中野@貴州です。今札幌に帰省中です。
熊王様。コメントありがとうございます。
「宰相の倫理観に従って、恣意的に罪の多寡が決まるのは、人治であり、近代的罪刑法定主義に反するものであるのです。このような過去の遺物である片言隻句を有難がることこそ、現中国が未だ人治にある、と思われる事由です」
まさとにそのとおりだと思います。先の拙文で言った「外儒内法」とはこのことなのです(「法治、法治」と叫ぶ現代中国の場合は、形としては逆に「外法内儒」と言うことになりますが、どちらもアマルガムであることは変わりない。政府は時には「情」を時には「法」を恣意的に押し出すわけですね)
ただ、韓非のこの文は「情を基準にしたこの宰相の判断はおかしい」というのが結論ですから、彼はまさに熊王さんのおっしゃりたいことを述べているわけですね(彼は、君主が馬鹿であろうと聖人であろうと、「恣意」ではなく「法」に従って政治を行なえば問題は生じないとも述べています。やや過大評価とは思いますが、韓非の思想を罪刑法定主義の先駆と見なす研究者もいます)。
ともあれ、私は、中国においてはこの「家族主義」を打ち破らない限り中国の近代化はあり得ないと思っています。それがあってこそ「人権・自由・民主」がはじめて実現するのではないでしょうか。
逆に今の日本は「家族の暖かさの回復」が必要なのではないかとも思っています。