日本では子ども食堂が増えているという。大人食堂もぼちぼちできて母子家庭の約80%が「生活が苦しい」と訴えている。そういう日本を思い出したとき,なんと喀什・ウィグル人は豊かな生活を送っている,送るようになったと感じる。
トルファンから来たという日本語ガイド氏が近くに味がいい食堂があるという。1日おきに通ったのだが,シシカバブの値段は10元。その通りの両脇では7元と5元と4元。目方と重量によるのだろうが,30年前は5元。
砂塵舞うカシュガル。遠くの山並みは秋なのに霞んでいる。あちこちで串焼きを焼く煙で空は晴れない。いつまでも散歩していると寒さにやられる。ホテルに戻る。
ホテルの朝食は一泊3000円程度だから高級な料理は出ない。しかし牛乳とヨーグルトと蜂蜜,そしてブドウがたくさん出される。そこで壁にかけられているTV画面に見入る。CCTV13でシリア・トルコ国境付近交戦を報じる。また上海での輸入博覧会での様子など一帯一路に関する内容があった。欧米人もたくさん来て習近平主席の挨拶に聞き入っていた。米中貿易戦争などなきがごときである。またその会場もバカでかい。
古代壁画の紹介,農業技術の改良発展,科学技術の発展など小生には大いに参考になった。また社会の発展に貢献された「国の英雄」などのビデオも流された。水不足を解消しようとする努力も忘れられない。今や華為の5Gは常識で,6Gのネットワ-クを研究しだしたというニュ-ズには参った。日本は明らかに遅れている。しかしそれだけでない。
カシュガル市内はタクシ-車以上にスク-タが車道の脇の専用道路を走る。電気駆動車である。小生のような歩行者は危ないが彼ら・彼女らはスイスイ走る。エンジン音が低い。少ない。CO2排出制限に配慮している。またさらに普通乗用車もハイブリッド車が多く,ガソリン車だけはみなかった。
とにかく寒くて,そんな時期を選んだ自分が悪いことは承知の上だが,作家小田実式の「何でも見てやろう」精神から遠い旅行となってしまった。ゆえに題して「カシュガル小旅行」とするゆえんである。