オバマ米大統領、沈痛な思い

著者: 池田龍夫 いけだたつお : 毎日新聞OB
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米国南部フロリダ州で17歳の黒人少年トレイボン・マーチン君射殺事件をめぐる裁判で米フロリダ州第18巡回裁判所陪審員は7月13日、ヒスパニック系白人ジョージ・ジマーマン被告(29歳)に無罪判決を下した。無罪の根拠は正当防衛としているが、全米各地で不当判決への抗議行動が拡大している。

黒人初の大統領としてオバマ氏は7月19日、ホワイトハウスで「(少年は)35年前の私だったかもしれない」と沈痛な思いを語った。少年は昨年2月夜、白人男性自警団団長とトラブルの末、拳銃で射殺されてしまった。オバマ大統領は「黒人社会は、拭い去れない過去の経験や歴史を通じてこの事件を見ている」と付け加えている。

6人の陪審員は5人が白人、残る1人がヒスパニック系で、黒人の陪審員は1人もいなかったという。大統領発言は、全米に拡大した抗議行動の沈静化を図る狙いとも推察できるが、深刻な人種差別が消えない〝米国の恥部〟をさらけ出ししまった。

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