メキシコ的な安倍自民党の前奏

トラテロルコ広場において集会を行っていた学生に対する大虐殺(1968年)があった後でも、メキシコ人民はフランス・デモをかけて非暴力的に政府に圧力をかけることを怠ったことはない。

しかし、現在16%の消費税や一貫して続く選挙不正の歴史は、政治家の汚職が常態となっているのとあいまってメキシコ人民に深い心の傷を負わせている。大統領権力は「国権」の上に居座って〈『街頭のデモ』は民意を現していない〉といいながら不正選挙を大規模に行なっている。

安倍首相が現在の非常識な違憲政治を無反省に行なっているのは、その背後に強い味方たちがいるからであり、それらの後ろの勢力は選挙操作をすでに準備し始めている。まず安倍首相の名前で集計システム企業ムサシの株が買われていることに注目すべきだろう。大手メディアはサンダース、アメリカ大統領候補に行なわれたような集団的無視を野党共闘側に対して開始するだろう。大企業側は組織票固めに乗り出すだろう。

このように安倍が目指している政治形態は、ラテンアメリカ人民がどんな悪政にあっても暴力を極力排している事例、同時に政府の選挙操作が無限に広げられてきた事例に学んだものであるとも表現できる。

ラテンアメリカの権威主義体制は、対抗リーダーシップの誕生を極度に警戒してきた。それでもなお、日本の現実を前にして、確実なリーダーシップを野党、市民勢力側に期待している。