イスラム圏のパキスタンで女性や児童の教育を受ける権利を訴える活動を行い、昨年10月にイスラム原理主義テロリスト「パキスタンのタリバン運動」(TPP)のテロに依り頭部を銃撃されて重傷を負っていたマララ・ユスフザイ(Ms.Malala Yousafzai)さんが、16歳の誕生日を迎えた12日、国連本部で演説を行い、テロリストの銃弾は、彼女の希望を砕かず、「私は、同じマララ。 私の念願は同じ。私の希望は同じ。 私の夢は同じ。」(I am the same Malala. My ambitions are the same. My hopes are the same. My dreams are the same.)、と勇気を振るって演説をされました。
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-23291897
Malala Yousafzai speech in full BBC News 12 July 2013 (BBCに依る国連での演説映像)
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2955608/11034543
マララさんが国連で演説「ペンと本で世界は変わる」 AFPBB 2013年07月13日
彼女は、続けて「誰かに敵対して居るのではありません。 タリバン、又はその他のテロリスト・グループに報復するために此処に居るのでもありません。 全ての児童の教育を受ける権利を訴えるためです。 全ての過激派、特にタリバンの子弟への教育を望みます」(Dear sisters and brothers, I am not against anyone. Neither am I here to speak in terms of personal revenge against the Taliban or any other terrorists group. I am here to speak up for the right of education of every child. I want education for the sons and the daughters of all the extremists especially the Taliban.)と訴えました。
しかし、この辺りになると、映像を観ていた私は、もう涙腺が緩くなってしまい、どうにもいけません。 最後の言葉(One child, one teacher, one pen and one book can change the world. Education is the only solution. Education First.)には、如何なる政治家でも及ばない訴求力を感じてしまいました。
彼女は、正当に、自身が銃撃を受けた理由を理解しています。 テロリストは、教育が社会に齎す変化、平等を恐れて、教師を殺戮し、学校を攻撃するのだ、と。 彼らは「教育の力」を恐れているのだ(The power of education frightens them.)、と。
イスラム圏だけではありません。 全世界で女性と児童への虐待と酷使が止まず、満足に教育を受けられず貧窮と無知の内に一生を終わる人々が無数に居る現実には言葉もありません。 しかし、彼女のような不撓不屈の精神力と正しくカリスマ的な魅力を兼ね備えた人物が出現し、世界に訴えた事実は大きく、国際社会を動かす密かな振動が感じられるようでもあります。 彼女の演説は、歴史に残る偉大なものであり、月並みではありますが、鬼神をも泣かせる魂の迸りでした。
The text of Malala Yousafzai’s speech at the United Nations A World At School (マララさんの演説原文)