スガよ、コロナは今「アンダー・コントロール」か?

著者: 澤藤統一郎 さわふじとういちろう : 弁護士
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(2021年4月7日)
ウソとゴマカシの常習犯・安倍晋三が、原発事故後のフクシマの事態を、「アンダー・コントロール」とホラを吹いて承知した2020東京五輪。招致委員会理事長竹田恆和の贈賄疑惑も大きな話題となったところ。薄汚なさのつきまとう東京オリパラである。天網恢々因果はめぐって、思いもかけぬコロナ禍に見舞われた。

2020年の開催は1年延期となったが、21年開催も無理だろう。いや、早期に中止を宣言すべきなのだ。アベ後継のスガが、アベ並みに「日本のコロナ禍は、アンダー・コントロール」とホラを吹くことは、もう許されない。

1年遅れの東京五輪開会まで、あと107日。コロナ禍は、確実に第4波に突入している。完全に「アウト・オブ・コントロール」の事態である。本日、大阪府は感染急拡大で重症者の病床がひっ迫したとして、「医療非常事態」を宣言した。その後、本日の新たな感染者(陽性者)を878人と発表した。東京都の新規感染者数は555名、全国では3000人を越えた。これは、ただごとではない。

こんな折も折、沿道に密集した人を集めて、聖火リレーなるものが今日も行われている。本日は三重県、四日市市からのスタート。ゴールは、伊勢神宮周辺を巡って伊勢市の県営総合競技場だという。商業主義のオリンピックと、天皇教総本山の伊勢神宮、両者が結託してもコロナには勝てない。

今日のリレーの第一走者は、瀬古利彦だった。かつての東京都教育委員の一人。教育現場に、日の丸・君が代を強制した戦犯の一人。

走り終えて、瀬古は「第1走者を務められたことが光栄。開会式でともされる火を想像して走りました。コロナ禍で国民全体に閉塞感がある。聖火の火でコロナを吹き飛ばしてもらいたい」と語ったという。ノーテンキに呆れると言うほかはない。、

一方、大阪府の吉村知事は「大阪府全域での公道を走る聖火リレー」を中止とした。聖火リレーどころではない。オリンピックどころの話ではない。今や多くの人命にかかわる事態なのだ。吉村も、緊急事態宣言の早期終了のツケを自覚せざるを得ないのだ。

スガのバイデンに対する参勤交代は、このような深刻な事態でのこととなった。4月16日首脳会談予定日には、日本のコロナ禍は今よりさらに深刻になっているだろう。スガは、アベのセリフを真似て「コロナ禍について、大統領に私から保証をいたします。状況は、アンダー・コントロールされています。100日後の東京五輪準備には、これまでいかなる悪影響もなく、今後とも、ありません。」などとウソを言ってはならない。

正直にそして誠実に、こう言うべきなのだ。「コロナ禍に対して、われわれはこれまで無力・無為・無策でした。状況は、完全にアウト・オブ・コントロールです。しかし、このまま座して成り行きに任せているわけにもまいりません。100日後の東京五輪は直ちに中止を宣言して、国を挙げてコロナ禍対策に全力で策を講じなければなりません。貴国の皆様に、ご理解をいただきたいと存じます」

初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2021.4.7より許可を得て転載

http://article9.jp/wordpress/?p=16623

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/

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