■去る22日未明(午前5時過ぎ)、小康状態にあった沖縄・高江ヘリパット建設反対の闘いをめぐり、大きな動きがあった。とりあえず報告のメールを紹介する。
■『おはようございます。昨日真暗い早朝5時頃からNー1(ゲート)に50人、Nー4に50人の大部隊がきて、抵抗することもできず、鉄製のゲートを作られてしまいました。佐久間さんが那覇で用事があり朝6時頃帰った時には大部隊が居て、伊佐さんに連絡するのがやっとだったそうです。近くから連絡をし、我々に連絡が来たのは6時30分頃の高速道路上で、キャンプハンセンに寄らないで(注・仲本ご夫妻は毎週水曜日早朝キャンプハンセンの正門ゲート前で出勤途上の米軍兵士・軍属に抗議をしている)高江へ向かいました。東村平良付近で異様な車数台とすれ違いました。高江に着いたのが8時5分頃で、工事人は引き上げ、工事が完了しておりました。この日は高江小中学校での冬休み前の3者面談があり、又辺野古アセスの裁判があり、手薄をねらった卑劣な行動で許せるものではありません。高江の住民を工事妨害者と裁判所に告訴し、係争中に、この防衛省の連中の行為は許せません。怒り・怒り・怒りです。午後2時半頃7人の輩がN-4から出てきてなにやら今後の調査をかなりの時間を割いてやっていたようです。2010年12月23日 仲本』
■沖縄県国頭郡東村高江は今米軍及び防衛局今米軍及び防衛局と戦っている。紙面の関係で簡単に書くが米軍再編・SACO合意により普天間飛行場を辺野古へ移すことになり、ヘリコプターの訓練施設を北部訓練所と名を変えたジャングル戦闘訓練所(東洋のガラパゴスと言われる固有種生物が多いヤンバルの殆どを使用し、その重要位置にキャンプ・ゴンザルベスがある。ヴェトナム戦争当時はここで枯れ葉剤の散布訓練を行ったヘリパッド(ヘリコプター離発着陸帯)を強化拡大することになった。ところがこれがとんでもない代物でしょっちゅう事故を起こす未亡人製造機と別称(蔑称)される未完成欠陥型垂直上昇機オスプレイの訓練施設であり、高江集落を取り囲む位置取りで6個のヘリパッドがゲリラ部隊襲撃訓練用と思しき設計がなされている。当然、高江集落の住民は容認するはずがない。いつヘリコプターが落ちてくるか解らない環境になればおちおち寝てもいられない。何しろ新しいヘリパッドから一番近い家はなんと500メートルという極近の所にある。ヤンバルに棲息する天然記念物のノグチゲラやヤンバルクイナなどはおちおち子孫を残すための行為すら出来なくなる。具体的な話は4年前におこった。その抄録を下に残す。
■2006年2月 移設予定地が公開され、高江集落を取り囲むような位置取りで6個のへリパッド建設が予定されていることが判明。中でもオスプレイの離着陸帯と思われるような形状のものまで存在した。高江区臨時総会にて全会一致の反対決議を採択。二度の住民の反対決議にも拘らず話し合いと計画の見直しを要求する住民、支援者のすべての声を無視し、防衛局は工事着工を画策するが住民たちの阻止行動で着工は頓挫する。この日から住民および支援者の座り込みによる監視活動・阻止行動が始まる。
2007年5月 観光立村・ヘリパッド建設反対を公約にして当選し、2007年4月に就任した東村村長伊集増久氏が容認派に転向。
2007年8月 「ヘリパッドいらない住民の会」結成。
2008年2月「住民の会」代表団が「ヘリパッド建設即時中止」を求める署名21830筆を携え国会誓願を行う。
2008年10月 東村村長伊集益久氏がヘリパッドの工事中止を要請した高江区住民にたいして、「2割を犠牲にしてでも8割を生かした方がいい」と暴言を吐く。防衛局は2007年2月に建築資材を運び込もうとしたが「住民の会」の阻止行動でわずかばかりの砂利を運び込んだに過ぎなかった。建築資材運び込みの失敗に終わった防衛局は暫くなりを静めていたが2010年2月22日に突如現れ、基地周辺の国有林(具体的にはヘリパッド建築用道路の入り口周辺)から住民を閉め出す為のフェンス及びゲート建築をしようとした。しかし、この時も住民の阻止行動に阻まれトンブロック設置と一部のフェンス張りに止まり、2月28日をもって再度の中止をした。
3~6月は天然記念物ノグチゲラの繁殖期ゆえに暗黙の了解であらゆる工事は行わなかった。
戦いは7月以降に持ち越されたわけである。私は7月1日から始められるであろう戦いに備え、6月29日に高江にかけつけた。待機が長引くが防衛局は現れず、7月中は何事も無く過ぎた。
9月の名護市議選と11月の県知事選が終わるまでは選挙に反映するような行為を慎み住民感情を害する事無きよう、防衛局は温和しい姿勢をとると判断し、帰京した。防衛局の窓ガラスにスモークを張ったワンボックスカーによる偵察行動すら観察されなかったので少々気を緩めていたところはあった。
■12月23日午前中に電話で高江と現状を確認し合った。N4テントにいたMH氏は「早朝から30名の住民の会と支持者が集まった。その中には参議院議員候補であった山城博治氏や国会議員の糸数慶子氏の姿もみえた」そうである。菅政権は辺野古―高江基地建設強行の動きを強めている。今後の状況については継続的に報告したい。 (文責 富久亮輔)
告知 12月26日の行動の呼び掛け
■ 12月26日には14時からは「新宿ど真ん中デモ」の第6弾目の行動が展開されます。14時から宣伝・集会などで16時からはデモです。知事選の後、政府は5月28日の日米合意の履行に向けて様々の動きをしています。菅首相の沖縄振興策というアメを引っさげての沖縄訪問と仲井眞知事との会談はその一つでした、前原外相の動きもあります。これはアメリカに向けてのアリバイ政策とも言われていますが、彼らが様々の手を打ってくることは疑いないところです。普天間基地の移設を辺野古新基地で処理することに執着したのは前原外相や岡田幹事長や北沢防衛大臣などの民主党の面々であったが、また、外務省や防衛省の官僚であったとも言われています。彼らは鳩山首相を孤立―辞任に追い込みかつての日米合意への民主党政権の舞い戻りを画策してきました。沖縄知事選挙までは表立った行動を見せなかった彼らはなりふり構わず日米合意の履行のための動きをはじめようとしています。仲井眞知事との会談などがこう着状態である中で彼らは裏面での行動を強化し、まず外堀を埋めるともいうべき動きをはじめました。辺野古新基地建設と並行して進められようとしてきた高江のヘリパッド建設の推進です。上の報告は高江のヘリパット建設の動きとその阻止活動の歴史の抄録と緊迫する現地の動きを伝えるものです。
民主党政権は「カネと政治」の問題を党内的な政局(小沢―鳩山ライン排除の権力政治の手段化)によって泥沼状態にはいりつつあります。予算編成を控え見動きの取れない状態の中でも、沖縄の基地問題の進展は彼らの望むところです。その意を受けた現地の防衛当局などの官僚たちは動きはじめます。今回の高江での行動はその一つですが、来年は彼らの策動との闘いが重要になります。僕らに残されている道は国民の声の結集による異議申し立てしかありません。本土でも辺野古新基地建設の反対は60%を超えているとの調査報告があります。国民の声を結集した行動はこの高江のヘリパッド建設にも届くものと思われます。12月26日の「新宿ど真ん中デモ」は高江のヘリパッド建設推進の動きに対する緊急行動ですが、今年最後の行動になると思います。
12時からは「安保無効訴訟の会」のアルタ前での宣伝活動もあります。引き続き14時からの「新宿ど真ん中デモ」とも共の参加を呼び掛けます。 (文責 三上治)
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投稿者の申し入れにより、当初のもの(24日14時59分掲載)を、17時47分改定されたものに差し替えました。-編集部
ちきゅう座 http://www.chikyuza.net/