ブルマンさんへ。「かまってちゃん」の中野めにございます。
生産価格と市場価格(短期均衡価格)との関係についてのご説明とグラフについてはまったく同意いたします。私もかつて「短期均衡価格の長期均衡価格への収束」というテーマで、まったく同様のグラフを使った論文を執筆しました(『上武大学紀要』。収束を証明するのに簡単な微分方程式を使いました)。
しかし、ブルマンさんの論点はそこにはないのですね。広い意味での古典派(「経済学説史」上の古典派+マルクス、そして、労働価値説を考慮しないならばスラッファ)の言う長期均衡価格=生産価格そのものを疑え、つまり、長期均衡価格=生産価格の位置を示す水平な長期供給曲線を疑えということでしょう。その理由は「現実の世界では、スラッファ型だけでなく、収穫逓増、収穫逓減、それらの混合、などなど千差万別だから、水平の供給曲線とは限らないのが、一般的なのである」からということですね。
でも、
1、私が知っている限り、多くのミクロ理論の教科書(初歩的なものですが)では、「水平な長期費用曲線=水平な長期供給曲線」を採用していること。
2、スラッファ自身が「費用二論文」で、「現実の第一次接近としてはこうした仮定は許されるだろう」と言っていること。
以上の2点から、必ずしも「水平の長期供給曲線」は特殊なものだとは限らないのではないでしょうか?