ミャンマー、イラワジ・デルタで奮闘する日本人の女医さん

 内戦が拡大し、いままで平穏だったイラワジ・デルタ地帯にも戦火が及び始めています。4年前から始まった内戦は、抵抗勢力がますます支配地域を拡大し、軍事政権を追い詰めています。なるほど抵抗勢力の前進は歓迎すべきことではありますが、しかし他方で軍事政権による一般民衆への無差別の空爆――人々を抵抗勢力から離反させるため、民家はもとより意図的に公共施設を狙い撃ちする――と戦闘拡大によって、死傷者が増え※、300万人とも400万人とも言われる難民、避難民を生み出しています。いまや国民の半数が貧困状態に陥っており、もともと脆弱であった保健医療や教育システムなどは、完全に破綻しています。加えてトランプ政権はミャンマーの難民などにかかわる対外援助などの一時停止を決定、ますます人道状況は悪化する流れにあります。
※「政治犯支援協会」によると、この2月現在、2021年2月のクーデター以来、軍事政権は718人の子供と1,408人の女性を含む6,200人以上を殺害し、2万8,000人以上の反体制派を逮捕したという。
 こうした状況下で、現地で様々な困難と闘いつつ、保健医療活動や食料支援を続けておられる日本人医師がいます。本日は、この日本人、イラワジ・デルタのど真ん中に位置するミヤウンミヤというまちで、孤軍奮闘する名知仁子さんの活動の一端をご紹介します。(ミヤウンミヤといえば、現在囚われの身となっているアウンサンスーチー氏の母親であるド・キンチー氏の出身地であります)。近年、JICA関連の事業がここを拠点に行われ、筆者もヤンゴンに在住したとき、若干のお手伝いをした経験があります。
――以下の記事は、ヤンゴン発行の邦人向けポータルサイト「Myanmar Japon」の承諾を得て、転載するものです。(© MYANMAR JAPON © MFCG))
活動実績の概要>
 以下は、名知氏の自己紹介――ミャンマー農村部の無医村で、病気にならないための「保健衛生指導」、「巡回診療(移動クリニック)」、栄養不良を根本的に防ぐ「有機家庭菜園支援」を継続的に行っています。2024年11月までの実績は、保健衛生指導が324回、22,588人、巡回診療が212回、12,617人(2015年1月~2024年3月までの実績)。菜園支援により収入が3倍になり、貯金ができるようになった人もいます。

ミャンマーを決してあきらめない~READYFORで継続支援キャンペーンが始まりました
 2025年1月31日~3月31日まで新規仲間の募集
2025年1月31日、クラウドファンディングのサイトREADYFORで、MFCGの新たなマンスリーサポーター(継続支援)を募るキャンペーン「ミャンマーを決してあきらめない。”医療”と”菜園”で未来を創る」が始まりました。
★READYFORのキャンペーンサイトはこちら→
 https://readyfor.jp/projects/mfcg-support/
この日は、MFCG代表・医師の名知仁子の62回目の誕生日です。
その翌日の2月1日、ミャンマーは非常事態宣言の発出から4年という節目を迎えます。
ミャンマーの農村部では、以前から厳しい状況が続いていましたが、2021年2月に非常事態宣言が出されてから、状況はさらに厳しくなっています。
MFCGは、多くのサポーターのみなさまに支えていただき、ミャンマー農村部の人々が命を育み、希望を持ち、夢をつないでいけるように、活動を継続しています。名知仁子は、ミャンマー人メンバーとともに現地で活動を続けています。
しかし、ミャンマーでは経済の停滞や国際的な貿易の縮小のため、食料品も生活用品も、あらゆる物の値段が上がっています。MFCGの活動内容や理念に共感して一緒に活動しているメンバー、一緒に活動しようと考えてくれる人も、今までと同じ待遇では家族を養うことが難しくなってきています。巡回診療や保健指導を継続強化し、菜園活動も広げていくためには、さらなるご支援が必要です。
そこで、新たにマンスリーサポーターになってくださる方を募るため、READYFORでのキャンペーンを開始することになりました。名知仁子や仲間たちのメッセージをご覧いただき、名知仁子への“バースデープレゼント”という気持ちで、この活動を支えるサポーターが増えてくれると大変ありがたいです。
3月31日のキャンペーン期間中、現地の状況についてのレポーターやサポーターのみなさまからのメッセージなどを発信していきたいと考えています。ぜひご注目いただくとともに、お知り合いの方へのお声掛けや、SNSなどでの情報の発信・拡散にご協力ください。
なお、READYFORのキャンペーンで受け付けているコースのほかにも、ご支援の方法、コースはさまざまあります。MFCGのウェブサイトをご覧いただくか、事務局までお問い合わせください。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座  https://chikyuza.net/
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