琉球大学の渡嘉敷健准教授(環境工学・騒音)は、米軍新型輸送機オスプレイの低空飛行訓練の騒音調査行ってきたが、人体に有害な低周波音が基準値を超す数値を沖縄の3地点で確認した。
朝日新聞3月31日付朝刊社会面が報じたもので、オスプレイの騒音被害が県民を悩ましている実態は深刻だ。オスプレイは朝から夜まで飛来、低空での旋回。飛来回数が1日20回を超えた日もあり、窓ガラスはがたがた揺れ、高血圧の人は忍耐の限度を超えているという。普天間飛行場(宜野湾市)にはさらに12機が追加配備され、いまの2倍の24機に増える予定で、騒音は倍加するだろう。
渡嘉敷准教授は「国が早期に低周波音を測り離着陸時の方法につき米軍側と交渉する必要がある」と強調している。ところが、政府の反応は極めて鈍い。
毎日新聞12年9月1日付社説によると、「米海兵隊はハワイの2つの空港でオスプレイ訓練を中止。空港周辺の歴史的遺産や騒音被害を考慮したためという」と、米国内では柔軟に対応するが、日本では勝手放題の米軍に抗議したのは当然なことだ。
初出:「メディア展望」2013年4月号(新聞通信調査会)より許可を得て転載 ――編集部
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