オバマの二枚舌:戦争しながら平和を語る 国連総会のオバマ:5年間シオニストの従僕、15分のアメリカ大統領

2013年9月24日のイラン大統領ハサン・ローハニの平和外交演説は、世界に大きな 反響を呼びました。またロシア提案のシリアの外交解決は、9月28日の国連安保理でのシリア化学兵器廃棄 プロセスの決議となり、米国主導の「武力攻撃」を回避するかたちで一応のシリア問題の決着をみました。

こうした平和攻勢の潮流を受けて、米国左派の著名な論客ジェー ムズ・ペトラスは10月11日に表記のタイトルで、アメリカの 権力中枢にはめ込まれた「イスラエルおよびシオニストの権力機構」こそが、平和を阻み戦争に向かわせる強力な勢力であると詳細に分析し警 鐘を鳴らしています。拙訳ですが紹介させていただきます。

ここでは、シオニストによるイスラエル支援組織を強力な軸とし た米国の権力構造 が浮き彫りにされていますが、日本の権力構造を理解する大きなヒントが与えられていると思います。戦争を準備し核(原子力)政策を推進し たい「勢力」が、 自民党、財界、改憲勢力、右派、保守層、あるいは原子力ムラなどと括られていますが、政官財学報司の全体構造を主導している「勢力」が必 ずしも詳細に明ら かにされているとは言えません。日本版NSA「国家安全保障会議設置」、あるいは「特定秘密保護法案」などといった「テロ対策」を口実に した、イスラエ ル、米国と足並みをそろえる秘密警察国家づくりを急ぐ最近の動きをみると、日本の「推進勢力」の解明が急がれます。イスラエルと米国は 数々の残虐非道にも かかわらず、国連人権機関を懐柔・利用し、国際的な治外法権を認めさせ第二次大戦後の国際法を破壊してきた張本人だからです。

●秘密保護法案とイスラエルの戦争ビジネス
http://d.hatena.ne.jp/stop-sodastream/20131117/1384696337

ジェームズ・ペトラス(James Petras)教授は、ボストン大学出身の社会 学教授で、ニューヨーク・ビンガムトン(Binghamton)大学の名誉教授。すでに60冊以上の著書、600以上の論考を発表している米国左派 の大論客で、グローバル・リサーチ誌の常連投稿者。世界各国の左派政権の分析、イスラエル、イラク、シリア、イランの政権分析、とくに9・11以降はイスラエル・米国のイラン攻 撃の警鐘に努め、その背後でユダヤ・パワーとして暗躍しているシオニズムのイデオロギー批判で著名である。「アメリカ人の1パーセント は、悪名高きシオニスト・イデオローグが占めている」と語っている。

【ご参考】
●ジェームズ・ペトラス著『アメリカのイスラエル・パワー』(高 尾菜つこ訳  三交社 2007年)
●ジェームズ・ペトラス著『「帝国アメリカ」の真の支配者は誰 か~金融支配階級が進める民営化・搾取・格差・貧困』(高尾菜つこ訳 三交社 2008年)

●また、バルセロナの童子丸開氏が比較的早くからペトラスに注目 し、シオニズム批 判にかんする幾つかの重要論考を翻訳投稿されています。とくに、本論考の中心テーマである「ZPC」(訳注参照)については、氏が翻訳さ れた「Jペトラ ス、シオン権力と戦争:イラクからイランへ 2007年」に、その実態がはるかに詳細に 描かれているので是非、参照していただきたい。
http://bcndoujimaru.web.fc2.com/fact-fiction/zion_power_and_war.html

●なお、シオニズム(Zionism)については、ユダヤ教内部からの根 底的批判と分析を簡潔にかつ学問的にまとめられたものとして、ヤコヴ・ラブキン著『イスラエルとは何か』(菅野賢治訳 平凡社新書 2012年)をお薦めします。
氏は、「ユダヤ教2000年の伝統的教えは、武力による領土の植民地化などとはまったく 無縁」、「シオニズムによるイスラエル国家は、ユダヤ教に抗し背くことによって実現した」、「シオニズムも反ユダヤ主義も、植民地主義と 人種差別の温床たる19世紀ヨーロッパから生まれ出た」と 述べています。(2013年11月19日記)
【訳者注】
本論考の中心テーマは、米国の権力中枢に食い入るシオニスト権力である。著者はそれを「Zionist Power Configuration (ZPC)」と表現している。AIPAC(the American Israel Public Affairs Committee)やthe American Jewish Committee(全米ユダヤ委員会)、the 52 Major American Jewish Organizations (52の 米国主要ユダヤ人代表者会議)は、実態のある「組織」であるが、ZPCは必ずしも「組織名」ではなく、米国に存在する(あるいはときにイ スラエル権力も含 めた)シオニスト権力の総体を表すペトラスの造語のようだ。したがって、「シオニスト権力構造」あるいは「シオニスト権力の形態」、「シ オニスト権力機 構」、「シオニスト権力の諸勢力」などの訳語が浮かんでくるが、そして「世界シオニスト機構」(The World Zionist Organization)とも紛らわしいが、ここでは「シオニスト権力機構」としてみ た。(上記の童子丸訳では、「シオニスト権力構造」となっている。)
Obama’s Double Discourse: Talking Peace While Making War

Obama at the UN General Assembly: Five Years a Zionist Lackey Fifteen Minutes an American President

オバマの二枚舌:戦争しながら平和を語る

国連総会のオバマ:5年間シオニストの従僕、15分のアメリカ大統領

Url of this article:
http://www.globalresearch.ca/obamas-double-discourse-talking-peace-while-making-war/5353886

ジェームズ・ペトラス教授(松元保昭訳)

2013年10月11日
グローバル・リサーチ誌

国連総会で「平和を語る」オバマ (Obama)のレトリックの練習は、各国代 表、さらにアメリカ人にほとんど感銘を与えなかった。はるかに雄弁なことは、彼の5年間の 戦争であり、軍事介入であり、サイバー・スパイ、無人機殺人、軍事クーデター、愛国的に真実を語る者たちへの情け容赦のない起訴である。

彼の「平和メッセージ」が完全に 失敗したとすれば、オバマがさらに致命的な戦争を準備していたという恐れと疑いを裏付けた「戦略的同盟国」としてのイスラエルへの2ダース 以上(25回)も の言及、および軍事介入の脅迫などあからさまな帝国の特権を露骨に主張していることにある。

大きな反対をものともせず、「戦争という切り札」でゲーム

オバマの国連演説は、彼の戦争政 策が国内外の双方 でどん底にあった時に行われた。アメリカ人の力強い大多数が、彼の外交政策の取り組み全体を拒否したことを示す低い投票結果の連続、およ び少なくとも二つ の主要な外交政策の敗北をこうむった後に、オバマはイランと予備交渉をした。彼の「米国外交の新しい未来図」のその効果としては、代議員 あるいは市民に は、ほとんど印象づけられず受け入れられなかった。多くの専門家によれば、新しい戦争を準備しながら平和を語る口先のうまい男(詐欺師) と評され、それは いかにもオバマらしかった。

いかなる希望をもつことも許され なかった過去6年 間において、イラン、シリア、あるいはパレスチナから発せられた和平のための新たな申し入れに、オバマは何の反応もしなかった。イスラエ ルに対する彼の常 習的な服従は、ユダヤ国家に代わって新たな戦争を迫るものであった。さらに、(大規模なスパイ行為による)彼のサイバー植民地主義政策お よび帝国主義的な 戦争の続行にかんして、国家指導者たちが率先して厳しい怒りを露わにした非難に、オバマが答えたことは決してなかった。

オバマの二枚舌:戦争しながら平和を語る

2009年の就 任で、バラク・オバマ(Barak Obama)は 「われわれは、話し合いへの新たな意欲を持っており、それを尊重して新たな重点による新たなアプローチを採用していくつもりだ」と宣言し た。そのあとで彼は、過去50年間の どんな米国大統領よりもさらに多くの国々で、さらなる戦争、武装介入、秘密作戦および暗殺作戦の開始に乗り出していたのである。

過去5年にわたるオバマの「業績」を読 み取ってみると:

1、イラ クで軍事基地および大量殺戮、戦争を続行。

2、アフ ガニスタンで40000人の米 国「部隊急増」。

3、リビ アに対するいわれなき急襲は、国家を荒廃させ、石油生産を90パーセ ントも減少させ、何百万もの民衆を欠乏と混沌の中に投げ込み、さらに多数のテロリスト・グループに国を分断させて兵器の巨大な訓練場と化 してしまった。

4、400回以上 におよぶ無人の空中無線操縦機攻撃は、パキスタン、イエメン、アフガニスタン、およびソマリアで4000人以上 の民間人を殺害。

5、150万人以 上の難民を交戦地域から逃れさせた対ゲリラ戦およびパキスタンでの国境を越えた戦場と空爆。

6、何十 万人ものソマリア人を難民キャンプに追いやってソマリアを侵略し占領するため「アフリカ連合」傭兵に武器および資金の援助。

7、パレ スチナ人とベドウィンを日常的な拷問と逮捕、殺害、強制退去に晒しているのみならず、占領地ウェストバンクと東エルサレムでさらなる土地 の強奪に集中する人種差別政権に、先進兵器の「売り込み」と毎年30億ドル の「援助」パッケージを含んだイスラエルに対する無条件の支援。

8、7000万人を 超える市民を屈服させ飢えさせることを目標に、イラン経済を締め付けるため真っ先にイスラエルによって設計されたさらに残酷な経済制裁を 負わせる一方でペルシャ湾岸に米国海軍の大艦隊を差し向ける。

9、(閉 鎖するというずっと以前の約束にもかかわらず)何百人もの囚人が裁判もなく苦しめられている悪名高いグアンタナモ拷問収容所の維持。

10、各自 の家から100万人以 上の難民を追い立てて、シリア人10万人以 上を殺害。シリアに侵入する西側支持の傭兵およびイスラム原理主義のテロリストに対する武装と訓練。ロシアのプーチン(Putin)大統 領の平和イニシアチブのおかげで、オバマのシリア爆撃計画は10月現在 の時点では保留状態。

11、同盟 国内部(ドイツからブラジルまで)のトップレベルでの経済的、政治的な通信から高度な軍事機密に至るまでの大がかりな盗聴および醜い全世 界的なサイバー・スパイへの邁進。

12、米国 推薦候補者敗北の後、民主的なベネズエラに暴力的に不安定化させるキャンペーンをけしかけるオバマはその選挙を認めることを拒否する世界 でたった一人の指導者。

要するに、政権に就いたオバマの5年間は、武力と支配による帝国権 力の容赦なき追求に特徴づけられている。これは莫大な財政赤字のかたちでアメリカ国民にとっては途方もない経済的損失が襲ったことであ り、また国内外の政治的損失を被ったことも意味する。

結果として軍国主義の傾向をもつ オバマの台頭は、 ホワイトハウスにおける戦争挑発者の特権と掌握に異議を唱える平和イニシアチブという反対方向の流れを駆り立てて、逆の効果を生むことに なった。世界戦争 と平和勢力の間のこの巨大な対立のダイナミクスは、次の数か月の間に引き続けられるだろう。

オバマ外交政策のダイナミクス

オバマの将来に向けた政策は、高 度に軍国主義化された過去と平和と外交を求めるすさまじい今日の圧力との間の相互作用を反映している。これらの強力に衝突する諸勢力から の変化は、世界的な権力の配置ならびに予見しうる将来の米国経済の道筋に決定的な影響を及ぼすであろう。

われわれは、過去5年間にわたってオバマが採用した 軍国主義的な政策 を明確にし、その根本的な事象と諸政策を電文体で描くことで進めてきた。われわれは今、ホワイトハウスに紛争の外交的、平和的解決を実行 するよう圧力をか ける勢力および出来事を相殺する最新の動きに光を当てようとしている。また、こうした平和を阻む行動をしている主要な戦争支持勢力の配置 を確認するだろ う。最後の部分では、これら諸勢力の対立から結果として生ずる政策について説明することになる。

●戦争で受け継がれたものに 対する平和の動き

2013年初秋 にはすでに、新たなさらに致命的な戦争に向かうワシントンのやる気を徐々に衰えさせるか、すくなくとも無効にさせる力強い動向が現れてき た。八つの主要な出来事が、戦争への即時の一段階を一時的に再考させてワシントンの帝国主義政策立案者を阻止した。

これらは、以下のことである。

① 米国にダマスカス爆撃という 目下の口実を与えずに、国連の指揮下で化学兵器を無効にするというウラジミール・プーチン(Vladimir Putin)大統 領のシリアへの提案。続いて、満場一致で採択された国連安保理決議は、「戦争条項」(第7章)を 挿入しなかった。―それにかんしては化学兵器備蓄を無力にするきびしい行程表への「不服従」に備えてシリアを爆撃するというワシントンの 口実を取り除く。

② イランのローハニ(Rohani)大統 領の和解と和平への呼びかけ、彼の機敏に開始する提案、その結果として生じるイランの核開発計画にかんする交渉は、イスラエルとシオニス ト(Zionist)代理 人を国際舞台で孤立させ米=イラン 交渉に向けた動きの成り行きに応えるようオバマを強いた。

③ ブラジルのジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統 領による、国連総会での圧倒的多数の各国指導者の前で共感を呼んだ彼女の政府、経済、市民に対する米国のサイバー・スパイへの力強い公然 たる非難。世界で6番目の 規模をもつ経済、ラテンアメリカで最も強力な経済をもち、BRICs(ブラ ジル、ロシア、インド、中国の4か国の 総称で、ブリックス。現在のBRICSは、こ れに南ア共和国を加えた5か国の 総称。=訳 注)の主要メンバーである国から発せられた、これらの通信ネットワークの所有権と支配、あるいは国家開発の手続きに対して明瞭に反植民地 主義の正常な状態 を設定せよという彼女の要求。さらに米国サイバー植民地主義、その形態でのIT(情報テクノロジー)および通信企業へのルセフの拒絶。

こうした地球規模のサイバー帝国 の言い逃れにかん しては支持者をほとんど見出せず、敵だけでなく同盟国および民間人に対して盗聴する「権利」を主張するワシントンの反応は、逆にワシント ンを孤立させた。 ワシントンは、ブラジルをおさめるためにブラジルの要求をしぶしぶ認める(でなければ遵守する)こと、あるいは交渉に入ることを強いられ るだろう。

④ シリア危機にかんするプーチ ンの外交解決の準備段階では、米国内の世論はオバマのシリア爆撃という手段に圧倒的に反対していた。1対2の割合 で、アメリカの有権者はどんな新たな戦争にも反対した。さらに議会は、9対1の 割合で戦争に反対する手紙が来ていたので選挙有権者に留意する覚悟をしていた。別の言葉で言えば、オバマはシリア攻撃のためには国内の支 持を欠いていたの であり、その強い圧力のもとでプーチンの外交解決を受け入れたということである。アメリカ市民の大きな関与は、少なくとも一時的にイスラ エルの富裕層とワ シントンの影響力ある支持者の中の戦争挑発者たちを押し戻したということである。

⑤ オバマの軍国主義的な外交政 策は、予算案と負 債の最高限度額をめぐる議会のデッドロックで圧力に直面している。連邦予算が不足し政府諸官庁の閉鎖にともない、ホワイトハウスは何百万 人という軍人およ び非軍事公務員の解雇(レイオフ)を強いられた。たとえシオニストの彼の支援者たちが議会を「襲い」個々がよじ登る苦労をしたとしても、 オバマはコストの 大きい新たな戦争を開始する立場にはない。2013年9月に爆 発した「国家の財政危機」は、最初の5年間の 在任中にオバマが同意した一連の戦争政策のために、強力な政治的特効薬となっている。

負債の上限危機とその余波は、中 東における拡大さ れた戦争計画を遂行するためにホワイトハウスの能力と意欲をさらに弱めている。予算の削減なしに負債の限度額を引き上げることへの議会の 拒否は、金融市場 での危機が世界経済に広がり深刻な不況につながる前兆となるかもしれない。ホワイトハウスは国内経済を安定させるためウォール・ストリー トで手一杯の状態 であり、そのため新たな戦争に取り掛かる意欲を弱めているのである。

ひとつの警告:政治的分裂および 経済危機に直面 し、彼の国内政策がことごとく失敗して、政治的冒険家と親イスラエル・アドバイザーが「注意を逸らす」ため「国家一体化」のために戦争を 開始するようオバ マを説得するかもしれない、ということは起こりうる。もちろん軍事的憂さ晴らしは裏目に出るだろう:とりわけイランやシリアに対する米国 の攻撃がより拡大 した戦争に至ったなら、それは党派的な策略と思われ国内の分裂をさらに深めるに違いない。

⑥ 国家安全保障局(NSA)の世界的スパイ活動にかんする スノーデン(Snowden)の暴露は、ホワイトハウスの同 盟諸国に対する関係を弱め敵対国との対立を高めた。信頼と協力がとりわけ諜報に関しては、アジアとラテンアメリカで、またヨーロッパでは もう少し軽い程度にだが弱められた。数ヵ国が、NSAと協力関係にあった米IT企 業の利用を取り止めている。ターゲットにされた国々の最重要な政府高官のコミュニケーション手段を失うことによって、これらの暴露は世界 中に届くワシント ンの腕の長さを衰えさせるかもしれない。オバマとケリーの、彼らの同盟国や民間人に対するスパイ活動の常軌を逸した正当化、およびサイ バー・スペース干渉 に対する彼らの抗弁は、主要な貿易相手国のなかに反帝国主義の強力な政治的潮流をかき立てた。国連総会で、ボリビアのエヴォ・モラレス(Evo Morales)大統領は断言した。「米国が世 界の所有者である と思うなら、間違いである。」米国の軍事的帝国主義に対する彼の攻撃、「…テロリズムは、軍事基地ではなく社会政策によってこそ防ぐこと ができる。…」と 語ったことは、圧倒的多数の国連代表に共感を与えた。殺風景な対比をみせたのは、ネタニヤフ(Netanyahu)の敵意に満ちたスピーチが、た んにうんざりして退場しなかっただけの国家指導者たちのあいだに冷淡な反応をもって迎えられていたことである。

サイバー帝国主義に対するスノー デンの摘発は、その情報操作がすっぱ抜かれることによって米国の戦争能力を深刻に弱めた。NSAと結び ついた戦争挑発者を信用せず、戦争計画をさらに難しくさせている。

世界平和の必要条件のみならず、 国内外の勢力はどんなに通常の帝国主義的システムにおいても圧倒的な力をもっているだろう。しかし、平和勢力に対抗する「特別な要素」、 強力な「底流」、つまり、イスラエルおよび米国を本拠とする億万長者が資金提供して30万人強 の会員を擁する、市民社会と政府内部に深くはめ込まれた中央・地方のシオニスト権力機構(ZPC)(Zionist Power Configuration)が存 在しているのだ。

平和のうねりに対抗する:シオニスト権力機構

2013年9月29日、米 国=イラン 紛争およびシリア戦争の平和的解決に対する世界規模の支持を妨害するイスラエル・キャンペーンの役割として、イスラエルのネタニヤフ首相 がニューヨークに到着した。9月30日に、 ネタニヤフはオバマ大統領と会談し、翌日、国連総会で演説した。イスラエルおよびネタニヤフは、伸張する「平和の流れ」に対する最大最強 の障害を代表している。そのパーリア(pariahの け者)国家という立場、国際社会のイスラエルにかんする否定的な見方、(パレスチナおよび周辺国に対する)いじめっ子首相という名を与え られて、ネタニヤ フは中東における軍事的支配権、膨大な化学兵器の備蓄、地域における核兵器の独占を維持するためにほとんど排他的に米国に頼らなければな らない。中東にお ける敵のない覇権のためにイスラエルの野望を支援する不可欠の組織は、ホワイトハウスと米国議会である。シオニスト権力機構(ZPC)は、 地域のいたるところで米国政策を仕掛ける決定的な役割を果たしているのだ。

ZPCは幾つ かのレベルで影響力を及ぼしている:

① 多数のシオニストの億万長 者、百万長者たちが、ワシントンを本拠としたプロパガンダ製造工場(いわゆる「シンクタンク」)、親イスラエル中東「専門家」の戦術部 隊、アイビー・リーグ(Ivy League)の政 治評論家、52の米国 主要シオニスト組織、その3万 人の熱狂的な闘士たちに資金を提供している。彼らは、シオニスト政治屋とロビースト(一方で連邦議会のどんな反対者をも容赦なくやっつけ る)によって提案 されたどんな法律や決議も支持する従順な政治家として報いる連中のために、国中の至るところで選挙キャンペーンに何千万ドルも注ぎ込んで いる。

② 多数のシオニスト狂信者たち が、とりわけ財務 省および中東問題を扱うことを任され政権内部の重要な地位を占めている。米国の政策立案者は、イスラエルの国益にかんしては戦争を追求 し、イスラエルの敵 に対しては経済制裁を負わせるということを確実にしている。彼らは(イスラエルに対する)国連のいかなる制裁票決をも封じ込め、隣国に対 する攻撃において はイスラエルを無条件に支持する。イスラエルが最も先進的な兵器を受け取り、米財務省が毎年30億ドル 以上の貢ぎ物をユダヤ国家に支払うことを彼らは確認する。

③ 52の主要ユダヤ人組織代表者会議お よびそれらの闘士たちは、米国の国内利益および優先事項がたとえ犠牲になっても、中央と地方のイスラエル支持を確実にする。狂信者たち は、イスラエルあるいはZPCに対す るどんな批判者にも仕事を取り上げると脅迫し、あるいは禁止と検閲で活発に邪魔をする。ZPCは、ほ とんどありふれた地方レベルにまで嫌がらせを拡大している。彼らは、脅しといじめで大学のカリキュラム、世界の出来事の公開討論番組、マ スメディアの関係者とその内容を首尾よく制限している。

マスメディアは、イランを「テロ リストのイスラム 独裁国家」とレッテルを貼る一方で、「デモクラシーの砦」であると主張するイスラエルの公然とした認識に影響されているニュース・リポー ターおよび解説者 がイスラエル支持の重要人物によってコントロールされている。メディア・アナリスト、スティーヴ・レンドマン(Steve Lendman)は、 彼の記事「メディア・ブリッツ(Media Blitz)、 イスラエルが反ローハニを開始」と題して、米国の主要ニュースメディアがイスラエルの好戦的なプロパガンダをオウム返しにする方法、およ びイランの核開発 計画に関する問題でネタニヤフの度重なる嘘について書いている。ニューヨーク・タイムズ、ワシントンポスト、ウォール・ストリート・ ジャーナル、そしてブ ルームバーグは、ネタニヤフのイラン攻撃の脅迫と厳しい経済制裁の要求を支持している。52の主要 ユダヤ人代表者会議の代弁機関、デイリー・アラート紙(Daily Alert) は、ローハニ大統領を中傷する議論を巻き起こす痛烈な攻撃で名誉棄損の話の種を繰り返し広めており、またイスラエルの政治家や司令官たち の口から出るどん なに好戦的な扇動言辞も奴隷のように誉め讃えている。たとえば、シオニストの主要なプロパガンディスト、ジェフリー・ゴールドバーグ(Jeffrey Goldberg)は、 ローハニ大統領を「彼の国の核開発計画を止める準備」をしていないという理由で、彼の和平交渉を退け「ごまかしの戦争屋」と呼んでいる。 イスラエルのワシントン情報通のひとり、アーロン・ディヴィッド・ミラー(Aaron David Miller)は、米国政府が「イスラエルの 懸念に注意せよ」 と要求しているのに、ネタニヤフの言った「贈り物を受け取る狡猾なイランの宗教指導者に懸念がある」をオウム返しに繰り返している。「米 国はイスラエルの 懸念を保証せよ」というシオニストの要求は、イスラエルの地域覇権に(イランが)屈服し、医療用・民生用その他すべての核開発計画を放棄 し、主権国家のイ ランを丸裸にすると当のユダヤ国家が決めてかかっている以上、馬鹿げたことでしかない。

AIPAC(the American Israel Public Affairs Committee:イスラエル公共問題委員会) は、米国とイランとの友好関係を何としてでも妨害するため300人以上 のフルタイムのロビーストを送り込み、米国議会に「総力をあげてなだれ込む」ことを開始したと米国および英国の新聞が報道した。まさに国 連総会の会議の前に、AIPACの闘士 たちはイランの石油輸出をさらに阻止する新たな追加制裁を負わせる立法を米国議会のために作成していた。彼らの奮闘は、300名以上 の「超党派の」議員の支持を保証した。オバマ大統領が分裂した議会に直面している一方で、AIPACのイス ラエル切り込み隊は、ワシントンとテヘランのいかなる外交対話も駄目にするため満場一致に近い票決を 易々と確保する。これらの新しい過激な制裁は、ホワイトハウスの交渉を何としてでも妨害するよう入念に計画されており、イスラエル外 務当局によって指令されていた。

フィナンシャル・タイムズのよう に幾つかの主要紙が「議会に取引のハードルを高くする疑い」と表現しているのだが、彼らが説明することができないのは、これらの「疑い」 の種を蒔いているAIPACの―過 去2年以上 にわたるすべての反イラン立法を作成している!―異常な干渉とその影響についてである。アメリカ人に経済的打撃を与え戦争に飽きあきして いる圧倒的多数が賛成する平和への支持を 転覆しイランとの米国の対話に反対するZPCの中心 的な役割を、マスメディアは隠蔽する。「進歩派と左派」の週刊誌、月刊誌、および季刊誌でさえ、ZPCの圧倒 的な役割については沈黙している。主要な左派のジャーナリストは、米国行政部門、マスメディアおよび米国議会を操るAIPACおよび52の親イ スラエル・ユダヤ人組織にかんするどんなに深い議論でも意図的に避けて通る。

米国シオニスト組織とエージェン トを通じてのイスラエルの重要な役割の公的な記録文書を十二分に収集でき、あるいはAIPACリポー トを読み、ロビーストや議会職員にインタビューし、議会討論を監視し、中東にかんするヒアリングをし、米国立法委員会を担当しているあら ゆる記事の作成者が、米=イラン 関係を指図する役割を果たす。政策立案でのZPCの中心 的な役割をめぐる「進歩派」の驚くべき沈黙ほど、米国の対イラン政策に影響を及ぼすZPCの極端 な支配力を物語るものはない。それは「反ユダヤ主義(anti-Semite」」 と中傷される怖れなのか、あるいは単に臆病なのか?出版物や主要メディアのブラックリストに載せられたり、締め出される怖れなのか?ある いは、シオニスト の影響力や出入りする特権について言及することを都合よく除外しておきながら「権力と特権に批判的」であること、それは共謀ではないの か?

このように、イスラエルのネタニ ヤフ首相が52の米国 主要ユダヤ人代表者会議に「交渉条件」を押し付けるという米国の中に、われわれの今日の状況がある。ネタニヤフの命ずるところによれば、 イラン・イスラム共和国は、そのプルトニウム生産を停止し、すべての濃縮ウランを除去し、コム(Qom)の濃 縮施設を閉鎖し、医療、調査研究、およびエネルギー利用を含めて―すべてのウラン濃縮を停止しなければならない。イランに対する主権国家 の殺害となるこれらの馬鹿馬鹿しい条件を課しておいて、ZPC丸ごと の無条件の支援をさせるネタニヤフは、米国議会の中の飼い犬経由で平和的外交的プロセスを妨害し始めるのだ。あるワ シントンの消息通が注目したように、オバマ政権は「イランに対するイスラエルの見解が、米国議会の判断に大きな影響力を持っているという 事実を非常に意識している」。

イスラエルおよび米国内の第五列 (同胞を裏切り別の国に忠誠を誓う人々=訳 注)によって押し付けられる―国家の主権を徐々に蝕む―条件を受け入れた、あるいは受け入れるだろうような国はどの大陸にもない。実際、 医療用および調査 研究機関を進めてきた原子力施設をもつすべての国々は、これらの活動のすべてもしくは幾つかにすでに従事している。これらの極端な条件を 課すことによっ て、ネタニヤフは、事実上、交渉の挫折から引き続く彼とオバマ双方の合意、いわゆる「軍事オプション」の段階を仕掛けており、最初から交 渉の運命を定めて いるのだ。

道理にかなった民主主義的な世界 では、新たな戦争への成長する国内反対派を含む平和勢力の新しい戦列、およびローハニ大統領の交渉への申し入れに賛成する世界世論を前にして、米国は戦争に憂き身をやつすイスラエルを容易に無 視できるのではないかと大部分の専門家は論ずるだろう。しかしながら、とくに 現在の制裁を縮小あるいは弱めて誠意ある行動をするというより、新たな制裁を加えて妨害するZPCに直面 してさらに現実的に熟慮した分析は、あいにく交渉は大きな困難を伴うだろうと主張するかもしれない。

世界世論、国連、そしてホワイト ハウスでさえも、新たに選出されたイラン大統領ローハニの和平の申し入れを熱狂的に歓迎したちょうどその時に、イスラエル=ZPC「戦争 攻勢」が加速したのだった。

その目的は、始まってしまう前にイランとのどんな対話も妨害することだった。ZPCは、引 き続き対策をとった。

1、AIPACおよび米国議会のその取り巻き は、新たな過酷な制裁案を回覧してただちに何ダースもの議会の支持者たちが署名した。52の米国 主要ユダヤ人代表者会議に率いられた全シオニスト組織が、イランの石油産業に対する最新の最も厳しい制裁を支持した。イランに経済崩壊を 引き起こさせるため、彼らはネタニヤフの指図に従った。ZPCの目的 は、オバマの見せかけの態度(ローハニとの電話会談)に従う「善意」を妨害し、さらに、制裁にうんざりしているイラン民衆のあいだに米=イラン 対話に敵対する広範な反対派を確実に引き起こすなど、交渉にとってありうる最悪の状況をつくり出すことにある。

2、悪名 高いイスラエルの諜報組織、モサド(Mossad)は、 ほぼおそらく、サイバー防御機構を任せられていたイラン高官のモハタバ・アフマディ(Mojtaba Ahmadi)の残 忍な暗殺に関わっていた。2007年以 来、イスラエルの情報機関は、弾道ミサイル計画の責任者のみならず5人のイ ランの核技術者および科学者たちの恐るべき暗殺の背後にいたと大部分の専門家が認めている。最近のモサドの非道行為のタイミングは、たと え次の犠牲者がイランの核開発計画に直接関与していなくとも、米=イラン 交渉の風潮をさらに害するよう目論まれている。

3、国連 総会に向けたネタニヤフのスピーチは、まぎれもなく辛辣で悪意をもった人身攻撃とでっち上げの演説であった。IAEA(国際 原子力機関)の現地リポートおよび16もの米 国情報機関がこうした計画は存在しないと繰り返し明らかにしたにもかかわらず、彼はイランの「核開発計画」に対する言及を休みなく続け た。それにもかかわらず、ZPCの 実行力と影響力のおかげでネタニヤフの悪意に満ちたメッセージはすべての主要メディアで中継され取り上げられ、重要な役割を果たす親イス ラエル・シンクタ ンク、研究者および学者先生たちによって繰り返された。ネタニヤフは、ホワイトハウスに「圧力をかける」ためユダヤ人の黒幕を動かしてシ オニスト戦争支援 プロパガンダ・マシーンをけしかけた。効果はただちに現れた。オバマは、イランは核開発計画を持っていたというネタニヤフの嘘をオウム返 しすることを急い た。従順にもケリー国務長官は、イランが「テーブルに着く」ことに関しては「軍事オプション」を維持すること―別の言葉で言えば一方的攻 撃の脅迫―を誓っ た。国連代表サマンサ・パワー(Samantha Power)は、 新たに選出されたローハニ大統領に彼の「真剣さ」を証明するためにただちに譲歩するよう強い調子で要求した。

●結論:世界の平和か、シオ ニストの戦争か?

最近の政治的、外交的変化は、平 和の可能性にかんする楽観主義の評価基準を国際社会に与えている。米国世論の強烈な圧力のもとで、シリアの化学兵器をめぐるロシアのプー チン大統領の外交アプローチに、オバマは一時的だが同意した。

イランのローハニ大統領の求めた 対話に対する国連総会の好意的な反応は、その核開発計画をめぐってテヘランとの直接交渉を公然と検討する方向にオバマを強いた。

世界の世論、イランの対話的な態 度、ロシアの勇気ある外交的なイニシアチブ、ダマスカスの協力的な態度といった、最近の中東紛争の平和解決の方向に向かうすべての出来事 は、ウルトラ軍国主義国家イスラエルの利益に従って行動するZPCやアメ リカ合州国のまさに権力の中枢に食い込んだ恐るべき敵、に立ち向かっているのだ。

長年にわたって、ZPCは、イスラエルの周辺地域の数々 に敵対する戦争および手足を縛る制裁を首尾よく後押ししてきた。ブッシュ政権の主要なシオニストたちは、侵略の直前には米国市民の大規模 な反対にもかかわらず、米国を侵略に導きイラクを破壊するサダム・フセイン(Saddam Hussein)の 「大量破壊兵器」という神話をでっちあげた。米国財務省およびホワイトハウスのシオニストたちは、これらの豊かな資源国家との米国巨大石 油企業の投資と貿易を引き止め、イラク、イランおよびシリアに広範な経済制裁を課した。これによって「ビッグ・オイル‘Big Oil’」(巨 大石油メジャー)は失なわれた収益5000億ドル 近くもの損失を負う。ZPCと連携 してその対策を実施する制裁立法および担当行政官をZPCが共同 立案したことは、立法制定時の議論、決議および投票行動など議会委員会の実証的な研究が論証している。

「ビッグ・オイル」が、イラクやイランの石油生産施設を乗っ取 る何らかの計画の一部として、これらの戦争と制裁を首謀したという一般大衆の見方は、実証的な基礎を欠いている。ZPCは、「ビッグ・オイル」を屈服さ せた。ウォール・ ストリート・ジャーナルを含め、マスメディアに影響を与え、あるいは何千という熱狂的な闘士たちを組織し、議会キャンペーンに資金提供す る億万長者を動員 し、法案を作成し、議会に広がったとき、エクソン、モービル、シェブロンはもはやZPC に匹敵するものではなかった。アフリカ、アジア、ラテンアメリカの何十億もの貧しい民衆の政府にとっては、ZPCが過去30年以上 ものあいだアメリカの納税者からイスラエルに確保する毎年30億ドル もの援助という貢ぎ物をただ夢見るだけである。

国連安保理と国連人権委員会は、 いかなる決議にも米国の拒否権発動をZPCが 確保している以上、その戦争犯罪に対するイスラエルの制裁には無力である。全イスラム世界の反対にもかかわらず、ガザ、レバノン、シリ ア、イラク、および スーダンを爆撃し、占領地パレスチナの領土で土地を強奪しさらにイスラエル入植地の拡大を、ワシントンが支援し続けることをZPCは確実 にしている。言い換えれば、米国の巨大な多国籍企業の利益を、国連安保理の立場を、および第三世界の何十億もの貧困者の要求を、ZPCは首尾 よく妨害してきたのだ。6つの主 権国家(イラク、リビア、シリア、アフガニスタン、イエメン、およびソマリア)を完全に破壊し、何十兆ドル以上の米国経済の犠牲をともな う長引く野蛮な戦争を開始する米国を、ZPCが誘導 している。

現在、イスラエルとZPCは、米=イラン交渉を確実に機能停止させ る諸条件の設定に向かっている。マスメディアは、ネタニヤフの、「信用ならぬ」=「羊 の皮をかぶった狼だ」というローハニ大統領についての下品で幼稚な性格描写を繰り返している。米国務長官ジョン・ケリーもまた、イランの 核武装計画にかん するネタニヤフの嘘をオウム返しに繰り返す。ローハニと会談した後すぐに、イスラエルの承認を求めるため米国オバマ大統領はネタニヤフに すべての会話の報 告書を忠実に作成したのだ。次いでオバマは、彼のイスラエルの「ハンドラー(スパイ活動の指示者)」たちに会い、「軍事オプション(イラ ン攻撃)は依然 テーブルの上だ」と哀れにも語って、イスラエルの国益に忠誠を誓った。(過去1年の間で)191度目なのだが、オバマ大統領は、米国はイスラエルの防衛を無条件に支援すると誓った。壊れたレコード (あるいは老いぼれた政治記者)のように、「イランに脅かされていると感じるなら、イランに敵対する軍事行動をとる権利を備えておく べきだ(原文ママ)」とオバマは繰り返した。

シオニストのプロパガンダ機関 は、イランにかんする米国政府の条件を設定した。オバマがイスラエルの条件下で「交渉する」ということを、テルアビブ(Tel Aviv)が指 示しZPCが要求 する。イランは、第一世代の遠心分離機のより効率的な第二世代への転換を中止せねばならず、フォルドウ(Fordow)の地 下研究施設を除去せねばならず、アラーク(Arak)施設 でのプルトニウム生産を終わらせねばならず、備蓄しているものを引き渡さねばならず、民生用に利用する合法的なウラン濃縮を終了させねば ならず、その軍事基地および防衛機構にかんして詳細な情報を提供しなければならないと、ZPCはがん として要求する。

そのときオバマ大統領は、医療目 的のためのごくわずかの濃縮ウランの蓄積を維持するごく旧式の遠心分離機を稼働させる3.5パーセ ントについてのウラン濃縮をイランに約束するかもしれないが…。こうしたことは、独立国家あるいは国家指導者がこれまで一度も受け入れな かった不自由であることをイスラエルおよびZPCがよく 知っている条件である。シオニストたちは、イスラエルをもはや挑戦者のいない地域覇権 国に確立したいと考え、新たな湾岸戦争に米国を引きずり込むために外交を妨害しようとしているのだ。

イランとの米国の交渉条件を指図するZPCの役割を暴き、その米国議会とホワイトハウスの支配を公けに拒 絶することは、アメリカ合州国の平和陣営にとって不可欠なことである。さもな ければ、米=イラン関係を形づくる際に外交と 平和を支持する大多数のアメリカ人が何の影響力も持たないことになろう。問題は、戦争に反対するアメリカ人多数派と国際社会が、米国議 会議員を買収し支配する億万長者のユダヤ・シオニストに対抗できないことなのだ。キリスト教徒、イスラム教徒、あるいは反シオニスト・ユダヤ人の中にさえ、もはやAIPACのライバルはいない。バチカンの 説教壇から平和を支持するローマ法王フランシス(Francis)は、文字通り「ワシントンを強襲」して米国を戦争に追いやることの できる闘士たちをもつ52の米国 主要ユダヤ人代表者会議の力に対抗できない!

非シオニストのアメリカ人99パーセント(民族性と信条はすべて関係なしに)が、わずか1パーセント―イスラエルの第五列―を押し戻すために首尾一貫し た勢力として組織 されない限り、シリアに対するプーチン大統領のイニシアチブとローハニ大統領の国連での開かれた外交によって覚醒された平和へのあらゆる 希望は、挫折する だろう。いっそう悪いことに、イスラエルのネタニヤフ首相は、アメリカの大統領、 オバマの外交を鼻先で妨害し犠牲の大きいもう一つの湾岸戦争の中に再び引き込むだろう。そして米兵の中の何千という兵士たち(彼らの 中には一人のシオニストもいない)および何万もの(何百万ではないが)イラン人が死ぬだろう!

(以 上、翻訳終り)

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