テント日誌 6/6日 経産前省テント広場―270日目 原発ゼロ32日目…緊迫感増す霞ヶ関周辺。政府は国民の声を聞く気があるのか

未だ、昨夜からの雨が残り、テントの中も湿り気味である。午後からは晴れてきてテント前には多くの人が座り込む。本を手にする人、談笑する人、瞑想にふける人などスタイルはそれぞれだけれどいつもの見なれた風景だ。イベントがなければ毎日くりかえされる光景だが、この中にテントの力がある。日常の繰り返しのように意志を表現することの重要さである。道行く人で挨拶を交わすようになった人も少なくないが、修学旅行と思しき男女が物珍しそうにテントを見ていた。テントにある資料をあげた。どんなつと(苞)になるのだろうか。期待して出てきた東京には何かったが、脱原発テントを見たよという話題くらいにはなるのだろうか。

夕方からは日比谷公園で「さよなら原発1000万人署名第一集約」の集会とパレードがあった。加藤登紀子さんも登場したコンサートの後は集会だった。パレードには参加せずにテントに戻った。大江健三郎さんに会いに来たついでにテントに立ち寄ったフランスの映画関係者と談笑した。相変わらず外国のメディア関係者にはテントの感心は高いようだ。7月には代々木公園では10万人集会が予定されているが、多くの結集が望まれるところだ。他方で首相官邸前や文科省前では若者たちの抗議集会が開かれている。政府の再稼働決定の動きに対して連日、霞ヶ関や国会の周辺では再稼働反対の声が響いている。テントには帰りに立ち寄る人も多いが、それぞれの胸には政府の対応に怒りが渦巻いているのだと思う。

経産省の原子力安全保安院は美浜2号機の10年間の運転延長を妥当とする審査結果を示したと報じられている。本来は安全を監視する機関であるはずの保安院が原発推進の機関と化していたこと、その所業は暴露されているが、すでに廃止の決まっている存在でこういう決定をするのは驚きである。しかも、政府の方針に反してである。官僚たちの不遜な態度には政権が変わる事まで見込んで対応かと疑う。この週末は国会や霞が関周辺での抗議行動が連日に渡って展開される。明日の7日には「原発いらない福島の女たち」の行動が皮切りになると思う。来週(6月16日~17日)は福井行のバスツアがあるが、今週は6月9日(土)に「大飯原発再稼働反対!首相官邸ウォーク」《17時30分~》がある。6月は梅雨時だが政治的行動の季節でもある。(M/O)