本件控訴をいずれも棄却する これが本日の判決である
いろいろと憶測されていたテント裁判控訴審の判決であるが、これが結果である。一審よりも高裁の方が訴訟指揮という面においていくらかよかったから、いろいろの憶測も生んだが、これが判決である。この線は一番、多く予測されていたことであろうが、僕らは裁判についてはさしあたり最高裁に上告をして闘い続けるしかない。法的な手続きを踏まえて可能な闘いをやりぬくしかない。もともと僕らのテントは裁判を予測していたわけではないし、それは国側からでてきたものであり、向こう側から仕掛けられたものである。裁判と関係なくテントは立てらら維持されてきたのであり。その本来の目的を貫徹していくだけである。
国側は脱原発の訴えと再稼働に反対する趣旨を持ったテントとテントひろばを排除したいのであり、その手段として法に訴えたのであるが、それは要するに國(経産省)の土地管理が侵害されたとするものである。確かに僕らは経産省の管理地にテントを立てているのであるが、それは福島原発事故の責任の追及と原発再稼働に反対のためであり、そのためにはたとえ経産省の管理地を侵害したにしても、それはこの目的のためにはやむを得ないことであり、そういう形式的な侵害を超えた目的のために必要と判断しての行為であり、また、憲法でいう表現の自由に該当するのであり、その権利の行使のためには必要ということである。国側は「管理地の侵害」を名目にして、僕らの福島原発事故の責任追及や再稼働阻止の声を排除したいのであり、そうした表現を排除したいのである。福島原発事故の国側の責任が明瞭にならず、再稼働を進める行為はそのことを暗に物語っているのである。土地の管理権を盾にして僕らの行為を排除する仕方は権力側の常套手段であり、例えば交通の妨害になるという理由でデモなどの政治的意思表示を排除するのと同じである。彼らはそのための法的根拠として表現の自由は公共の福祉によって制限されるという論法を用いているのであり、一審の判決とそこは何ら変わらなかったのである。
僕らは憲法で保障されている表現の自由がその下位にある法律によって制限されたり、排除されたりする事態に出会ってきたし、今回の裁判でも国側は同じ論法を取るであろうし、司法はそれを承認するだろうと思ってきた。ことはその通りに進んだのであるが、これは憲法も含めて我が国の法が、国家や権力者(支配階級)という上位的存在と結びついているということであり、法が国民の権利としてないことを示している。これは僕らが憲法を守れというときに感ずる自己矛盾のようなことにも関係するが、僕らは憲法守れというときは憲法(憲法精神)を生む(創出)ということを言外に含めていることでもあるのだ。憲法について争っても、憲法の存在的な認識というか、理解が政府や官僚たちと違ってしまうことでもある。立憲主義をめぐる論議はこの矛盾的な領域に切り込んだものであり、政府や官僚たちがこれに有効な反論をできないのは彼らの憲法認識に理由がある。僕は通り一片の「公共の福祉論」で逃げるのではなく、そこに踏み込むことを期待したのだが、以前のままだった。内藤光博さんが「宿泊型表現活動」とい問題を提起し、公共の福祉論という論法に切り込んだが、これに対する反応は以前の論法によっている。僕は最高裁でこの憲法論議を深めて欲しいと思っている。別段、最高裁に期待しているわけではない。かつて最高裁の田中耕太郎長官が砂川判決で裁判中の案件をアメリカ大使と協議するという、司法の独立を踏みにじる行為を演じ、それを誰も咎めなかった日本の司法には不信があるからだ。法は国家や支配者という上位存在と結びついていて、統治の道具であるというのはアジア的な法の伝統にあるものであり、僕らはこの厚い壁といつも闘わざるを得ないし、それはいつも自覚している必要のあることだ。
テントと設置とテントひろばの創出という僕らの行為は福島原発の事故に対する無責任な対応とそれにも関わらず原発の再稼働を進める経産省への抗議と異議申し立てとしてあった。僕らは再三にわたって述べてきたように、政府や経産省が既存の原発の再稼働を止めるなら、テントを撤去する、その用意はある。しかし、政府や経産省や業界が原発の再稼働を臆面もなく進めている状態ではテントを撤去はしない。当初の目的と旗を掲げてテントの存続と維持に努めるだけである。テントはテントがここに存在し、維持されるだけで存在の意義を持っている。これについては多くを語る必要のないことだが、その存続のためにあらゆる努力と力を尽くすだけである。裁判とは別にテントはいつもどう維持するかを内在的に突きつけられている。テントの維持が日常的になる時、それは存続が存続状態になっていることだが、僕らには矛盾のようにははねかえってくることがある、僕らは自分の身辺のこと、仕事を中心にしたことで日常を構成している。身辺のことに中心に意識と行為があることは自然なことである。それはまた、習慣的なことである。それに対してテントに関わり、そこに参加することは自然ではないし、習慣的なことではない。それは意識的なことである。この意識なことの継続には絶えず意識を喚起するということが必要であり、結構大変なことだ。それは意志的な行為だが、これが大変である。これは自分の中で考え、問答しながら、テントにかかわることだが、季節の暑さ寒さとの闘いとはべつの精神的な闘いであり、テントの維持はそれで支えられている。そんなことを確認しながら冬の季節に向かうテントの闘いを継続しよう。
「高裁判決を受けて」経産省前テントひろば記者会見
日時:2015年10月29日(木)13時~14時
場所:経産省前テントひろば(東京都千代田区霞が関1-3-1、070-5062-4196)
主催:経産省前テントひろば(Blog:http://tentohiroba.tumblr.com/)
発言予定:(敬称略)
鎌田慧(ルポライター、テント応援団)
内藤光博(専修大学教授・憲法学)
テント弁護団:宇都宮健児、大口昭彦
経産省前テントひろば:淵上太郎、正清太一、他
問合せ:木村雅英(080-5062-4196、kimura-m@ba2.so-net.ne.jp)
福島原発被告団からのおしらせ
福島原発告訴団が2013年に公害罪で告発した東電汚染水放出事件が、今月2日、福島県警より福島地検へ書類送検されました。被疑者は東電新旧役員32人と法人としての東電です。地検は捜査を行ったのち、起訴か不起訴かを決定します。告訴団は、地検が起訴の決定を下すよう働きかけて行きます!
◆10.30東京第一検審激励行動&院内集会◆
東電と旧経産省保安院の津波対策担当者計5名について、東京第一検察審査会に申立てをしています。この申立てについても起訴相当の議決をしてくださるよう激励行動を行います!ぜひお集まりください!
10月30日(金) 無料
12:30~13:15 検審激励行動 東京地裁前
14:00~15:30 院内集会 参議院議員会館講堂
*福島からバスが出ます!
行き 7:10福島駅西口発 ~ 8:10郡山教組会館発
帰り 16:00参議院議員会館前発
片道・往復とも1500円です。乗車場所、当日連絡のつく電話番号、片道か往復かをお知らせください。
全国のみなさま
| 11月1日の松山大集会で、お会いしましょう
| 9/19安全保障関連法案国会での山本太郎議員の叫び-DVD化
└──── 広瀬 隆 2015年10月26日
◎全国のみなさま…広瀬隆です。
愛媛県の中村時広バカ知事が、猿芝居の末に、予定通りに、伊方原発の再稼働に同意しました。
いよいよこれからが、本番の闘いです。
川内原発を動かした九州電力と、四国電力の経営は、これで完全に崩壊します。この事実は、お約束します。
11月1日の松山大集会で、お会いしましょう。
◎ さて今日は、必見の国会記録の動画をご紹介します。
山本太郎事務所が、9月19日の安全保障関連法案の成立までに至る質疑を、1時間のドキュメントに編集したものです。(YouTubeの動画)
前半部分は、ご覧になった方も多いと思いますが、この動画の最後の国会における山本太郎議員の叫びは、すさまじいものです。
私たちの気持を、すべて代弁してくれています。
いよいよ、これから、ひっくり返すぞ!!