バーニー・サンダースの善戦健闘(3) ― 民主社会主義者はニューヨークで勝利するか ―

 米大統領予備選は共和党のドナルド・トランブの動向に関心が集中しているが、民主党の「民主社会主義者」バーニー・サンダースの善戦健闘が続いている。日本のメディアは、ヒラリー・クリントンの勝利を自明とみているが米国ではそうではない。

《ここまではクリントンの勝ちだが》
 両陣営の戦績をみよう。2016年4月3日現在で35州・地域の予備選または党員集会が終わった。結果は次の通りである。代議員総数5265名のうち、2723名が決まった。残るは2542名である。

候補者名   獲得代議員数(うち特別代議員)  %  党候補までに何名必要か
・クリントン   1712(469)    76 671
・サンダース 1011( 31)    24 1372
みる通りクリントンの圧勝である(「あと何名」は特別代議員の支持が不変として計算)。しかし、ここへ来て潮目が少し変わってきた。
最近の5州でサンダースは連勝した。括弧内は獲得代議員である。
3月22日 アイダホ州 (サンダース18 クリントン5)
  々   ユタ州   (サンダース27 クリントン6)
3月26日 アラスカ州 (サンダース13 クリントン3)
々   ハワイ州  (サンダース17 クリントン8)
  々  ワシントン州 (サンダース25 クリントン9)
5州合計で、サンダース100名(76%)、クリントン31名(24%)である。予備選開始以来の数字を逆転している。

《バーニー・サンダースの逆転はあり得るか》
 今後の展望はどうか。
残り2542名のうち定員の多いのは、カリフォルニア546、ニューヨーク291、ペンシルバニア210だが、4月にニューヨークを含め867名が決まる。5日にウィスコンシン州(96名)、9日にワイオミング州(18)、19日ニューヨーク州、26日ペンシルバニア州など5州(5州計462)である。

目下の最大注目点は、291名が決まるニューヨーク州の帰趨である。
ニューヨーク州はヒラリー・クリントン「上院議員」の選挙区であったし、バーニー・サンダースはニューヨーク市ブルックリン地区で少年時代を過ごした。両者とも負けられぬ地元である。
メデイアの予想報道によれば、54対42でクリントンが12ポイントリードしている。しかし、3月初旬には50ポイントの大差があったのを、サンダースが急追している。
4月1日のブロンクス区の公園におけるサンダース支援集会には15000人が集まり、会場に入りきれぬ2000人が気勢を挙げた。テレビや新聞の画面に出ることは少ないがサンダースの集会には数万人単位が集まるのである。クリントン陣営は総じて防戦的になっているという。サンダースには「弾み」がついている。何が起こるか分からない。
特別代議員は圧倒的にクリントン支持者が多い。しかし党大会の投票で現在の支持対象者を変えることは可能である。予備選でサンダースを選んだ州の特別代議員がクリントン支持でよいのか。これが一般代議員や党員の論理であり彼らへの働きかけが行われる。

《善戦健闘はなお終わらない》
 いずれにせよ、4月19日のニューヨークは僅差の勝負になるだろう。勿論、代議員数でも大差がつくとは思えない。かくして、「政治的革命」を訴える「民主社会主義者」バーニー・サンダースの善戦・健闘はなお終わらないであろう。(2016/04/03)

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