の値段を下げさせました。石油収入に頼るロシアの経済を破壊することを狙ったものと言われていましたが,2015年にオバマがべネスエラへの経済制裁大統領令を発令していることからも石油の値段を1バレル20ドル台に落として,べネスエラの経済をガタガタにすることが本当の狙いであったと推測されます。べネスエラの国家財政の95%が石油代金(伊高氏)。石油精製に必要なナフサの補給を米国が止め,石油代金も米銀は支払わなくなったのでべネスエラの国家財政はますます逼迫したとも言われています。