アベノミクスは破綻

迷走するアベノミクス。安倍晋三首相が鳴り物入りで打ち出した新経済政策が迷走している。「旧3本の矢」の「大胆な金融緩和」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」がさっぱり機能しないため、「新3本の矢」に切り替えた。①希望を生み出す強い経済=20年ごろまでにGDP(国内総生産)600兆円②夢をつむぐ子育て支援=20年代半ばまでに希望出生率1・8③安心につながる社会保障=20年代初めまでに介護離職ゼロー―安倍首相は2011年度に490兆円だったGDPを2割増やし、20年に600兆円にすると明言。確かに名目成長率年3%が続けば600兆円に近くなるが、現在はゼロかマイナス成長。14年度の実質GDPはマイナス成長、15年度の4~6月期もマイナス、7~9月期もマイナスが予想される。〝魔術の世界〟のようで危なっかしい限り。国の借金が1000兆円を超えてピンチなのに、まだお金を刷り続けるとは、狂気の沙汰でないのか。

経済評論家の水野和夫氏は「安倍政権には、アベノミクスを推し進める材料がもはやないのでしょう。次々と何かを打ち続けるしかないのです。〝魔術の世界〟に入り、迷宮をさまよっているようです」と警告しているが、まさにそのような危機的況である。

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