3/13土曜日の夜、すでに90名以上の犠牲が明らかになっていたとき、「影の議会」であるCRPH(連邦議会代表委員会)の副大統領としての資格で、NLD政治家マーンウィンカインタン氏が、初めてFBを通じて国民に熱いメッセージを伝えた。スーチー政権で上院議長を務めた氏は、2月1日以来地下に潜伏中で軍事政権に追われている。氏は、軍事政権によって最大22年の懲役刑を課する「反逆罪」に問われる可能性がある。以下はAFP通信およびイラワジ紙によるものである。
カレン族の民族衣装を着たマーンウィンカインタン氏 イラワジ紙
「いま国は夜明け前の最も暗い瞬間のうちにあります。・・・(しかし)これはまた、私たちがこの最も暗い時代にどれだけ抵抗できるかを見るために、私たち市民を試している瞬間でもあります」とし、CRPHが、「人々の権利を守るために必要な法律を制定する」と決意を述べた。
「この革命は、何十年にもわたって軍部独裁政権からのさまざまな種類の抑圧に苦しんできたすべての民族の兄弟姉妹たちが、長い間望んでいた連邦民主主義国家federal democracy unionを創設するために、私たち全員が手を携えて争闘する機会でもあります。・・・過去の私たちの違いにもかかわらず、独裁政権を永久に終わらせるために私たちは、いまこそ手を一緒に握らなければならないのです・・・私たちがひるまず団結して前進すれば、連邦民主主義国家が、近い将来私たちを待っているのです。・・・私たちはこの革命に勝たなければなりません」と述べ、軍が起草した2008年憲法を廃棄し、民主主義の規範を満たす新しい憲章に置き換えるという革命の目標を提示し、そのために国民の団結を説いたのである。
副大統領のメッセージにおいて際立って重要なのは、かれがこの反クーデタ運動の目標を「連邦民主主義」”federal democracy”の確立であると定義づけたことである。NLDが2011年に合法化して以来、みなが心の中で待ち望みながら、しかしスーチー氏は明言しなかった、少数民族組織がミャンマーの国家統治過程に参加し一定の役割を果たすべきことが、かなり明瞭に言われたのである。またそれはマイノリティ一般にも通じ、四民平等の市民革命の理念にも通じるであろう。国軍クーデタが、NLDから政治的ためらいを振り捨てさせ、市民革命の旗幟を鮮明させたといえる。
これからの焦眉の課題は、CRPHが「影の議会」と並行して「影の政府」、臨時政府を早期に立ち上げることであろう。臨時政府の役割は当面二重である。ひとつは全国津々浦々に広がっている反クーデタ運動をその創造的なエネルギーを尊重しつつ統一し、政治決戦となる「ゼネラル・ストライキ」を準備することである。そのためにはNLDらの議員だけでなく、この間の運動で頭角を現したリーダーたちを積極的に登用する必要がある。そしてもうひとつは、臨時政府の中央体制を急ぎ固めつつ、中央―地方を貫いて対抗的行政機構を地域で整えていくことであろう。それは近い将来ありうる政治交渉の主体として陣容と整えることでもある。当然ながら少数民族組織との恒常的なパイプを設けて、政治的連携を強めていくことも重要な任務となる。NLDの中心的な政治家が、本気で自分たちの役割を果たそうとしていること、これは運動にとって心強い励みになるであろう。
農村部でも反クーデタ運動拡大 khit thit Media
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