“熱き”春のフランス
今年に入ってからのマクロン政権が進める年金受給開始年齢改訂をめぐって、フランス全土で反対運動が展開され、全労働組合組織や、リベラル野党=「服従しないフランス」、共産党、社会党、緑の党の統一組織「環境と社会の新人民連合」が数十万、百万単位でのデモが繰り広げられているといいます。何故、年金問題でフランスが熱くなるのか――そこにはフランスの文化・社会生活が色濃く反映しているとのことです。
報道を見ていると、1968年5月のいわゆる「五月革命」を彷彿させます。それにしても、T・Kさんも、デモの数が多く、「何人が参加しているのかは、読みきれません。全体の流れを伝えることは不可能」と言われていますが、本当にものすごい数です。
さすが、フランス革命、パリ・コミューンのフランス、レジスタンスのフランスを感じさせます。
そもそも日本のようにデモ隊を道路の端側に押し込み、信号を守らせるなどという野暮なことはなく、道路一杯――まさにフランスデモが繰り広げられています。フランスデモなどをしたのはもう半世紀も前のことです。1971年の沖縄返還協定調印阻止闘争が最後だったように記憶しています。決定的に違うのが、日本には「広場」がないということです。
ところで、どうでもいいのですが、こうした行動に対して冷笑・嘲笑を浴びせるひろゆき、フランスに居住しているとか(今は日本にいるか)。フランスにもどり、フランス人を冷笑・嘲笑してみるがいい――やれる度胸があればですが。
【ボルドー発】
年金法改悪 フランス全土で大規模デモ
マクロンは持ちこたえられるか?
今、フランスのボルドーに来ています。
今日4月13日は、年金制度改悪に反対する大デモが市内でとりくまれています。
コメントなしで、状況と雰囲気を写真でお伝えします。
デモの隊列が途切れません。
何人が参加しているのかは、読みきれません。全体の流れを伝えることは不可能です。
年齢を越えた男女の顔だけでもお伝えできれば幸いです。
保守派一部の年金制度改悪支持でマクロンが政治権力をなんとか維持している一方で、他方では反マクロン戦線には労働組合と政治左派グループ及び民主主義派が結集する対抗基軸が出来上がっていると言えます。
デモへの市民の支持率は70%以上もあると言われ、しかし左派グループが統一しているとはいえ、政治方針をめぐり党派エゴが出てくれば、「黄色ベスト」運動にみられたような失望感から極右派への流れも出てくることが考えられて、それをルペンは心待ちにしているといったとろです。
その政治テーマとは、ウクライナ戦争をめぐるロシアへの対応、エネルギー戦略、自然環境そして難民問題だといえます。
この点で左派が統一した運動を最後まで貫くことができるかどうかが、決定的だと思われます。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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