「円滑な移行」を、2016年11月9日、オバマはトランプにホワイトハウスで約束しました。 ところが、その舌の根も乾かぬこの2カ月間、オバマ黒人大統領のトランプ新大統領潰しは熾烈を極めております。 大統領選挙の投票箱をひっくり返して票を数えなおし、イスラエルとの関係を悪化させトランプ新政権に大きな負担を背負わせ、アメリカが仕掛けたシリア戦争をロシアが終戦に持っていこうとしたら、失地回復とばかりイラクのモスル戦場に大量の米兵を送り込みました。
おいおいオバマさん、イラクから米軍を撤退させたんじゃないんですか? そして、トランプ新大統領就任式直前の今、「ロシアのサイバー攻撃の援護射撃で当選した大統領は非合法」と、トランプ引き摺り下ろしに血まなこになっています。 常軌を逸しているし、第一、みっとも悪いよ、スタイリストを誇るオバマさん!!
(1) アサンジ・ウィキリークス創設者が証言:
2016年1月3日、ジュリアン・アサンジ、ウィキリークス創設者はフォックス・ニュースのインタヴューで、「ロシア政府もウラデイミール・プーチンも、民主党全国委員会やクリントン陣営の長ジョン・ポデスタのハッキングに関係ない」と語った。「あなたは、リークした情報がロシアやロシアの関係者から得たものではないということを、1,000%アメリカ国民に保障出来るか?」という質問に、「勿論だ。我々がこの2カ月間繰り返し伝えてきたように、我々の情報源はロシア政府でも政党でもない」と、アサンジは答えた。「なぜ、ロシアのサイバー攻撃だという批判があがっているのか?」という質問に、「理由は明快だ。ロシア・サイバー攻撃説を捏造している連中は、ホワイトハウスに入ろうとしているトランプ政権に非合法というレッテルを貼りたいのだ。選挙で選ばれたトランプ大統領なのに、大統領の資格がないと決めつけたいのだ」と、トランプの引き倒しを示唆した。
「あの男(アサンジ)をドロンで殺せないのか!」と、ヒラリー・クリントンが大統領選挙戦の終盤で叫んだそうだ。国務オバマ政権の国務省高官が暴露している。
トランプは「ジュリアン・アサンジが、14歳の少年でもポデスタをハックできると言ってる。民主党はなんでそんなに不用心なんだ?」と、ツイッターで発言した。
(2)ジョン・マケイン上院議員が音頭を取る委員会で米情報機関の長が証言:
「2017年には、我々は侵入者を打ち負かし、出身地に追い返す。ウラジミール・プーチンよ!お前はウクライナの人々を打ち負かすことなどできない。彼らの独立と自由を侵害することはできない」と、年越しをウクライナ前線で祝った共和党上院議員のマケインは、ウクライナ兵を前に演説した。大統領選挙戦中から、マケインはトランプを毛嫌いし、共和党員にも拘わらず民主党大統領候補のヒラリーを応援してきた。
2017年1月5日、マケインが仕切る武器サービス上院委員会の聴聞で、引退を控えたジェームズ・クラッパー・アメリカ国家情報長官は、「2016年大統領選挙戦での対民主党サイバー攻撃にロシアが絡んでいることを、固く信じている」と、語った。しかし、彼の確信が何を根拠にしているかは明らかにしなかった。が、彼の主張は、CIAなどのアメリカ情報機関で共有されている。
一方、ロシアはサイバー攻撃疑惑を否定した。が、ハワイ休暇中のバラク・オバマ大統領は12月30日に、ロシア人外交官35人とその家族に、米国外退去を命じた。さらにロシアの軍情報総局(GRU)や連邦保安局(FSB)を含む9機関や個人への制裁措置を命じ、ロシア情報機関が使用するニューヨークとメリーランド両州の施設を閉鎖した。
にも拘らず、マケインとウクライナを訪問したリンゼー・グラム共和党上院議員は、「オバマ大統領は生ぬるい。小石ではなく、岩をぶつける時が来ている」と、煽った。
しかし、プーチンはオバマの挑発に乗らなかった。
(3) クラッパー報告とオバマとトランプ:
2016年1月5日、クラッパー報告書は、オバマに提出された。
2016年1月6日、民主党をターゲットにしたハッキングに関して、情報関係者たちがトランプに報告をする。
ABCアメリカTVが、<大統領戦勝利ありがとう ウィスコンシン・ツアー>で、群衆に前にしたトランプの話を伝えている。トランプは、「11月8日の投票日、私は娘から悪いニュースを受け取った。私は妻に、<ベビー(妻)、今夜は勝ちそうにないよ、なんたって選挙予測が芳しくない。でも、最後の一滴まで心血を注いできたから、負けても後悔しない>と語った。彼女は私を見つめて、<あなたは負けていないわよ>と言った。その言葉が終わった時、クリントンがハドソン川で計画していた花火大会をキャンセルしたという報せが飛び込んで来たんだ!」と、トランプ支持者を泣かせた。無教養で無知な右翼、などなど、、何かと評判の悪いトランプだが、率直で正直な言動は小気味が好い。
「メール交信は安全じゃない。信用するほうが悪い」と、記者のぶら下がり質問にトランプは答えました。 全くその通りです。 そして、世界中の政治家も経済人も、そういうトランプが発信するツイッターを信用して、右往左往しています。
トランプのツイッターを笑いながら楽しむのは、不謹慎でしょうか?
文:平田伊都子 ジャーナリスト、 イラスト:川名生十 カメラマン
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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