ミャンマー軍事政権、4人の死刑執行!許すまじ、極悪非道!

著者: 野上俊明 のがみとしあき : ちきゅう座会員
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 先に軍事政権により死刑執行が予告されていた、コ・ジミーとコ・ピョーゼヤトゥ含む民主活動人士4人に死刑を執行したと、政府系新聞が4/25に発表した。

左がコ・ジミー、右がコ・ピョーゼヤトゥ             イラワジ

 コ・ジミーは、1988年反乱を指導した88世代の一人。人生の半分にあたる21年間を獄で過ごし、2012年の出獄後も、88世代の仲間とともに、慈善事業や青年の人材育成のためのプログラムなどに取り組んできたという。未亡人となったマ・ニラーテインも「88世代学生グループ」のリーダーであるが、現在は地下に潜伏している。コ・ジミーの遺児は、15歳の娘である。

 ヒップホップ・スターから政治家に転身したコ・ピョゼヤトゥは2000年からヒップホップの先駆的バンド「アシッド」で名を馳せた。2008年、地下若者グループ「ジェネレーション・ウェーブ」を結成し、ゲリラ戦術で当時の政権に反対する資料を配布し、そのため投獄された。彼は、2012年から2020年まで国民民主連盟(NLD)の議員を務めたが、2020年の選挙には出場しなかった。2・1クーデタのあと、ヤンゴンの武装抵抗組織に参加した。

 まだ未確認であるが、家族から出されている4人の遺体の引き取り要求を、軍事政権は拒否しているという。ナチスに勝るとも劣らない残虐非道さに言葉を失ってしまう。クーデタ以後、軍事政権が犯した人道に反する罪、戦争犯罪は、限度を知らない。「政治犯支援協会(AAPP)」によると、合計14,847人が逮捕され、11,759人が拘留されたままである。そのうち76人の囚人に死刑が宣告されたが、うち2人は子どもであるという。さらに41人が欠席裁判で死刑を宣告されているという。軍事政権は、4人の死刑執行以降、反軍闘争への対抗手段としてさらなる死刑執行を重ねる危険性がある。

妻と愛娘と                   イラワジ

妻のマ・ターズィンアウンと           イラワジ

 暴力による解決しか知らない軍事政権は、愚かにも行き詰まりを人道上の犯罪、ないし戦争犯罪を重ねることで打開しようとしている。7月上旬、軍事政権トップのミンアウンラインは、自らロシアを訪問し、軍事・経済支援や石油の確保を要請したが、露中の協力姿勢も暴挙を後押ししたのかもしれない。日本のミャンマー人社会は、安倍元首相の葬儀にミンアウンラインを招待しないよう強く要請している。われわれ日本社会も、日本政府に国軍との腐った関係を断ち切るよう断乎として迫っていかなければならない。この間無力をさらけ出している国連もアセアンも、平和と繁栄、人権と民主主義擁護という組織設立の根本精神に恥じないよう、軍事政権への制裁や圧力を強め、具体的成果を勝ち取らなければならない。ミャンマーの反軍民主化運動にさらなる国際連帯と支援を!

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion12220:220726〕