きのう(20111217)、ある講演で江戸職人の「アート」(技術)と「メチエ」(職人技)について興味深い話を聞きました。それによると、職人の世界では、アートとメチエは切っても切り離せないものでした。アートは目に見える技であるのに対してメチエは秘められた技です。鍛冶屋の焼入れ、板前の包丁磨ぎ、左官の土壁づくりなどは、メチエのなせるものです。それを私たちはアートと思っているのです。実はアートはメチエに支えられているのです。ヨーロッパでは、メチエはマイスターによって連綿と継承されていました。機械工業はアートをメチエから分断してしまいました。そういう内容の講演でした。私が意識的に追究している「ローカル・テクノロジー」にとても参考になる話でした。アートとメチエ、なにか想像・創造できそうな組み合わせです。