チェルノブイリ視察より、福島の現場を直視せよ

著者: 池田龍夫 いけだたつお : 毎日新聞OB
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岸田文雄外相は8月25日夜(日本時間)、27年前に大事故が発生したチェルノブイリ原発を視察した。「4号機」爆発直後、高濃度放射性物質の拡散を食い止めるため「石棺」と呼ばれる建造物を作ったが老朽化が著しく、ドーム型の建造物による補強作業が進められていた。視察のあと、岸田外相は「今も事故との闘いが続いている実態を直接感じることができた。ウクライナの経験や知見は、福島での原発事故の対応で大きな参考になる」と述べた、

「首相のトップセールス」の名のもとに、安倍晋三首相の外遊が目立つ。岸田外相のチェルノブイリ視察にケチをつけるつもりはないが、福島に行けばもっとリアルな事故現場を見ることができる。安倍内閣の閣僚が一丸となって汚染水対策などに臨むことこそ、喫緊の課題だ。米・独などから海洋汚染を危惧する声も高まっており、世界がその行方を注目している。省庁の縄張りを取り払って、〝政治主導〟の実を示してほしい。

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