最初の一時間は、NHKの中継で見て、あとは民放のワイド番組をハシゴしながら続きを見ていたが、質疑応答も繰り返しのような気がして、夕飯の支度に入ったので、4時間を超えたという最後までは見ていなかった。
見た限りの印象ながら、これでは、何も変わらないのでは。「法を超えて、救済、補償」といい、「100%株主の<私財>を投げ打って」というニュアンスの発言があったけれど、具体的な道筋どころか、「最初の一歩」すら、何も見えない。それに、何を勘違いしたのか、社名の変更もないという。
東山新社長自身のパワハラやセクハラの質問になると、その答えは、グダグダとはっきりしない。この問題は、尾を引くだろう。なぜ、タレントを新社長にしての「解体的出直し」なのか。「人生をかけて」という決意だけでは、まず務まらないのではないか。
一方、テレビ局は、TBS、フジテレビ、日テレと続いて、ジャニーズタレントの起用は、従来通りと明言しているので、事務所と局の担当者との関係が激変するとは思えない。これまで、NHKはじめテレビ朝日などが、事務所の入所希望者選考にリハーサル室を提供していたという。その便宜供与と引き換えにタレント起用を優位に運ぼうとしていたというから、その協力関係は、ジャニー喜多川の性加害を間接的に加担していたとみて良いのではないか(「TV局リハ室はジャニー氏の“狩り場”…性加害への沈黙わびたメディアに“加担”という重大責任」『日刊ゲンダイ』デジタル2023年9月6日)。
事務所所属の活躍中のいわば大物のタレントはもちろん、退所後も引き続き活躍しているタレントが、いずれも、ジャニーズ喜多川の件になると、口が重い。口を開いたとしても、「うわさ」として知っていた、というのが<模範解答>らしい。
初出:「内野光子のブログ」2023.9.8より許可を得て転載
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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